がん看護≪隔月刊≫
化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)〜しびれに悩む患者に,なにができるか〜(Vol.28 No.6)2023年7−8月号
- 商品説明
- 主要目次
特集にあたって
抗がん薬の歴史は古く,1940 年代のナイトロジェンマスタードにさかのぼります.その後,たくさんの抗がん薬が開発され,2000 年代には分子標的治療薬が誕生しました.近年では,免疫チェックポイント阻害薬も誕生し,様々ながん腫ががん薬物療法の適応となりました.これにより,がんの治療も大きく進歩して,その効果として「治癒」「延命」「QOL 向上・症状緩和」が期待されるようになりました.しかし,その効果に反して抗がん薬による副作用が患者のQOL を低下させる原因となっています.特に化学療法誘発性末梢神経障害(chemotherapy-induced peripheral neuropathy:CIPN)は,患者の日常生活を大きく脅かし,QOL を著しく低下させる症状の一つです.「がんは小さくなったけれど,しびれ(末梢神経障害)があり仕事や家事,趣味ができなくなった」といった患者の声も多く聞かれます.CIPN はがん薬物療法を継続している期間はその症状も継続し,がん薬物療法が終了してからも,症状改善には時間がかかります.そのため,CIPN に対して治療前からのアセスメントと患者・家族への教育,多職種によるチームアプローチが重要となります.
本特集では,看護師ががん薬物療法を受ける患者のCIPN へのケアに対するチームの一員として,症状の早期発見・安全に治療に取り組めるよう,CIPN の機序や出現リスクなど基本的な知識や,臨床現場でのアセスメントに役立つ尺度や症状の特徴,療養経過をとおしての時期に応じた患者・家族へのセルフケアを含めた日常生活支援や教育,つらい症状を抱える患者への心理的サポート,事例についてまとめました.
本特集が,がん看護の臨床現場で,CIPN に悩む患者を支える看護師の皆様の参考となり,少しでもCIPN を抱える患者のQOL の向上に役立てることができれば幸いです.
化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)
〜しびれに悩む患者に,なにができるか〜
編集:細川 舞,神田 清子
●特集にあたって
【T.CIPNとは】
●CIPNの機序
●CIPNに対する治療 〜薬物療法〜
【U.アセスメント】
●CIPNのアセスメント尺度
●CIPNの特徴とアセスメント
【V.症状マネジメント】
●治療前のアセスメントとケア
●治療中のアセスメントとケア
●治療後のケアと多職種連携
●CIPN患者の心理的サポート
【W.事例紹介】
●就労している乳がん患者への支援
●末梢神経障害を有する膵がん高齢患者に対する看護
●連 載
▼便秘エコーを習得してアセスメント力をアップ 【新連載】
連載にあたって
がん患者の便秘の病態生理
▼がん患者の“食べる”に寄り添う 〜食べることをあきらめない〜 【4】
看護師が抱く問題点と支援の実際
▼遺族の声を臨床に活かす 〜J-HOPE4研究(多施設遺族調査)からの学び〜 【#12】
死別と悲嘆
付帯研究19 緩和ケア病棟で家族を亡くした遺族における悲嘆症状の体験:持続性複雑死別障害,遷延性悲嘆障害,複雑性悲嘆に含まれる症状からの検討
付帯研究31 死別後に家族が経験する生活の変化やストレスとなるようなライフイベントの影響
▼がん薬物療法看護のWhat’s Trending! Past ☞ Current ☞ Future 【19】
新規に承認されたがん薬物療法薬 in 2022〜薬の特徴を知って必要な看護支援を考える〜
●今月の症例
がん遺伝子パネル検査で遺伝性腫瘍の可能性が伝えられた患者の妻への看護
●リレーエッセイ●がん看護CNS回想記 〜私の歩んできた道とその中での成長につながった体験〜【4】
▼第4回 取得16〜20年
与えられた仕事をまずは一生懸命に行う
さまざまなフィールドで経験を重ねながら看護を追究する
●My Favorite Medicine!! 私が注目している抗がん薬を紹介します【27】
レゴラフェニブ(スチバーガ®)