がん看護≪隔月刊≫
リサーチエビデンスを看護ケアに活かす〜今とこれから〜(Vol.28 No.8)2023年11−12月号
正誤表
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2023年11月09日
第1刷
- 主要目次
- 序文
特 集
リサーチエビデンスを看護ケアに活かす
〜今とこれから〜
編集:角甲 純,小林成光
●特集にあたって
●がん疼痛
●呼吸困難
●悪心・嘔吐
●便秘
●せん妄
●がん関連倦怠感
●皮膚障害
●介護負担
●食の苦悩
●連 載
▼便秘エコーを習得してアセスメント力をアップ 【3】
病棟事例 〜医師編〜
▼臓器別がん 最新のエビデンスに基づいた薬物療法と看護の実践 【9,10】
#9 子宮がん 〜子宮頸がん,子宮体がん〜
#10 卵巣がん
▼がん患者の“食べる”に寄り添う 〜食べることをあきらめない〜 【6】
化学療法中の食支援 〜がんサバイバーと考える食を楽しむための食支援〜
▼遺族の声を臨床に活かす 〜J-HOPE4研究(多施設遺族調査)からの学び〜 【#14】
鎮静と死前喘鳴
付帯研究37 持続的な深い鎮静は患者・家族間のコミュニケーションを減らすか
付帯研究39 遺族が認識する死前喘鳴に対する吸引処置に関連する遺族の体験に関する調査
▼がん看護実践者としての私を誇りに思う 〜ゆうがや会のこぼれ話〜 【2】
「後で読もう」「そのうちに」ってありませんか? 〜ゆうがや会の論文抄読会の紹介〜
▼がん薬物療法看護のWhat’s Trending! Past ☞ Current ☞ Future 【21】
脳梗塞を併発するがん患者への薬物療法
〜トルソー症候群の理解とがん薬物療法を受ける際の注意点〜
●特別寄稿
ペプチド放射性核種療法(PRRT)導入における患者支援の実際
「事例研究」への現象学的アプローチ
●リレーエッセイ●がん看護CNS回想記 〜私の歩んできた道とその中での成長につながった体験〜【6】
▼第6回 取得26年以上
People-Centerd Care:「がんとともに生きる」を支える
自身と相手の立ち位置を理解し,コンサルテーションを実践する
●My Favorite Medicine!! 私が注目している抗がん薬を紹介します【29】
ダラツムマブ(ダラザレックス®,ダラキューロ®)
●BOOK
日本臨床栄養代謝学会 JSPEN栄養療法ポケットブック
〜いまさら聞けない? いまだから聞ける!〜
特集にあたって
がん患者は,がん治療やがんに伴うさまざまな症状を経験することで,最良のQOL (quality of life)の達成が妨げられることは少なくありません.患者を支える家族もまた,患者の意思決定を支えるなかで,心の揺らぎや精神的な負担を経験されているかもしれません.患者・家族のケアニーズをとらえ,必要とされているケアを届けることは,看護師にとって重要な役割の一つです.
2000 年頃からエビデンスに基づく実践(evidence based practice:EBP)に関心が高まり,ケア提供の重要な要素と位置づけられるようになりました.EBP とは,利用可能な最良のリサーチエビデンス(研究結果)と,患者・家族の趣向,ケアを提供する環境やケア提供者の実践知を統合し,提供されるものだといわれています.私は,EBP の要素である「最良のリサーチエビデンス」のシーズ(種)は,皆さまが日々,臨床で提供されている一つずつのケアだと考えています.すでにリサーチエビデンスが集積されている分野や,これからリサーチエビデンスが集積される分野もあるかと思います.しかし,臨床の看護師がその情報をキャッチし続けることは,なかなかにたいへんなことです.
そこで,本特集では,臨床の最前線で患者・家族のケアを提供されている看護師の皆さまを対象に,看護ケアに焦点をあてた,がん治療期におけるリサーチエビデンスと,終末期がんにおけるリサーチエビデンスについて,症状別に解説していきます.
本特集の執筆陣は,個々のトピックを研究テーマにしている看護研究者にお集まりいただきました.紹介するリサーチエビデンスのなかには,すでに臨床で実践されているものもあるかと思いますが,その場合には,リサーチエビデンスの確認につながるよう,執筆をお願いしました.また,臨床で馴染みのないような最新のリサーチエビデンスを紹介する際には,今後,臨床で実践される可能性があるケアとして,その適応方法について解説をお願いしました.
本特集が,看護師の皆さまの看護ケア提供の引き出しが増えることや,自信をもって良質なケア提供することにつながり,ひいては患者・家族の最良に少しでも近づくことになりましたら幸いです.
編集者を代表して 角甲 純