雑誌

がん看護≪隔月刊≫

エビデンスに基づく 看取り期のケア(Vol.30 No.4)2025年7-8月号

発行年月 : 2025年7月

在庫あり

定価2,530円(本体2,300円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

がんの医学・医療的知識から経過別看護、症状別看護、検査・治療・処置別看護、さらにはサイコオンコロジーにいたるまで、臨床に役立つさまざまなテーマをわかりやすく解説し、最新の知見を提供。
施設内看護から訪問・在宅・地域看護まで、看護の場と領域に特有な問題をとりあげ、検討・解説。
告知、インフォームド・コンセント、生命倫理、グリーフワークといった、患者・家族をとりまく今日の諸課題についても積極的にアプローチし、問題の深化をはかるべく、意見交流の場としての役割も果たす。

特集
エビデンスに基づく 看取り期のケア
  編集:宮下光令
 ●特集にあたって  宮下光令
 ●予後予測と看取り期のケア  石田美空
 ●看取り期の症状マネジメント:痛み  吉田詩織
 ●看取り期の症状マネジメント:全身倦怠感・身の置き所のなさ  細川 舞
 ●看取り期の症状マネジメント:呼吸器症状  佐藤桃香
 ●看取り期の症状マネジメント:悪心・嘔吐  田村菜津子
 ●看取り期の症状マネジメント:せん妄  伊藤里美
 ●看取り期の症状マネジメント:低栄養・脱水・電解質異常  菅原佑菜
 ●看取り期の症状マネジメント:死の恐怖・不安  重野朋子
 ●苦痛緩和のための鎮静  佐久間麻美
 ●看取り期における家族ケア  多賀谷理子
 ●遺族ケア・死別後のケア  平山英幸
 ●アドバンス・ケア・プランニング  青木千佳
 ●看取りができるさまざまな療養場所  笹原朋代

トピックス
 子どもをもつがん患者のオンラインコミュニティ「キャンサーペアレンツ」 〜つながりの連鎖から生まれる生きる力〜  橋智子

連載
▼My Favorite Medicine!!【39】
エトポシド(ラステット®,ベプシド® など)  菅野かおり

▼リレーエッセイ
  ●がん看護CNS奮闘中!
   〜理想と現実のギャップを乗り越える!!〜【4 更新後:ギャップをどう乗り越えたか,大事にしていることA】
   悩まずに考えよう!  岩月まり子

▼臓器別がん 最新のエビデンスに基づいた薬物療法と看護の実践【20・最終回】
  希少がん  山口祐平

▼遺族の声を臨床に活かす 〜J-HOPE 4研究(多施設遺族調査)からの学び〜【24 遺族ケア・在宅ケア】
  付帯研究20 遺族からみたホスピス・緩和ケア病棟による
   望ましい遺族ケアの提供に関する研究  北得美佐子
  付帯研究34 在宅療養への移行にもかかわらず在宅看取りに
   いたらなかった症例の要因に関する研究  石井容子

▼がん薬物療法看護のWhat's Trending! Past☞Current☞Future【31】
  治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対する新薬情報
   〜ゾルベツキシマブの特徴と副作用マネジメント〜  新田理恵

▼直腸がん患者への術前アプローチとストーマ・排便障害のリハビリテーション【4】
  ストーマ保有者の困りごと 「におい」の原因と対策  松原康美

今月の症例
  認知機能の低下を認める高齢患者のがん薬物療法における意思決定支援 〜高齢者総合機能評価を用いた治療の検討と多職種協働でのかかわり〜  増藤亮子

INFORMATION

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次号予告

特集にあたって

 看取り期(予後1〜2 週間程度の意識レベルが落ちてきた時期:臨死期)には,痛みや呼吸困難,全身倦怠感や身の置き所のなさなどの苦痛症状の悪化,日常生活自立度の低下や食事・水分摂取量の低下などが起こります.また,精神面ではせん妄症状をきたすことが多く,死の恐怖にさいなまれる患者も少なくありません.患者の状態が悪化するなかで,家族も不安を抱え,家族への十分な説明やケアも必要となります.

 過去には看取り期のケアは経験的になされてきた時代がありました.しかし,現在では多くの研究成果とともにガイドラインが整理されつつあります.しかし,臨床の看護師が研究論文やガイドラインを読みこなすのはたいへんなことです.

 そこで本特集では,現場の最前線で患者・家族と向き合っている看護師を対象に,ガイドラインや最新のエビデンスをわかりやすく伝えることを目標にいたしました.多くの緩和ケアに関するガイドラインは予後が6 ヵ月以内程度の終末期の患者を対象としており,看取り期に限った臨床問題(クリニカル・クエスチョン)はあまり多くありません.したがって,ガイドラインを看取り期に応用する際には,エビデンスを目の前の患者にいかに応用するかということが課題になります.

 本特集では,最新のエビデンスについて詳しい執筆者のみなさまに,治療やケアの根拠となるエビデンスについてしっかりと記載していただくとともに,看取り期の患者に対してどのようにエビデンスを活用するか,科学的な視点と臨床的な視点をバランスよく解説していただくことを依頼しました.

 本特集によって,看取り期の患者・家族のケアに携わる臨床の看護師が自信をもって日々のケアを提供できるようになり,ひいては患者・家族の利益につながれば幸いです.

編集 宮下光令(東北大学大学院医学系研究科 保健学専攻緩和ケア看護学分野)

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