洋書

WHO分類

WHO分類シリーズとは


ヒトの腫瘍の組織学および遺伝子型決定を扱うWHOの腫瘍分類シリーズ。AFIPアトラスシリーズと並び、病理学領域における必携シリーズである。

腫瘍学者と病理学者に国際基準を提示し、治療および臨床アウトカムに対する研究モニタリング反応のデザインで使用される不可欠のガイドとして役立つ。診断基準、病理学的特徴および関連する遺伝子変化は厳密に疾病指向で述べられている。

腫瘍の診断・分類についてのゴールド・スタンダードとして長きにわたって病理学者や病理医に愛されており、診断や評価、臨床試験、がんの研究をデザインするうえで欠かせないガイドである。がん研究やがん患者のケアに携わる医療従事者のすべてにおすすめのリファレンスであり、国際基準を知るのに最適な一冊となっている。

4THシリーズ


WHOの腫瘍分類シリーズの第4版は2006年に「中枢神経系腫瘍」が刊行され、2018年に最後の巻となる「眼の腫瘍」が刊行された。各巻は非常に権威のあるレファレンスであるが、簡潔にまとめられており、専門の寄稿者から成る委員会によって編纂されている。診断基準、病理学的特徴、ならびに遺伝的および他の関連する分子変化が、疾患指向で記載される。また各巻は多数のカラー写真、MRI画像、CT画像、表、および関連する参考文献を収載している。

5THシリーズ (New!)

第5版は2019年7月発行の『Digestive System Tumours』から始まる。第5版は編集委員会が主導する最初のものであり、常任委員と専門委員が密接に協力して腫瘍の分類の根拠を評価している。これまでの版のように各巻は多数のカラー画像を含み、病理学者が診断の根拠とするために必要な定義を提供し続ける。また、これまでより分子病理学と遺伝学がさらに強調されるだろう。第5版からの新要素として、表の標準化、診断基準のリスト、および一般的な腫瘍の疫学を説明するマップ(IARCによって作成されたもの)が含まれる。

今後の刊行予定

第5版の刊行予定は以下の通りである。
・Endocrine Tumours
・Haematolymphoid Tumours
・Skin Tumours
・Eye and Orbit Tumours
・Hereditary Tumours