処方提案につなげる薬物療法ハンドブック
編集 | : 寺町ひとみ |
---|---|
ISBN | : 978-4-524-40312-7 |
発行年月 | : 2015年2月 |
判型 | : B6 |
ページ数 | : 366 |
在庫
定価3,630円(本体3,300円 + 税)
正誤表
-
2019年07月08日
第1刷・第2刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
薬剤師が薬の専門家として、患者の薬に関する問題点を明らかにし、よりよい薬物療法を行うための導入書。チーム医療での薬剤師の役割や他職種・患者とのコミュニケーション、SOAP形式の指導記録の書き方を解説した後に、症例ごとに薬物療法の内容、服薬指導のポイント、指導記録例を確認し、処方提案の際に必要な思考を学ぶことができる。実務実習中の学生や薬剤師が白衣に忍ばせておきたい一冊。
総論
第1章 チーム医療で薬剤師に求められる能力
第2章 病院薬剤師および薬局薬剤師のはたす役割
1 病院における薬剤師の役割
2 薬局における薬剤師の役割
第3章 薬剤師に求められるコミュニケーション能力
1 言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーション
2 質問のスキル
3 傾聴・共感のスキル
4 怒っている患者への対応
5 コミュニケーションのコツ
第4章 処方内容の検討・立案
1 処方せんの法的位置づけ
2 処方せんの記載事項
3 処方せん鑑査
4 処方薬の妥当性の判断方法について
5 処方内容の妥当性の判断ポイント
第5章 服薬指導のポイント
1 患者から収集する情報
2 患者に伝える情報
第6章 指導記録の書き方
1 薬歴の管理
2 POSに基づいたSOAP記録
3 クラスタリングについて
4 プロブレムについて
5 症例によるPOSとSOAP
6 オーディットについて
各論
第1章 循環器系の疾患
Case1 不整脈
Case2 心不全
Case3 高血圧症
Case4 虚血性心疾患
Case5 閉塞性動脈硬化症
Case6 血栓症・塞栓症
第2章 血液系の疾患
Case7 鉄欠乏性貧血
第3章 消化器系の疾患
Case8 消化性潰瘍
Case9 ウイルス性肝炎
Case10 肝硬変
Case11 膵炎
Case12 感染性腸炎
第4章 泌尿器系の疾患
Case13 慢性腎不全
Case14 慢性糸球体腎炎
Case15 尿路感染症
Case16 前立腺肥大症
第5章 呼吸器系の疾患
Case17 気管支喘息
Case18 慢性閉塞性肺疾患(肺気腫・慢性気管支炎)
Case19 上気道炎(かぜ症候群)
Case20 間質性肺炎
Case21 マイコプラズマ肺炎
Case22 肺結核
第6章 内分泌系の疾患
Case23 甲状腺機能亢進症
第7章 代謝性疾患
Case24 1型糖尿病
Case25 2型糖尿病(1)内服
Case26 2型糖尿病(2)インスリン併用
Case27 2型糖尿病(3)低血糖
Case28 2型糖尿病(4)糖尿病性腎症
Case29 脂質異常症
Case30 高尿酸血症
第8章 神経・筋の疾患
Case31 脳梗塞
Case32 てんかん
Case33 パーキンソン病
Case34 アルツハイマー病
Case35 多発性硬化症
Case36 脳血管性認知症
Case37 片頭痛
第9章 精神疾患
Case38 統合失調症
Case39 うつ病性障害
Case40 不眠症
第10章 耳鼻咽喉の疾患
Case41 アレルギー性鼻炎
Case42 中耳炎
Case43 メニエール病
第11章 皮膚疾患
Case44 皮膚真菌症
Case45 アトピー性皮膚炎
第12章 眼疾患
Case46 緑内障
Case47 白内障
Case48 結膜炎
第13章 骨・関節の疾患
Case49 関節リウマチ
Case50 骨粗鬆症
第14章 アレルギー・免疫性疾患
Case51 全身性エリテマトーデス
Case52 ベーチェット病
第15章 感染症
Case53 インフルエンザ
Case54 ヘルペスウイルス感染症
Case55 MRSA感染症
Case56 レジオネラ肺炎
Case57 腎盂腎炎
第16章 悪性腫瘍
Case58 白血病
Case59 悪性リンパ腫
Case60 胃がん
Case61 大腸がん
Case62 肺がん
Case63 乳がん
Case64 前立腺がん
第17章 緩和ケア
Case65 がん性疼痛
Case66 経腸栄養
索引
序文
薬学教育6年制が開始されてから、すでに3期生が卒業しており、薬剤師に対する社会の期待はますます大きなものとなっています。2010年の厚生労働省医政局通知(医政発0430第1号)では薬剤師を積極的に活用することが可能な業務として9項目が提示され、2012年の診療報酬改定で新100点業務「病棟薬剤業務実施加算」が新設されました。これにより、医師などと協働して行う薬物療法業務が公に認められたことになります。これは、多くの薬剤師による長年の努力の結晶でもあります。薬剤師はこの期待に応えるため、チーム医療において薬の専門家として、いままで以上に積極的に薬物療法に取り組み、患者のQOLの向上に貢献しなくてはなりません。
そこで、「知識」を「実践」に移すことができる書籍を目指して本書を企画しました。本書は、総論でチーム医療における薬剤師の役割や他職種・患者とのコミュニケーション、さらには指導記録の書き方などを、それに続く各論で症例検討を通じその薬物療法の内容、服薬指導のポイント、SOAP形式の指導記録例を確認する構成とし、現場で処方提案をする際に必要となる思考プロセスを学習することができます。
薬歴や指導記録がなかなか上手く書けないという悩みは、これまで多くの薬局薬剤師から聞かれました。時系列に書くのではなく、POSに基づいたSOAP形式を用いて記録することにより、誰がみてもわかる記録が書けるだけでなく、患者の薬に関する問題を明らかにし、医薬品の適正使用につなげることができます。本書では、特にこの点に考慮して、POSに基づいたSOAP形式の記録が書けるようになることを目標としました。
また本書は、学生の実務実習時や薬剤師の業務時に携帯しやすいようにポケットサイズとしました。いつでも手元において活用していただけると幸いです。
2015年1月
寺町ひとみ