Pathology Survival Guides, Series 1
Vol.14: Survival Guide to Kidney & Bladder
著者 | : O.N.Kryvenko, S.R.Williamson & G.J.Netto |
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出版社 | : INNOVATIVE SCIENCE PRESS LLC |
ISBN | : 979-8-9867435-6-1 |
出版年 | : 2025年 |
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- 商品説明

腎臓と膀胱は、他の臓器系とは異なり多種多様な組織学的パターンを持つ、外科病理学上やや特殊な臓器である。とりわけ膀胱は、腫瘍との鑑別が難しい良性病変に加え、一見良性に見える、あるいは他の病変を模倣する腫瘍が存在することで知られている。
膀胱腫瘍の管理は、組織学的悪性度や浸潤の程度によって大きく異なり、腫瘍が診断されると通常、長期的なフォローアップや各種の診断法が必要となる。そのため、膀胱病変を有する患者には可能な限り正確な診断を下すことが求められる。一方、腎臓では近年の研究により、従来型とは異なる複数の組織学的腫瘍型が同定された。それらは固有の免疫組織化学的・遺伝学的パターンを反復して示すことが明らかになっている。そのため、腎腫瘍の診断が極めて複雑であるという懸念が生じているかもしれない。しかし、いくつかの単純なパターンに基づくアプローチを理解すれば、特殊な検査を行わなくても腎腫瘍の多くは容易に診断できると考えられる。さらに、腎細胞癌の浸潤パターンは他臓器の多くの腫瘍とは異なり、デスモプラジアを伴う直接浸潤よりも、血管内へ触手状に突出して浸潤する方が一般的である。
本書では、膀胱および腎臓の病理診断プロセスを簡素化し、最も関連性の高い診断所見と有効性の高い補助マーカーに重点を置いて評価を効率化している。また臨床的意義の大きい診断には特に焦点を当てている。これには、根治的治療の可能性のある腫瘍の診断、見逃すと過剰治療につながる可能性のある良性病変の診断、遺伝性症候群と強く関連する診断が含まれている。最先端の診断においても、試行錯誤を重ねたヘマトキシリン・エオジン染色は、しばしば主要な診断手がかりを提供し、それだけで完全に診断できるわけではなくとも、高度な診断への多くの重要な手がかりを示し続けている。
実際の診療において特に関連性が高く、かつ診断が難しいと考えられる疾患や病態を多数取り上げており、それぞれについて簡潔な文章と、鑑別診断や主要所見を示す表で解説している。著者が外科病理学において最も興味深いと考える膀胱と腎臓という2つの臓器の病理診断において、実践に役立つ情報が詰め込まれている。
