パートナー薬剤学改訂第4版
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編集 | : 原島秀吉/伊藤智夫/寺田勝英/伊藤清美 |
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ISBN | : 978-4-524-40387-5 |
発行年月 | : 2022年2月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 454 |
在庫
定価7,150円(本体6,500円 + 税)
正誤表
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2023年08月31日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
生物薬剤学,物理薬剤学,製剤学を網羅した薬剤学の教科書.薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25年度改訂版)と薬学アドバンスト教育ガイドライン(例示)に対応.今改訂では,演習問題を全体的に見直し,直近数年の薬剤師国家試験の問題としたほか,式などに用いられる記号等を統一し,参照頁の記載を充実させたことでさらに使いやすくなった.第十八改正日本薬局方対応.
序章 薬剤学総論
A 医薬品とは
B 剤形から物理薬剤学へ
C 生物薬剤学
D 薬物速度論
E 薬物送達学
F 医薬品開発におけるパラダイムシフト
G エピジェネティクス,核酸医薬,ナノ医療
第1章 薬物の体内動態
1.生体膜透過
A 生体膜透過機構
B 単純拡散(受動拡散)
C トランスポーター(輸送担体)
D 促進拡散
E 一次性能動輸送
F 二次性能動輸送
G トランスポーターの輸送活性制御
H トランスポーターの遺伝子変異など
I 創薬標的としてのトランスポーター
J 膜動輸送
K 非撹拌水層
L 生体膜透過性の予測と解析
演習問題
2.吸 収
A 消化管吸収
B 消化管吸収機構
C 消化管吸収に影響を与える要因
D 消化管以外の経路からの吸収
E 吸収過程における薬物相互作用62
演習問題
3.分 布
A 分布とは
B 組織移行性
C 分布容積
D 薬物のタンパク結合
E 正常時・病態時における薬物のタンパク結合
F 脳移行と血液脳関門・血液脳脊髄液関門
G 分布過程における薬物相互作用
H リンパへの移行
I 妊娠時における薬物のタンパク結合
J 胎児移行と血液胎盤関門
K 高分子医薬品の体内分布
演習問題
4.代 謝
A 代謝酵素と代謝反応
B プロドラッグと活性代謝物
C 代謝過程における薬物相互作用
演習問題
5.排 泄
A 腎臓の構造と機能
B 腎排泄機構――糸球体ろ過,尿細管分泌,再吸収
C 尿細管分泌・再吸収の分子機構
D 薬物の腎排泄評価法
E 胆汁中排泄
F 胆汁中排泄の分子機構
G 腸肝循環
H 薬物の胆汁中排泄評価法
I その他の排泄
J 排泄トランスポーターにおける薬物間相互作用
演習問題
6.個別化医療
A 遺伝的要因
B 年齢的要因
C 臓器機能低下
D その他の要因
演習問題
第2章 薬物動態の解析
1.薬物速度論
A 線形コンパートメントモデル
B 線形1-コンパートメントモデルに基づいた解析
C モーメント解析
D 臓器クリアランス(肝,腎)および固有クリアランス
E 血液中濃度と血漿中濃度との関係
F 体内動態の非線形性
G 生理学的薬物速度論モデル
H 薬物動態学-薬力学解析(PK-PD解析)
I 薬物動態学的相互作用と薬力学的相互作用
演習問題
2.TDMと投与設計
A TDMとは
B TDMの有用性が発揮される薬物
C 血中薬物濃度の測定
D 投与計画
E 薬物各論
F チーム医療とTDM
G 母集団薬物速度論
演習問題
第3章 製剤の性質
1.粒子と粉体の性質
A 粒子径と表面積
B 粉体の性質
C 粒子内の分子配列
演習問題
2.医薬品の溶解現象
A 医薬品の溶解と溶解度
B 固形製剤の崩壊と医薬品の溶出
C 医薬品の溶解に影響を及ぼす因子
演習問題
3.レオロジー
A 弾性変形と粘性流動
B 構造粘性
C チキソトロピー
D 粘弾性の力学的模型
E レオロジー的性質の測定方法
F 固有粘度(極限粘度)と分子量
演習問題
4.界面化学
A 界面活性と表面吸着
B 表面張力の測定
C 界面活性剤の性質
D 分散系
演習問題
5.反応速度論と医薬品安定性
A 反応速度と反応次数
B 反応速度に影響する因子
C 医薬品の安定性とその改善
演習問題
第4章 製剤設計
1.代表的な製剤
A 製剤化の意義
B 日本薬局方に規定されている各種製剤の特徴
C 経口投与する製剤の種類と特性
D 粘膜に適用する製剤の種類とその特性
E 注射により投与する製剤の種類とその特徴
F 皮膚などに適用する製剤
G その他の製剤の種類とその特性
演習問題
2.製剤化と製剤試験法
A 医薬品添加物
B 製剤化の単位操作と製剤機械
C 代表的な製剤の具体的な製造工程
D 容器と包装
E 製剤関連試験法
演習問題
3.生物学的同等性
A 生物学的同等性を議論する背景
B 生物学的同等性の概略
C 経口固形製剤の生物学的同等性
D Biopharmaceutics classification system (BCS)
E 生物学的同等性試験のレギュレーション
F 生物学的同等性試験の実施例
演習問題
第5章 ドラッグデリバリーシステム(DDS,薬物送達システム)
A ドラッグデリバリーシステム(DDS)の概念
B 放出制御
C 標的指向性の付与(体内動態の改善)
D 吸収改善
E 高分子素材を利用した薬物体内動態の制御
F リポソームの利用
G エマルションの利用
H マイクロスフェアの利用
I 高分子ミセルの利用
J DDSの副反応
K DDSの課題
演習問題
参考書
演習問題解答
本書における薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25年度改訂版)対応一覧
本書における薬学アドバンスト教育ガイドライン(例示)対応一覧
索 引
『パートナー薬剤学改訂第3 版』が2017 年に出版されて早5 年が経過したが,この間,医薬品業界では大きな変化が起きた.2017 年にはCART 療法として知られる世界初の遺伝子細胞療法のキムリア®が白血病薬として認可された.2018 年には世界初のsiRNA ナノ医薬品オンパットロ®がトランスサイレチン型家族性アミロイドーシス治療薬として認可され,2019 年にはゾルゲンスマ®という全身投与型遺伝子治療薬が脳内神経細胞の遺伝子変異を治療する脊髄性筋萎縮症治療薬として認可された.その後,2020 年にはCOVID-19 が全世界に蔓延しパンデミックとなったが,1 年以内にmRNA ワクチンが開発され,顕著な効果を示している.このmRNAワクチンやオンパットロ®においては脂質ナノ粒子という薬物送達システムが成功の鍵を握るブレイクスルー技術となり,核酸医薬や遺伝子治療などの新しい医薬品における薬剤学からの貢献が顕著であった.
薬学の世界は日進月歩で,21 世紀に入り特にこの5 年間で大きな変化が起こっており,日本薬局方も2021(令和3)年に第十八改正日本薬局方が告示され,医薬品のパラダイムシフトに対応すべく重要な改訂がなされた.これと連動して薬剤師国家試験問題にも変化が現れることが予想され,『パートナー薬剤学改訂第4 版』では,このような状況の変化を的確に捉え,最新の情報に基づいて改訂を行っている.
本改訂版が,将来病院や薬局,あるいは製薬企業,大学,官庁等の領域で活躍する薬学生にとって,よき「パートナー」として役立つことを期待している.
2022 年1 月
原島秀吉
伊藤智夫
寺田勝英
伊藤清美