カピバラ教授のアディショナルタイム
正解は知らない。でも、ピッチに立つ。
| 著 | : 酒井郁子 |
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| ISBN | : 978-4-524-27677-6 |
| 発行年月 | : 2026年9月 |
| 判型 | : A5判 |
| ページ数 | : 300 |
定価1,650円(本体1,500円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文

専門職連携,チームビルディング,リーダーシップ,IPE,教育,EBP,研究,キャリア形成など,さまざまなテーマについて,カピバラ教授が日常の中で感じた事柄を独自の視点で語る.迷っても悩んでも,今日も走り続けるすべての医療専門職へ送る38篇のエッセイ.
第1章 はじまりのまなざし 〜チームの中で育つ
『おおきなかぶ』収穫チームから考えるチームの凝集性
めざせ健康家族! カピバラ家 夕食プロジェクト報告書
韓国ドラマ『ミセン』にみる新人の機能
花も嵐も踏み越えて 〜医師と看護師の協働的パートナーシップの構築
フライトナースの覚悟と希望
第2章 ことばを越えて 〜専門職の壁と向き合う
通じない言葉と小さなお城 〜お城の外にはモンスターがいるらしい
IPE プレイリスト 〜賢いIPE生活
進撃のIPE 〜専門用語の壁を越えよう
さようなら、すべてのノスタルジック・ステレオタイプ
専門職連携と多職種連携 〜辺境警備隊の夏至祭
第3章 実践という旅 〜ケアの意味を探して
「わたしがやらなきゃ、誰がやるの?」 〜特定行為、キホンのキ
満天に輝く星、満開の桜 〜見えないことが支えている
「聖なる牛」を探せ 〜EBP実装の旅のはじまり
EBP実装ダンジョン 〜攻略のための7つの謎解き
虎に噛まれ連れ去られても気を確かにもつこと 〜身体拘束縮小 エピソード
アキレスと亀はどっちが勝つの? 〜身体拘束縮小 エピソード2
第4章 リーダーの背中 〜良い影響を与える
専門職と専門職が出会う時 〜勇者がお城を出てみたら、世界はお城だらけでした
最終目的地と旅行計画 〜定義から解放されて
いつかは咲かす大輪の花 〜達成可能な最善を認識する
「長」のお仕事 〜モノクロの毎日に増やしていく、きれいな彩り
勇者たちのリーダーシップ 〜今日も揉めながら
第5章 教えること、育つこと 〜教育と研究の交差点で
研究者は成功したオタクなのか? 〜リチャード3世を探して
青は藍より出でて藍より青し
風が吹いている 〜時代は今変わっていく
歌は世につれ世は歌につれ 〜専門職の自律と高度実践
第6章 日常と人生の風景 〜日常に潜む思想 〜ピッチの中から見える景色
新しい景色を見よう。それは「今、ここ」とつながっている
旅は道連れ、世は情け、へこんじゃっても元どおり
世界一周の終着点はどこ? 〜旅は続くよ、どこまでも【前編】
世界一周の終着点はどこ? 〜旅は続くよ、どこまでも【後編】
5月8日午後3時のアメイジング・グレイス
自分たちのサッカー、自分たちの看護
うさぎ包摂社会とうさぎプロフェッショナリズム
龍の背に乗って届けに行こう 〜未来への信頼と希望を
蛇年のらせん曼荼羅
第7章 次の時間へ 〜キャリアと終わりのはじまり
ケアリング・ジャーニー 〜看護のクエスト達成をめざす旅
今日もあなたに太陽を 〜看護師の傷とせん妄と
君のゆく道は果てしなく遠い 〜のびしろしかないわ
アディショナルタイムの終わり 〜るろうにカピバラ爆誕
まえがき
本書は、看護教育のための情報サイト「NurSHARE(ナースシェア)」で3年間にわたって連載されたエッセイをまとめ、一部書き下ろしを加えて一冊にまとめたものです。書いてあることは普通のことなんですが、うまくいかないことは多いけれど、そんな中でもみんなピッチに立ち、走り続けているのだということが伝わるといいなと思っています。
チームで働くということ。不十分な環境の中で実践するということ。リーダーとして背中を見せること。そして、教えること、育つこと、迷い続けること。本書は、それらを「正解」や「成功事例」として整理するのではなく、日常に潜む考え方みたいな感じで書いてみました。サッカー、旅、干支、物語。一見すると遠回りに見える思索の数々も、実はこれまでの教育・研究・実践の現場から見えた景色でもあります。
ところでサッカーのアディショナルタイムは、選手交代や負傷者の治療、得点後のパフォーマンスなどでプレーが中断した「空費された時間」を前半・後半の試合終了後に追加する時間のことを言います。試合終了間際に劇的な展開を生むことから、ピッチ上の選手も、ベンチの選手もスタッフも監督も、そしてサポーターも、心を一つに勝利に向けて試合終了の笛が吹かれるまで「走り」続けるわけです。試合中の判断やかかわり、わずかな迷いが、アディショナルタイムの質を変え、試合の流れを動かし、誰かの一歩を支えることがあります。
専門職とは、たぶん、ちゃんと迷う人のことだと思います。答えを知らなくても、立ち止まらず、現場に行く。その姿勢がチームの時間を少しだけ前に進める。この現場とは、わたしたちの主戦場のことです。教員なら教育の、実践者なら実践の、研究者なら 研究の、それぞれの現場があります。
忙しい毎日の合間に、少し立ち止まりたい人へ。迷っている自分にこれじゃダメだと思っている人へ。そして、今日もどこかでピッチに立ち、走っているすべての専門職へ。これは、カピバラとしての3年間のアディショナルタイムの、ひとまずの記録です。


動画
※この商品は電子版のみでの発売となります