がん看護≪隔月刊≫
ヘルスリテラシーの視点から考える意思決定支援(Vol.31 No.4)2026年7-8月号
- 商品説明
- 主要目次
- 序文

がんの医学・医療的知識から経過別看護、症状別看護、検査・治療・処置別看護、さらにはサイコオンコロジーにいたるまで、臨床に役立つさまざまなテーマをわかりやすく解説し、最新の知見を提供。
施設内看護から訪問・在宅・地域看護まで、看護の場と領域に特有な問題をとりあげ、検討・解説。
告知、インフォームド・コンセント、生命倫理、グリーフワークといった、患者・家族をとりまく今日の諸課題についても積極的にアプローチし、問題の深化をはかるべく、意見交流の場としての役割も果たす。
特集
ヘルスリテラシーの視点から考える意思決定支援 編集:近藤まゆみ,児玉美由紀
●特集にあたって 近藤まゆみ,児玉美由紀
総論
●がん医療におけるヘルスリテラシーと情報支援 近藤まゆみ
●がん医療のプロセスにおける意思決定とその特徴 児玉美幸
対象のヘルスリテラシーに合わせた支援
●治療選択(初期治療)における意思決定支援 〜ヘルスリテラシーが高い患者の場合〜 近藤まゆみ
●治療選択(再発治療)における意思決定支援 〜ヘルスリテラシーが低い患者の場合〜 児玉美由紀
時期別の意思決定支援
●セカンドオピニオンやインターネット情報の治療法に迷う患者の意思決定支援 櫻井雅代
●がん治療後の後遺症を見据え,生きかたを選択していく意思決定支援 岸田さな江
● 治療の中止や延命治療に関する意思決定支援 〜病状進行期の患者の「その人らしさ」を支える〜 三好こはる
対象別の意思決定支援
●認知症のある高齢がん患者の意思決定支援 波多江 優
●学童期にある小児がん患者の意思決定支援 竹之内直子
●AYA世代がん患者の意思決定支援 津村明美
特別寄稿
訪問看護師と外来看護師との連携 岩田尚子
連載
▼My Favorite Medicine!!【45】
チソツマブ ベドチン(テブダック ®) 菅野かおり
▼リレーエッセイ
●がん看護CNS巻き込む力を発揮中! 〜複雑で多様化する実践に挑む!〜
【4 地域を巻き込みがん患者を支える@ 病院所属で活躍する立場から】
地域全体で緩和ケアの提供体制の基盤をつくるための活動 小泉純子
▼ガイドラインを読み解いて活かす! がん患者の精神・心理ケア【6】
がん患者の再発恐怖のアセスメントとマインドフルネスなかかわりのポイント
〜「がん患者における気持ちのつらさガイドライン2024年版」を読み解く〜 樅野香苗,朴 順禮
▼がん看護の“今”を変える,生成AIという味方【2】
がん看護の現場で生成AIをどう使用するのか? 淺野耕太
▼壁を越えた先へ! チーム医療の実践力【5】
乳がん医療チーム看護師の立場からみる副作用対応を支える多職種の連携 平野ゆり
▼がん薬物療法看護のWhat’s Trending! Past☞Current☞Future【37】
がん薬物療法に関連した眼症状の特徴と看護支援 菅野かおり,木下実里
今月の症例
挙児希望が曖昧なまま子宮全摘を悩む未婚患者の意思決定支援 舩瀬満裕佳
BOOK(書評)
はじめてのがんゲノム医療 〜臨床のための基礎知識〜 〈評者〉畑 千秋
INFORMATION
学会・イベント情報
バックナンバーのご案内
次号予告
特集にあたって
私たちの人生は意思決定の連続です.とくに,健康や病気,障害など医療に関するさまざまな選択は,自分や家族の人生・生命にかかわる内容でもあり,多くの人が悩みながら意思決定を行っています.がん医療においても,がんに対する治療,遺伝子検査,就労や就学,妊孕性,療養の場,延命治療など多くの意思決定を必要とする場面があり,意思決定支援は多くの看護師が関心を寄せているテーマの一つです.
本特集ではヘルスリテラシーの観点から意思決定支援について考えたいと思います.ヘルスリテラシーとは,健康や医療の情報を「入手」「理解」「評価」して,意思決定に「活用」していく力のことです.インターネットが普及した現代は情報社会といわれ,個人が得られる情報の量は膨大になりました.それに伴い,自分が必要とする情報を調べ活用するヘルスリテラシーの力が,意思決定支援の場面でも注目され始めています.リテラシーとは読み書き能力のことですが,ヘルスリテラシーの観点から意思決定を考えると,信頼できる情報を見極めて,選択肢のメリット・デメリットを理解し,自分の価値観や信念を基に,今後どうするかを決めていくことだといえるでしょう.ヘルスリテラシーは健康を決める力ともいわれており個人差があります.ヘルスリテラシーに注目して意思決定支援を行うには,患者さん個々のヘルスリテラシーをアセスメントし,それに合わせた支援が求められます.
今回の特集は,主に事例を中心として構成し,患者さんのヘルスリテラシーをアセスメントするポイント,その人のヘルスリテラシーの特徴に合わせた支援などについて,ヘルスリテラシーのプロセスをとらえながら意思決定について考える機会といたしました.看護の現場において,ヘルスリテラシーは馴染みが少ない言葉かもしれませんが,選択に必要な情報の探求を支援し,その人らしい意思決定を支える大切な視点です.多くの方の目に留まり,今後の実践に活かしていただければ幸いです.
近藤 まゆみ(北里大学病院看護部/がん看護専門看護師)
児玉 美由紀(北里大学病院看護部/がん看護専門看護師)


