臨床雑誌内科≪月刊≫
最後までよい人生を支えるには(Vol.112 No.6)2013年12月増大号
多死時代の終末期医療
- 主要目次
- 序文
特集 最後までよい人生を支えるには
−多死時代の終末期医療
≪Editorial≫
現代における終末期医療とは 荻野美恵子
≪第1章 がんの終末期を支えるには≫
消化管がん 下山ライ・太田惠一朗
肝胆膵がん 近藤俊輔
肺がん 松本武敏
血液腫瘍 坂巻壽
泌尿器がん 堀夏樹ほか
頭頸部がん 大嶋健三郎ほか
乳がん 岩瀬弘敬
子宮がん 勝俣範之
≪第2章 非がんの終末期を支えるには≫
慢性心不全 安井博規
慢性呼吸不全 西川満則ほか
慢性肝不全 野口修
慢性腎不全 三浦靖彦ほか
認知症 川嶋乃里子
脳卒中 崎山隼人・山本亮
神経難病 難波玲子
老衰 遠藤英俊
非がん疾患の緩和ケア−米国の実際 関根龍一
≪第3章 小児の終末期を支えるには≫
新生児・幼児 加部一彦
小児・若年者 細谷亮太
≪第4章 症状緩和をして終末期を支えるには≫
痛み 余宮きのみ
呼吸困難 田中桂子
全身倦怠感・食欲不振 佐藤哲観
腹部膨満感 新城拓也
悪心・嘔吐 今井堅吾
浮腫 蘆野吉和
不眠・せん妄 明智龍男
≪第5章 多職種で終末期を支えるには≫
腫瘍内科医 佐々木治一郎
緩和ケア医 茅根義和
麻酔科医 大下恭子ほか
精神腫瘍医 大西秀樹・石田真弓
一般病棟看護師・緩和ケア認定看護師−高齢者の終末期ケアとエンド・オブ・ライフ・ケアチーム 横江由理子ほか
緩和ケア病棟看護師 田村恵子
医療ソーシャルワーカー 福地智巴
臨床心理士 岩満優美
薬剤師 加賀谷肇
≪第6章 在宅での終末期を支えるには≫
在宅医として 鈴木央
在宅ホスピス医として−治療病院との連携 川越厚
訪問看護師として 高砂裕子
おひとりさま在宅 小笠原文雄
在宅ターミナルを支えるケアマネジメントの課題 服部万里子
人生の最後を支えるコンソーシアムの発想−誰がどのように支えていくのか? 小野沢滋
≪第7章 コミュニティーとして終末期を支えるには≫
地域の中で:過疎地での取り組み 吉村純彦・石橋和也
地域の中で:都市部での取り組み(1)−ケアタウン小平チームの場合 山崎章郎
地域の中で:都市部での取り組み(2)−在宅における包括的緩和ケア、人権運動としてのホスピスへ 二ノ坂保喜
かあさんの家−一人暮らしから、とも暮らしへ 市原美穂
コミュニティー緩和ケア−市民とともに支え合う 大石春美・三浦正悦
≪第8章 場として終末期を支えるには≫
急性期病院(1):特定機能病院 大津秀一
急性期病院(2):一般病院 小野充一ほか
療養型病院 中川翼ほか
高齢者施設 齋藤豊和ほか
緩和ケア病棟−現状と課題 川上明ほか
≪第9章 終末期の意思決定を支えるには−それぞれの立場から≫
医師の立場から−終末期における臨床倫理の有用性 新田國夫
看護師の立場から−「物語られるいのち」の尊重 石垣靖子
医療倫理の立場から 会田薫子
法的立場から 丸山英二
がん哲学の立場から 樋野興夫
≪第10章 終末期の意思決定を支えるには−advance care planning(ACP)、事前指示≫
事前指示について 板井孝壱郎
リビングウィルセミナー 竹下啓
私の生き方連絡ノート 渡辺敏恵
レット・ミー・ディサイドとACP−患者の意思決定をいかに支えるか 二ノ坂保喜
マイ・エンディングノート 本田桂子
≪第11章 国として終末期を支えるには≫
医療施策の立場から 飯島勝矢・辻哲夫
社会医学の立場から 高橋泰
ソーシャルキャピタルの立場から−大規模実証試験からみた地域緩和ケアを改善する顔のみえる関係 森田達也
医療政策学の立場から 長谷川友紀・松本邦愛
医療経済学の立場から 真野俊樹
報道の立場から−幸せな最期を支える医療とは 山脇絵里子
医学教育の立場から−わが国における緩和ケア卒前教育の実態と今後の展望 高宮有介
一般市民と学生、医療従事者に対する死生教育の立場から 小野充一ほか
国際福祉研究の立場から(1)−英国の緩和ケアサービスから学ぶ支援体制とわが国のこれから 阿部まゆみ
国際福祉研究の立場から(2)−積極的に胃瘻造設を行っていた国から行わない国に変わったフランス 高橋泰
国際福祉研究の立場から(3)−デンマークにおけるターミナルケアの実情と日本との比較 小島ブンゴード孝子
・View Spot
ジャーナルのオンライン化をめぐって 楠進
【Information】
第23回日本メイラード学会学術集会
第31回日本東方医学会
【Book Review】
変貌する心不全診療 堀正二
循環器内科臨床マニュアル 山岸正和
CKD-MBD診療ポケットガイド−ガイドラインに基づく実践 秋澤忠男
【記事広告】
膠原病肺を伴う肺高血圧症治療のポイント
日本は、今後30年間、死亡者数は増加の一途をたどり、都市部では約2倍になると予測されています。これまで人類が経験したことのないスピードと規模で進む日本の高齢化は世界中の国々が注目しており、諸外国に手本を求めることはできません。
本特集は、今後の終末期を取り巻く状況を概説し、医療・介護・福祉と多分野が協力して対応する必要性を考え、企画したものです。
日ごろ臨床でご尽力されている本誌読者の先生方には、高齢社会のわが国が抱える終末期医療の今と、さらには、これから多死時代へ突入するわが国で、患者さんの人生を最後まで支えていくための指針の一つとして、ぜひ本特集をご活用いただければ幸いです。
本特集は、看護師、薬剤師、医療ソーシャルワーカーなど医師以外のメディカルスタッフの方々、加えて、経済学や政策学、マスコミに国際研究と、あらゆる方面の専門家にお力をお貸しいただきました。忙しい中、原稿執筆に時間を割いていただいた皆様にこの場を借りて深く感謝申し上げるとともに、読者の先生方には、ぜひお近くの医療・介護・福祉関係者など、医師以外の方々にも本誌をお勧めいただき、本特集をきっかけに終末期医療への関心と理解の和が広がっていけば、企画者としてこれに勝る喜びはありません。
北里大学神経内科 荻野美恵子