臨床製剤学改訂第5版
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編集 | : 内田享弘/鈴木豊史/四方敬介 |
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ISBN | : 978-4-524-40393-6 |
発行年月 | : 2022年3月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 442 |
在庫
定価6,270円(本体5,700円 + 税)
正誤表
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2023年11月27日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
製剤の基礎である物理化学から,医薬品製剤の開発,局方医薬品,さらに現場で実際に使用される臨床製剤まで網羅した教科書.薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25年度改訂版)に対応.今改訂では剤形や製剤機械等をイメージできるように多数の写真を追加したほか,実際に用いられるユニークな製剤や最新の製剤技術など学生の興味関心をひくコラムを追加.第十八改正日本薬局方に対応.
T 製剤の基礎物理化学
1 粒子・粉体
a 粒 子
b 粉体粒子としての性質
c 粉体としての性質
2 溶液・溶解
a 溶 液
b 溶解現象
3 界面現象
a 界面張力(表面張力)とその測定
b 界面活性剤
c 分散系
d 乳 剤
e 懸濁剤
f 分散した粒子の安定性と分離現象
g 分散安定性を高める代表的な製剤学的手法
4 レオロジー
a 粘 性
b 流 動
c 弾 性
d 粘弾性
e レオロジー特性値の測定
f 製剤のレオロジーの評価
g 高分子
5 反応速度
a 化学反応速度論
b 安定性に影響する要因
c 衝突説・遷移状態理論
d 薬物と製剤材料の安定性に影響する要因と安定化法
6 医薬品の修飾
a 代表的なプロドラッグとそのメカニズム・有用性
b 吸収におよぼす薬物・製剤側の因子
練習問題
U 医薬品の開発と品質・安全性の確保
a 医薬品とは
b 新医薬品等の開発
c 医薬品の品質および安全性の確保
練習問題
V 各種医薬品製剤
1 日本薬局方
a 日本薬局方の構成と概要
b 製剤総則
2 経口投与する製剤
a 即放性製剤と放出制御型製剤
b 錠 剤
c カプセル剤
d 顆粒剤
e 散 剤
f 経口液剤
g シロップ剤
h 経口ゼリー剤
i 経口フィルム剤
j 添加剤
3 口腔内に適用する製剤
a 口腔用錠剤
b 口腔用液剤
c 口腔用スプレー剤
d 口腔用半固形剤
4 注射により投与する製剤
a 注射剤
b 無菌製剤の等張化
5 透析に用いる製剤
a 透析用剤
6 気管支・肺に適用する製剤
a 吸入剤
b 吸入粉末剤
c 吸入液剤
d 吸入エアゾール剤
7 目に投与する製剤
a 点眼剤
b 眼軟膏剤
8 耳に投与する製剤
a 点耳剤
9 鼻に適用する製剤
a 点鼻剤鼻粉末製剤
10 直腸に適用する製剤
a 坐 剤
b 直腸用半固形剤
c 注腸剤
11 腟に適用する製剤
a 腟 錠
b 腟用坐剤
12 皮膚などに適用する製剤
a 外用固形剤
b 外用液剤
c スプレー剤
d 軟膏剤
e クリーム剤
f ゲル剤
g 貼付剤
13 その他の製剤
a 生物関連医薬品
b 放射性医薬品
c 生薬関連製剤
14 単位操作
a 粉 砕
b 分 級
c 混合,混練・捏和,撹拌
d 造 粒
e 乾 燥
f 打 錠
g コーティング
h 乳化・懸濁化
i カプセル充てん
15 日本薬局方一般試験法
a 一般試験法
b 滅菌法および無菌操作法
16 製剤の品質確保
a 製剤の安定性
b 安定性の評価
c 容器・包装
17 ドラッグデリバリーシステム
a DDSの概念と代表的なDDS技術
b コントロールドリリース
c ターゲティング(標的指向化)
d 吸収改善
e アンテドラッグ
f インスリン製剤
g 分子標的医薬品
h 核酸医薬品
練習問題
W 臨床製剤
1 病院・薬局製剤
A 院内製剤(病院薬局製剤)
a 院内製剤の定義,分類,意義
b 院内製剤を調製する環境
c 院内製剤における手続きと薬剤師の役割
d 院内製剤の調製における病院内の手続き
e 院内製剤の品質確保,品質保証
f 院内製剤の実際
g 院内製剤における問題点
h 院内製剤の市販化について
B 薬局製剤(薬局製造販売医薬品)
a 薬局製剤の定義
b 薬局製剤の製造と販売
c 代表的な薬局製剤
2 注射剤の無菌調製
A 無菌調製に必要な環境
B 中心静脈栄養と末梢静脈栄養
a 投与経路,投与速度
b 静脈栄養剤の種類と組成
c 静脈栄養における各種栄養素の代謝と役割
d 電解質濃度とカロリー量の計算
e 水分バランスの考え方
f 器材と取扱い
g 合併症と対策
3 注射剤の配合変化
a pHの変動による物理的配合変化
b 溶解度の変動による物理的配合変化
c 化学的配合変化
d 容器への吸着などによる配合変化
e 配合変化の回避方法
4 抗悪性腫瘍剤の取扱い
a 抗悪性腫瘍剤の特徴と取扱いに関わるガイドライン等の整備状況
b 抗悪性腫瘍剤調製のための環境・物品
c 抗悪性腫瘍剤の調製の実際
d 投与時の輸液セットの選択
e 抗悪性腫瘍剤調製業務を支援する機器について
5 注射用キット製品・使用方法
a キット製品とは
b 注射用キット製品の使用目的と分類
c 注射用キット製品のメリットとデメリット
d 注射用キット製品の構造,特徴,使用方法
6 院内感染・消毒剤の意義
a 消毒剤の種類と特徴
b 使用法
c 院内感染防止対策
練習問題
参考文献
練習問題解答
索 引
本書は薬学6 年制導入初年度の2006 年に発刊された初版をスタートに,改訂モデル・コアカリキュラム導入後の薬学生の教育に使用されてきた.この間改訂を重ね,この度改訂第5 版となった.
初版の序でも述べているように,本書は,医療現場において新しい医薬品(製剤)が次々と登場し承認審査体制も変化するなかで,薬の専門家として責任をもってチーム医療や医薬品開発に参画できる薬学生の育成を目的に刊行された.
第T章「製剤の基礎物理化学」,第U章「医薬品の開発と品質・安全性の確保」,第V章「各種医薬品製剤」,第W章「臨床製剤」という4 部構成となっており,製剤の基礎から,医薬品の開発・承認,各種剤形,臨床現場での製剤(医薬品)の実際について順序だてて学習できるようになっているが,オムニバス的な各章の学習も可能である.
この度の改訂においては,第十八改正日本薬局方への対応の必要性,新しい臨床製剤登場等を考慮し,大幅な改訂を行い,かつ薬学生に使用しやすいよう工夫をした.以下にその変更内容について記す.
・ 全章を通じて学生がイメージしにくい特殊な剤形や製剤機械等のイラスト,写真を多数追加した.
・第U章ではバイオ医薬品やバイオ後続品(バイオシミラー)の解説を拡充した.
・ 第V章のドラッグデリバリーシステム(DDS)の内容を一新し,第W章の臨床製剤の大部分についても内容を一新した.
・ ユニークな製剤や最新技術を用いた製剤学的工夫,高額医薬品の薬価など読み物的な内容を新たにコラムとして追加した.
・ 章末の練習問題については関連する本文参照頁を極力挿入した.また,図や表を見て考えさせる演習問題を新たに追加した.
本書を有効活用していただくことで,臨床薬剤師として,あるいは製薬分野で活躍するための基盤の醸成に繋がるものと考える.薬学生のみならず,現職の薬剤師の方々,製薬企業の方々にも,本書を活用いただきたい.
最後に,今回の改訂作業に格別なご尽力をいただいた南江堂出版部の諸氏に深謝する.
2022 年2 月
編集者一同