機能形態学改訂第4版
編集 | : 櫻田忍/櫻田司 |
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ISBN | : 978-4-524-40356-1 |
発行年月 | : 2018年12月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 354 |
在庫
定価6,600円(本体6,000円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
人体の構造と機能について、薬学部生に必要な情報を簡潔にわかりやすくまとめた教科書。章ごとに箇条書きの「まとめ」を設置し、おさえるべきポイントを明示したほか、理解度チェックができる記述式の「練習問題」を掲載。今改訂では近年の薬剤師国家試験の出題内容に対応したほか、一部図の追加・改変を行い、よりわかりやすい内容とすることを目指した。
第1章 細胞・組織
1−1 細胞
1 細胞の構造
2 細胞小器官の構造とはたらき
3 細胞間結合と細胞外マトリックス
4 細胞の構成
1−2 組 織
1 上皮組織
2 支持組織
まとめ
練習問題
第2章 末梢神経系
2−1 神経の基本的機能
1 ニューロンとグリア
2 静止膜電位
3 活動電位
4 興奮伝導
5 神経線維の種類
6 軸索輸送
7 ウォーラーの変性と再生
8 シナプス伝達
9 細胞膜受容体
2−2 神経系
1 末梢神経系
まとめ
練習問題
第3章 中枢神経系
3−1 脳と脊髄
1 中枢神経系の区分
2 脳室と脳脊髄液
3 髄 膜
4 脳の血管
5 血液脳関門
3−2 脊髄
1 脊髄の形態
2 αおよびγ運動ニューロン
3 筋紡錘と腱紡錘
4 脊髄の機能
3−3 脳幹
1 中脳
2 橋
3 延髄
4 脳幹の運動調節
3−4 間脳
1 視床
2 視床下部
3−5 大脳基底核と小脳
1 大脳基底核
2 小脳
3−6 大脳半球
1 大脳皮質
2 大脳辺縁系
3−7 脳神経と脊髄神経
まとめ
練習問題
第4章 筋肉・骨格系
4−1 筋肉
1 筋肉の種類
2 骨格筋
3 骨格筋収縮のしくみ(滑り説)
4 骨格筋の興奮収縮連関100
5 骨格筋における筋小胞体からのCa2+遊離機構・
6 骨格筋収縮のためのエネルギー源
7 骨格筋収縮の形式
8 平滑筋
9 心筋
4−2 骨格
1 骨
2 骨の種類
3 骨の構造
4 骨の形成と成長
まとめ
練習問題
第5章 感覚器系
5−1 感覚の種類と性質
5−2 体性感覚
1 皮膚感覚
2 深部感覚
3 体性感覚の伝導路
4 痛覚の内因性抑制機構
5−3 内臓感覚
5−4 視覚
1 眼球の構造
2 結像の機序
3 網膜における光受容機序
4 視覚伝導路
5−5 聴覚
1 聴覚器
2 聴覚伝導路
5−6 平衡感覚
1 前庭器官の構造
2 半規管と平衡斑の機能
3 平衡感覚伝導路
5−7 嗅覚と味覚
1 嗅覚
2 味覚
5−8 皮膚
1 皮膚の構造とはたらき
2 皮膚付属器官
まとめ
練習問題
第6章 消化器系
6−1 消化器系の構成
6−2 消化管
1 口腔
2 咽頭と食道
3 胃
4 小腸
5 大腸
6 肛門
7 消化管における吸収
6−3 肝臓・胆嚢・膵臓
1 肝臓
2 肝臓のはたらき
3 胆嚢
4 膵臓
6−4 消化管ペプチド
まとめ
練習問題
第7章 循環器系
7−1 心臓
1 心臓の形態
2 特殊心筋と固有心筋
3 循環
4 心筋の微細構造
5 心筋細胞の電位変化
6 心筋収縮の生化学的機序
7 心臓周期
8 神経による調節
9 心電図
10 心音
7−2 血管系
1 血管壁の構造
2 血管の分布
まとめ
練習問題
第8章 血液・リンパ系
8−1 血液の成分と主なはたらき
1 赤血球
2 白血球
3 血小板
4 血漿
5 造血(血球の産生)
6 赤血球の破壊
7 出血と止血
8 血液型
8−2 リンパと免疫
1 リンパ
2 胸腺
3 脾臓
4 扁桃
5 免疫
まとめ
練習問題
第9章 呼吸器系
9−1 呼吸
9−2 呼吸器系の構成
1 鼻腔
2 喉頭
3 気管・肺
9−3 呼吸器系の機能
1 肺の機能
2 呼吸運動
3 肺気量
4 肺,胸郭のコンプライアンスと気道抵抗
5 呼吸の神経調節機構
6 肺胞と組織における酸素・二酸化炭素の交換
7 血液による酸素の運搬
8 血液による二酸化炭素の運搬
まとめ
練習問題
第10章 泌尿器系
10−1 腎臓
1 腎臓の構造
2 ネフロンの構造と機能
3 尿細管への分泌
4 腎臓による血圧と体液の調節
5 その他の機能
6 腎のクリアランス(清掃率)
10−2 尿路
1 尿管
2 膀胱
3 尿道
まとめ
練習問題
第11章 内分泌系
11−1 内分泌系調節
11−2 ホルモン受容体
1 核内・細胞質内受容体
2 細胞膜受容体
11−3 視床下部ホルモン
11−4 下垂体
1 下垂体前葉ホルモン
2 下垂体後葉ホルモン
11−5 甲状腺ホルモン
11−6 副甲状腺ホルモン
11−7 副腎
1 副腎皮質
2 副腎髄質
11−8 膵臓ホルモン
1 インスリン
2 グルカゴン
11−9 生殖
1 女性生殖生理
2 男性生殖生理
11−10 オータコイド
まとめ
練習問題
参考図書
本書における薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25年度改訂版)対応
索引
改訂第4版の序
本書は2002年9月の初版刊行以来、機能形態学のテキストとして多くの薬学系大学で使用されてきた。初版刊行から15年が経過した2017年に、「薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25年度改訂版)」および薬剤師国家試験の出題内容に対応するべく、改訂作業に着手した。
近年の生命科学は多様化、かつ専門化しており、その進歩は著しく、目を見張るものがある。最近では、疾病に関わる遺伝子と、その遺伝子からできるタンパク質に作用する物質を探索する研究が進行中である。たとえばパーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症(ALS)は運動障害を起こす難病である。これらの疾病に対して、正常な遺伝子をウイルスベクターに入れた治療薬を投与あるいは注入する治療法の臨床試験が始まろうとしている。また、目の難病(加齢性黄斑変性症)や心臓病患者(心筋再生治療)に対して、ヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った細胞を用いる臨床試験が開始されている。さらに、iPS細胞を用いた研究により、難病の1つである筋ジストロフィーの仕組みの解明がされつつある。医薬品に関しては、糖尿病治療薬のSGLT2阻害薬、悪性黒色腫治療薬のニボルマブ、新規C型肝炎治療薬などユニークともいえる数々の新薬が医療現場に登場してきた。
医療系の学生にとって、低学年時に学び生命科学の土台を築く科目の1つが「機能形態学」である。上述のような最新の病態およびその治療薬の作用機序も理解することができるように、本書の改訂を行った。
薬剤師国家試験の出題基準は、「薬学教育モデル・コアカリキュラム」において示されている内容を基本としており、機能形態学の分野については[C7人体の成り立ちと生体機能の調節]の箇所に明記されている。本項の一般目標(GIO)は、「人体の成り立ちを個体、器官、細胞の各レベルで理解できるようになるために、人体の構造、機能、調節に関する基本的項目を修得する」であり、(1)人体の成り立ち[GIO遺伝、発生、および各器官の構造と機能に関する基本的事項を修得する]、(2)生体機能の調節[GIO生体の維持に関わる情報ネットワークを担う代表的な情報伝達物質の種類、作用発現機構に関する基本的事項を修得する]、の2つの分野にわかれ、それぞれに到達目標(SBO)が掲げられている。本書でこれらのSBOを意識しながら勉強できるように、各章ごとにSBOを配置したので活用されたい。
改訂作業では著者のみならず、多方面からの御協力を仰いだ。御教示下さった先生方に心から御礼申し上げるとともに、今後も御叱正やコメントをいただければ嬉しく思う。
2018年10月
編者ら