雑誌

がん看護≪隔月刊≫

明日から使える免疫関連有害事象マネジメント~免疫チェックポイント阻害薬の看護ケア~(Vol.27 No.2)2022年1‐2月増刊号

発行年月 : 2022年2月
判型 : A4変

在庫あり

定価2,750円(本体2,500円 + 税)


  • 主要目次
  • 序文

明日から使える免疫関連有害事象マネジメント
~免疫チェックポイント阻害薬の看護ケア~

●編集にあたって 山上 睦実,河添  仁

●本書の使いかた 山上 睦実
第Ⅰ章 
免疫チェックポイント阻害薬治療をはじめる患者さんへ~説明方法の極意~
 ◆免疫チェックポイント阻害薬を初めて使う患者への説明方法 森 奈月

第Ⅱ章
免疫チェックポイント阻害薬治療の実際~看護師が押さえておくべきエッセンス~
 ◆免疫チェックポイント阻害薬の単剤療法 岩本 義弘
 ◆免疫チェックポイント阻害薬の併用療法/複合がん免疫療法 古川 孝広
 ◆免疫チェックポイント阻害薬と放射線療法 上松 正和
チーム医療
 ◆医師からみた免疫チェックポイント阻害薬治療のチーム医療 鹿毛 秀宣
 ◆看護師からみた免疫チェックポイント阻害薬治療のチーム医療 北村 悦子
 ◆薬剤師からみた免疫チェックポイント阻害薬治療のチーム医療 葉山 達也

第Ⅲ章 
免疫関連有害事象マネジメント~事例で学ぶ気づきのポイントとケアの実際~
 ◆免疫関連有害事象とは 平尾千恵子
 ◆サポーティブケア ~ケアの要点と多職種連携~ 湯川 夏美
 ◆社会的支援 池山 晴人
事 例
 ◆インフュージョンリアクション 片岡ヤス子
 ◆皮膚障害 島貫裕実子
 ◆間質性肺疾患 袴田 潤
 ◆大腸炎,下痢 小林 一男
 ◆神経障害 土屋 雅美
 ◆肝機能障害,肝炎 山上 睦実
 ◆甲状腺機能障害 宇土しのぶ
 ◆重複免疫性疾患 植竹 夏子
 ◆ 1 型糖尿病 高田 慎也
 ◆筋炎・横紋筋融解症 髙橋 克之
 ◆重症筋無力症・筋炎 縄田 修一,徳永 愛美

第Ⅳ章 
免疫チェックポイント阻害薬の薬物動態を知る~くすりを知ればケアがよくなる~
 ◆ 一般的な薬物と免疫チェックポイント阻害薬の体内動態~薬物は体内でどのような運命をたどって効果を発揮し体内から消失していくのか~ 鈴木 小夜,中村 智徳
 ◆免疫チェックポイント阻害薬の体内動態と有効性/毒性との関係 鈴木 小夜,中村 智徳

特集 明日から使える免疫関連有害事象マネジメント ~免疫チェックポイント阻害薬の看護ケア~

特集にあたって

   現在,国民の2 人に1 人はがんに罹患し,3 人に1 人はがんで亡くなる時代となりました. がん医療の質的向上の重要性は増しており,患者へ安全で有効ながん薬物療法を提供する意義は大きくなっています.一般的に,がん薬物療法はベネフィットとリスク(治療効果と副作用など)のバランスが重要です.副作用を可能な限り軽減することは,治療効果を高めることにつながり,結果としてがん薬物療法を受ける患者の得られるベネフィットはより増大します.

 がん薬物療法のなかで,免疫チェックポイント阻害薬は多くの悪性腫瘍で使われるようになりました.当初,免疫チェックポイント阻害薬は単剤療法でした.その後,免疫チェックポイント阻害薬どうしの併用療法や免疫チェックポイント阻害薬と細胞障害性抗がん薬との併用療法など治療が複雑化しています.免疫チェックポイント阻害薬に伴う副作用は,免疫関連有害事象(irAE)と呼ばれ,細胞障害性抗がん薬と比べて発現頻度は低いものの,まれに重篤化することがあります.さらに,「いつ起こるのか?」という発現時期は不明です.そのため,外来通院治療における患者・家族への教育,多職種連携によるチーム医療およびかかりつけ薬局と病院との施設連携など,さまざまな面からのアプローチによるirAE の早期発見とそのマネジメントが重要です.

 本増刊号は,看護師の皆さまが「明日から使える」をコンセプトとしたirAE マネジメントの特集です.実臨床ですぐに実践できるように患者・家族への説明方法や医師・薬剤師からのメッセージ,事例による解説をしています.とくに頻度の低い有害事象は経験することが少ないため,どのような支援をしたらよいか悩まれることもあると思います.そのようなときに,本書がより一人ひとりの患者の看護ケアを充実させる一助となれば幸いです.

 本増刊号が,免疫チェックポイント阻害薬のirAE マネジメントにとどまらず,患者・家族のベネフィットへつながることを願っています.

 2022 年2 月

編集:山上 睦実(東京大学医学部附属病院看護部/がん看護専門看護師)
   河添 仁(慶應義塾大学薬学部医療薬学・社会連携センター医療薬学部門)


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