雑誌

がん看護≪隔月刊≫

直腸がんの手術をめぐる看護(Vol.26 No.7)2021年9-10月号

「食べる・排泄する・動く」をサポートする

発行年月 : 2021年9月
判型 : A4変

在庫僅少

定価1,760円(本体1,600円 + 税)


正誤表

  • 主要目次
  • 序文

直腸がんの手術をめぐる看護
〜「食べる・排泄する・動く」をサポートする〜

特集にあたって 松原 康美
 ●データでみる直腸がんの特徴 佐藤 武郎,山梨 高広,内藤  剛
 ●直腸がん治療の実際 佐藤 武郎,三浦 啓壽,内藤  剛
 ●直腸がん術後のLARS とは? 松原 康美
 ●LARS の患者へのセルフケア支援は? 松原 康美
 ●回腸ストーマ造設後の生活上の注意点は? 工藤 礼子
 ●術後の食生活で注意することは? 林 ゑり子
 ●仕事ではなにに気をつけるか? 橋本久美子
 ●直腸がんの手術後,いつから運動を始められるの? 森岡 直子
 ●補助化学療法を受ける患者へのセルフケア支援は? 水島 史乃

●連 載
▼もっと知りたい! 放射線療法【 新連載】
粒子線治療の特徴と看護 戎谷明日香
▼知って安全! エビデンスに基づく抗がん薬の曝露対策と臨床実践【 3】
化学療法を受けた患者の皮膚に接触する際の曝露対策 小澤 桂子
▼がんも身のうち 〜患者と看護教員 一人二役 リアルレクチャー〜 【10・最終回】
一日一笑 一日一楽 〜サバイバージャーニーへ〜 吉原 由実
▼シームレスに実践 ターミナルケア・グリーフケア【 3】
病院でのグリーフケアの実践 〜家族の予期悲観に寄り添う支援〜 宇津木智子
▼がん薬物療法看護の What’s Trending ! Past ☞ Current ☞ Future【 9】
がん薬物療法を受ける患者・家族が交流・情報交換する場としてのがんサロン運営
〜新型コロナウイルス感染症パンデミックによる影響と対策〜 石崎 智子,後藤 真澄,菅野かおり
●特別寄稿
「もう楽にしてくれ」という余命数週間の患者に対して治療継続をあきらめきれない息子たち 松本 好美
●My Favorite Medicine!! 私が注目している抗がん薬を紹介します【16】
シクロホスファミド水和物 菅野かおり
●投 稿
原 著●外来化学療法を受ける肺がん患者の経済的負担にかかわる看護師の困難さ 大倉  泉,二本蝸謗q
●リレーエッセイ●こちらがん看護スペシャリスト奮闘中!
〜新たな敵と対峙してがん医療を前進させる〜【5】
▼第5回 合併症のリスクを避ける
感染の不安を取り除き,能動的なケアを実践 佐伯 香織
今できることに向き合い,大切なものをあきらめない 坂元 敦子

特集:直腸がんの手術をめぐる看護 〜「食べる・排泄する・動く」をサポートする〜

特集にあたって

 2020 年のがん統計予測によると,大腸がんの罹患者数は年間15 万人を超えるといわれ,高齢化と食生活の欧米化により年々増加傾向にあり,部位別がん罹患数ではもっとも多いがん種である.大腸がんの約7 割は直腸とS 状結腸に発生するといわれ,発生部位により症状や治療法が異なる.

 近年,直腸がんの手術療法は飛躍的に進歩し,より肛門に近い直腸がんでも肛門を温存することができるようになってきた.一方で術後に頻便や残便感,便失禁などが長期化し困っている患者は多い.また,術前化学放射線療法,術後補助化学療法においても排便習慣の変化から,食事や仕事への不安を抱く患者もいる.

 そこで今回の企画では,直腸がんの周術期における生活の中で「食べる」「排泄する」「動く」に着目し,患者の困りごとやよくある質問をとりあげた.具体的には,直腸がんの概要と主な術式,がん薬物療法や放射線療法を受ける患者への支援,低位前方切除後症候群(Low anterior resection syndrome:LARS)の概要とセルフケア支援,回腸ストーマ造設後の生活上の注意点,術後の食生活・仕事・運動での注意点,術後補助化学療法を受ける患者へのセルフケア支援などの内容を盛り込んだ.

 今回は,病棟・外来・在宅で看護師が,生活上の相談,情報提供,患者教育にかかわる際の参考となるよう,基本的な知識から,より具体的で専門的な内容も含めた.看護師が直腸がん周術期の患者の心身の状態を把握したうえで,生活をともに考えて相談にのれるような看護の充実を目指し,編集した.

 本特集ががん看護の現場で活躍される皆様のケア向上に役立つものとなれば幸いです.


編集:松原 康美(北里大学看護学部,北里大学病院/がん看護専門看護師/皮膚・排泄ケア認定看護師)

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