足関節手術テキスト
人工関節・骨切り術・固定術
| 監修 | : 日本足の外科学会 |
|---|---|
| 編集 | : 仁木久照 |
| ISBN | : 978-4-524-27452-9 |
| 発行年月 | : 2026年7月 |
| 判型 | : B5判 |
| ページ数 | : 264 |
定価12,100円(本体11,000円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文

変形性足関節症治療は術者や施設ごとの経験や工夫に依存する側面が少なくなく,標準化と多様性の両立が重要な課題である.本書では手術治療を体系的かつ実践的に整理するとともに,同一術式を複数のエキスパートが執筆し,それぞれの工夫・コツ・ピットフォールを比較しながら学べる構成とした.透視の工夫や皮切,術式の細部に至るまで踏み込んで記載し,足の外科を専門としない術者でも高度な治療を実践できることをめざした一冊.
A 序言―変形性足関節症の歴史
B 変形性足関節症に対する生物学的製剤―臨床応用の最前線と課題
C distraction arthroplasty―関節温存の選択肢として
D 人工関節
1.私の人工足関節全置換術(FINE Total Ankle System)―私なりの成功へのポイント
2.私の人工足関節全置換術(FINE Total Ankle System)―3パーツ構造の前方進入型人工足関節
3. 私の人工足関節置換術(TNK Ankle)―骨切り精度の進化
4.私の外側進入型人工足関節置換術―距骨先行カット(TaF cut)法を用いた内反変形症例への対応
5.私の外側進入型人工足関節置換術―関節リウマチの場合
6.私の人工距骨―骨片の残存を防ぐ手術手技
7.私の人工距骨―手術手技とピットフォール
8.私の人工距骨併用人工足関節全置換術―新型骨切りガイド登場
9.私の人工距骨併用人工足関節全置換術―NIKI メソッドによる治療戦略
10.私の再置換―Combined TAAを使用した人工足関節再置換手術
E 骨切り
1.私の低位脛骨骨切り術―標準的手技とその応用
2.私の下位脛骨骨切り術―奈良医大式
3.私の下位脛骨骨切り術―外側楔状閉鎖骨切り術(閉鎖性LTO)
4.私の遠位脛骨回転骨切り術―骨切り部の安定化と骨癒合促進をめざして
5.私のDTOO―人工骨と自家骨移植の併用
6.私のDTOO―経験からの学び
7.私のDTOO―足関節牽引併用術
8.私の足関節骨折後の変形癒合と外傷性OAに対する脛骨と腓骨の骨切り術―関節温存にこだわるための手法
F 固定術
1.私の足関節固定術――人でも鏡視下で:色々な意味でのminimal invasion
2.私の鏡視下足関節固定術―基本手技と応用
3.私の足関節固定術―前方移動埋め込み移植法による足関節固定術
4.私の外側・前方同時進入足関節固定術―重症例に対する確実な変形矯正と強固な固定をめざして
5.私の不成功症例(偽関節)に対する足関節固定再手術―「失敗の本質」と「リカバリーの本質」
6.化膿性足関節炎に対するMasquelet法を応用した関節固定術
変形性足関節症に対する治療は,この20年余りで大きな進歩を遂げた.人工足関節全置換術,骨切り術,固定術はいずれも発展を重ね,病態や患者背景に応じた多様な治療選択が可能となっている.人工関節は可動性の再建を,骨切り術は関節機能の温存を,固定術は確実な除痛を目的とし,それぞれが重要な役割を担っている.いかに適応を見極め,最適な術式を選択するかが治療成績を左右する.
とくに本邦では,一次性内反型を主体とする変形性足関節症の病態背景のもと,低位脛骨骨切り術(LTO)や脛骨遠位斜め骨切り術(DTOO)といった関節温存手術が発展し,国際的にも高く評価されている.一方で,人工足関節全置換術や固定術においても手技や機器の改良が進み,治療成績は着実に向上している.
これら多様な治療法を適切に選択し,確実に遂行するためには,適応判断から手技,術後管理に至るまでの知識と技術の体系化が不可欠である.しかしながら,足関節手術は高度な専門性を要し,術者や施設ごとの経験や工夫に依存する側面も少なくない.標準化と多様性をいかに両立させるかは,本分野における重要な課題である.
本書は,これらの課題を踏まえ,日本足の外科学会監修のもと,変形性足関節症に対する手術治療を体系的かつ実践的にまとめた.特徴は,同一術式について複数のエキスパートが執筆し,それぞれの工夫,コツ,ピットフォールを比較しながら学べる構成とした点にある.透視の工夫や皮切,術式の細部に至るまで踏み込んで記載し,手術手技の本質に迫る内容とした.
本書が,足関節手術に携わる整形外科医にとって実践的指針となるのみならず,次世代を担う足の外科医の教育資源となり,さらに日本発の知を世界へ発信する礎となることを願ってやまない.
2026年5月
一般社団法人 日本足の外科学会
理事長 仁木久照

