コンパスシリーズ
コンパス医薬品情報学[電子版付]改訂第3版
理論と演習
編集 | : 小林道也/中村仁 |
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ISBN | : 978-4-524-40409-4 |
発行年月 | : 2022年12月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 276 |
在庫
定価4,950円(本体4,500円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
演習問題の豊富な医薬品情報学の教科書.わかりやすくコンパクトにまとめられた各章で基礎を学んだ後,章末の演習問題に取り組むことにより,実務実習に出る前から手を動かし経験を積むことができる.演習問題はスモールグループディスカッションにも対応.今改訂では各種情報・知見の更新を行ったほか,付録[最近のトピックス]を新設し,医薬品情報関連の最近の話題を紹介した.さらに今改訂版より電子版付とした.
1章 医薬品情報学総論
A 医薬品情報とは
1 医薬品と化合物(試薬)の違い
2 医薬品として必須の情報
3 医薬品情報の性質
4 医薬品情報の活用
5 医薬品情報の評価・創出
B 医薬品情報にかかわる法律と制度
1 法律,政令,省令
2 医薬品医療機器等法
3 薬剤師法
4 医薬品開発に関する厚生労働省令
5 レギュラトリーサイエンス
C 医薬品情報にかかわる職種
1 病院・診療所・保険薬局に勤務する薬剤師
2 厚生労働省,(独)医薬品医療機器総合機構(PMDA)
3 製薬企業
4 医薬品卸業
5 研究者など
2章 医薬品情報の発生過程
A 開発過程で得られる情報
1 医薬品の研究開発から製造販売承認
2 製造販売承認に必要な医薬品情報コンテンツ
3 コモン・テクニカル・ドキュメント(国際共通化資料,CTD)の構成
4 医薬品の製造販売承認審査
5 添付文書と医療用医薬品の承認審査情報
6 開発時の製造販売承認の際に必要な申請時情報の活用とその限界
B 市販後に得られる情報
1 GVPに関連する医薬品情報
2 GPSPに関連する医薬品情報
3 副作用・感染症報告制度
3章 医薬品の情報源
A 加工度による分類
1 加工度による医薬品情報の分類
2 医薬品情報の収集手順
3 一次資料
4 二次資料
5 三次資料
6 情報の検索方法
B 情報発信者による分類
1 厚生労働省など行政機関の提供する資料
2 製薬企業などの提供する資料
C 日常よく利用する医薬品情報源
1 医療用医薬品添付文書
2 一般用医薬品添付文書
3 医薬品インタビューフォーム
▼演習問題(3-1〜6),(3-7〜16),(3-17〜22),(3-23〜30),(3-31〜48)
4章 医薬品情報の評価
A 医薬品情報の信頼性と妥当性
1 医薬品情報の評価に必要な基本的事項
2 種々の情報源の評価
B 医薬品の有効性の評価
1 医薬品の有効性評価のための基礎知識
2 有効性に関する医薬品情報の評価
3 医療施設における有効性情報の比較評価
C 医薬品の安全性の評価
1 医薬品の安全性を評価するしくみの概要
2 医薬品開発における安全性評価
3 市販後における医薬品の安全性評価
4 医療施設における医薬品の安全性評価
5 医薬品リスク管理計画(RMP)
D その他の評価(医薬品適正使用のための評価)
1 医薬品の採用・選択のための評価
2 医薬品適正使用のための評価
▼演習問題(4-1〜5),(4-6〜8),(4-9〜10),(4-11〜22)
5章 医薬品情報の加工と提供
A 能動的医薬品情報提供
1 能動的医薬品情報提供に関する法律
2 能動的医薬品情報提供の流れ
3 医療スタッフへの能動的医薬品情報提供
4 患者への能動的医薬品情報提供
5 知的所有権
B 受動的医薬品情報提供
1 受動的医薬品情報提供に関する法律
2 受動的医薬品情報提供の流れ
3 医療スタッフへの受動的医薬品情報提供
4 患者への受動的医薬品情報提供
5 守秘義務
▼演習問題(5-1〜5),(5-6〜10)
6章 患者情報
A 情報と情報源
1 薬物治療に必要な患者情報
2 患者情報源の種類
B 収集・評価・管理
1 問題志向型システム(POS)
2 患者情報の記載方法
3 医薬品の効果や副作用を評価するために必要な患者情報
4 守秘義務と医療分野における個人情報管理
▼演習問題(6-1〜10)
7章 EBMと臨床研究
A AEBMの概念とプロセス
1 EBMとは
2 EBMのプロセス
3 EBMの実践による利点と欠点
B 臨床研究の手法
1 臨床研究と倫理
2 生物統計
3 観察研究
4 介入研究
C 臨床研究の立案と実践
1 エンドポイント
2 サンプルサイズ
3 バイアスと交絡の回避
4 臨床適用上の結果の解釈
▼演習問題(7-1〜3),(7-4〜6),満(7-7)
付録 最近のトピックス
本書で対応する薬学教育モデル・コアカリキュラム一覧
索 引
1993年に日本病院薬剤師会でまとめられた病院における医薬品情報管理の業務基準の基本は,医薬品情報の収集・整理・保管・加工,そして専門的評価であった.それから約30年の年月が過ぎ,その基本は変わっていないものの,用いる技術やツールは著しく発展し,また得られる情報は膨大なものとなっている.情報源という海の中から,いかに迅速かつ効率的に必要な情報を入手し,薬剤師の目で取捨選択し,情報を必要としている患者や医療従事者に適切に加工して伝えていくかが,現在の薬剤師に求められている.
このような業務は一朝一夕でできるものではなく,当然,薬学生に完全を求めることは無理である.しかし,大学における医薬品情報学等の講義の中で,情報の種類や入手方法などの知識分野を学び,臨床を想定した模擬質問への対応(情報検索と評価,加工,提供)などのトレーニングを積み重ねて技能・態度を修得し,揺るぎのない基盤を作り上げた後に薬剤師として働く中でさらに磨きをかけていってほしい.
本書が「コンパスシリーズ」の1つとして2015年に上梓されてから7年が経過した.実務実習に必要な医薬品情報に関する知識をコンパクトにまとめ,得られた知識を活用できる演習問題を掲載しているスタイルが好評を得ている.今回の改訂では,2013年改訂の薬学教育モデル・コアカリキュラム(2015年4月より実施)の「E3(1)医薬品情報」と「E3(2)患者情報」を充実させたものとなっている.また,2019年4月より施行された医療用医薬品添付文書の記載要領改正にも完全対応した.初版ならびに第2版では,記述内容の誤りをいくつかご指摘いただき,正誤表にて対応させていただいた.本版ではそのようなことがないように十分に注意を払ったつもりだが,お気づきの点があれば編集部へご連絡いただきたい.
近年,薬剤師国家試験において,医薬品情報・医療統計分野の出題が増加し,またその内容も単なるキーワードの暗記だけでなく,臨床研究論文のグラフを見ながらどのように解釈すればよいかなど,医薬品情報の専門的評価の部分までもが問われている.これは,薬剤師として医療に貢献するためには,これまで以上に高い医薬品情報活用スキルを身につける必要があることを示している.本書の特色である豊富な演習問題は,臨床経験を有する数多くの著者らが考えたオリジナル課題であり,卒業してからも自己研鑽のために活用していただければ幸いである.
最後に,本書の改訂にご尽力いただいた,関係の方々に心よりお礼申し上げる.
2022年11月
小林道也
中村 仁
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