PT・OT・PO 身体運動の理解につなげる物理学
共著 | : 江原義弘/山本澄子/中川昭夫 |
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ISBN | : 978-4-524-26865-8 |
発行年月 | : 2015年4月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 166 |
在庫
定価3,080円(本体2,800円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
身体運動の理解を目標とし、主に力学を中心に解説した物理学の入門テキスト。半期の講義にあわせた章構成と頁数。物理の現象を順を追って理解できる図に、「です・ます調」のわかりやすい解説を対応させている。数式・公式はできる限り控え、また、章末に練習問題を、本文脇の余白には補足説明とリハビリテーション・身体運動での応用例をコラム的に配置した。学生が興味をもって読み進められるテキスト。
0講 なぜ物理学が必要か
状態を数値で表す
力について理解する
1講 バネの伸びと力の合成
重りの重さとバネの伸び
バネを伸ばす力
力を矢印で表す
力の足し算
力の合成
平行な力の合成
2講 テコの原理と第1のテコ
テコの原理
第1のテコ
支点と力点の距離
力の効果(回転)のつり合い
力のモーメント
力のモーメントのつり合い
3講 第2のテコ・第3のテコ
第2,第3のテコ
力のモーメントの計算
4講 輪じく・滑車・歯車
輪じくとは
輪じくのしくみ
滑車とは
定滑車
動滑車
回転を伝動する装置
5講 生体の中のテコ
テコにかかる力をみきわめる(1)
テコにかかる力をみきわめる(2)
テコにかかる力をみきわめる(3)
6講 下肢に存在するテコ
足部のテコ
片脚立ち
7講 作用・反作用,力の分解,
斜面,振り子,摩擦力
作用・反作用(1)
作用・反作用(2)
作用・反作用(3)
力の分解(1)
力の分解(2)
摩擦力
8講 物体の位置と座標系
座標軸の考え方
2次元座標系
物体の移動をグラフで表示する
3次元座標系
9講 物体の速度と座標系
速度を矢印で表示する
速度の成分
速度の変化をみる
10講 物体の速度と加速度
加速度とは何か
空中を飛ぶボールの加速度
バネでつるしたボールの加速度
11講 力と加速度
動いている物体の加速度
バネが出す力
力と加速度の関係
加速度と力の成分表示
12講 力学的仕事とエネルギー
力学的仕事
位置エネルギー
運動エネルギー
力学的エネルギー保存の法則
空中を飛ぶボールの力学的エネルギー
振り子の力学的エネルギー
重力を利用した動き
13講 浮力と水の圧力
圧力
大気圧
水の圧力
液体の力
浮力
水中の抵抗
X講 電気回路
発電のしくみ
電気が届くまで
乾電池と電気回路の基本
電流と電圧の関係:オームの法則
電圧降下とは
電圧降下を計算してみる
特殊な電気部品(1)
特殊な電気部品(2)
Y講 波・音・熱・光・電波
波
音
ドップラー効果
熱
光
目でみえる光
光の波長による分離
練習問題の解答
索引
序文
医療関係の大学、専門学校で、物理学と聞いて「得意」「おもしろい」と答える学生はほんのわずかでしょう。反対に多くの学生が「苦手」「何の役に立つのかわからない」と思っているのではないでしょうか。この本の著者3名は、長い間、医療関係の大学などで身体運動についてのバイオメカニクス(生体力学)の講義を行ってきました。その中で、多くの学生から「むずかしい」という声を聞きました。医療関係者にとって身体の動きを理解することは非常に重要で、その際に物理学の知識は必ず役に立ちます。しかし、高校で物理を選択していない学生が多く、たくさんの学生が「むずかしい」と思っている現状では、バイオメカニクスの前に物理学の基礎を学ぶ必要があるのではないかと考えました。そこで、身体運動を理解するための基礎として、本書を執筆することになりました。
本書は、バイオメカニクスを学ぶ前に知っておくべき物理学の基礎知識、考え方を解説しています。わかりやすくするために繰り返しが多いですが、繰り返すことによってより深く理解することを目指しています。「何の役にたつのかわからない」という声に答えるために、随所にリハビリテーションでの応用についてコラムを設けました。さらに、最後の2つの章は、医療関係者が使用する機器の原理を理解するために知っておくべき知識について解説しています。本書によって、物理学に対する苦手意識が少なくなって、もっと学びたいという学生が増えることを願っています。
2015年3月
江原義弘
山本澄子
中川昭夫