ナースビギンズ
気づいて見抜いてすぐ動く急変対応と蘇生の技術
編集 | : 三上剛人 |
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ISBN | : 978-4-524-26797-2 |
発行年月 | : 2016年11月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 236 |
在庫
定価2,970円(本体2,700円 + 税)
正誤表
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2017年12月14日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
急変を見抜き、心停止に陥らせないための適切な対応法を解説した実践書。「急変対応編」と「蘇生の技術編」の2部構成。「急変対応編」では急変プロトコールをベースに、急変時の重症度の見極めと対応の方策を、「蘇生の技術編」ではBLS,ALSの具体的手技を根拠を交えて解説。第3章の具体的な事例と対応例は、シミュレーション教材としても活用可能。院内の急変対応を要する場面でどのように考え行動すべきかを学べる看護師必読の一冊。
第1部 急変対応編
第1章 急変対応と急変プロトコール
A 急変対応における看護師の役割
B 緊急度と重症度
1.緊急度と重症度の概念
2.内科疾患や病態の緊急度と重症度
3.酸素供給と緊急度
C 急変プロトコール
1.患者が急変するプロセス
2.患者急変プロトコール
第2章 急変プロトコールの各STEPの解説
STEP1 初期アセスメントとバイタルサイン
1.全体的な印象
2.気道
3.呼吸
4.循環
5.意識
6.バイタルサイン測定
STEP2 救急処置の準備・介助
A 急変時の基本対応 O・M・I
1.O:oxygen(酸素投与)
2.M:monitor(モニター装着)
3.I:infusion/injection(点滴/注射)
B OMI後のA・B・C・Dの再評価と蘇生の方法
1.気道(A:airway)の評価と蘇生
2.呼吸(B:breathing)の評価と蘇生
3.循環(C:circulation)の評価と蘇生
4.意識(D:dysfunction of CNS)の評価と蘇生
C 院内の心停止に対する蘇生
1.院内の急変対応
2.心拍再開後の治療と看護の役割
3.予後判定・蘇生の中止基準,蘇生されなかった場合の対応
D 心肺停止の原因4H4T
1.4つのH
2.4つのT
STEP3 急変の原因をさぐる
A 臨床推論とは
1.看護師が行う臨床推論
2.臨床推論の実際
3.症候と仮説形成
4.医療面接(問診)
B ショックの原因と観察
1.ショックの定義
2.ショックの分類
3.急変プロトコールの実際
4.各ショックの病態と治療
C 胸痛の原因と観察
1.胸痛の原因一覧
2.各原因の病態解説 〜必要となる処置と治療〜
3.観察点
4.見逃してはいけない病態
D 呼吸困難の原因と観察小池伸享
1.呼吸困難の原因一覧
2.各原因の病態解説 〜必要となる処置と治療〜
3.観察点
4.見逃してはいけない原因とそれを見抜く方法
E 意識障害の原因と観察
1.意識障害とは
2.意識障害の原因
3.各原因の病態解説
4.観察点 .全身観察と既往歴からの原因検索.
5.見逃してはいけない原因
F 腹痛の原因と観察
1.腹痛の原因
2.各原因の病態解説
3.観察点
4.見逃してはいけない原因とそれを見抜く方法
G 頭痛の原因と観察
1.頭痛の原因一覧
2.各原因の病態解説
3.観察点
4.見逃してはいけない原因
STEP4 急変状況を的確に伝える SBAR
A 急変状況の報告
1.報告の一定の形式
2.報告のポイント
3.報告ツールを用いることのメリット
B ほかの看護師への報告・要請
C 医師への報告・要請
D 事例を用いた報告の練習
第3章 急変シミュレーション・シナリオ
A 「胸痛」の急変対応の実際(1)
1.胸痛の急変プロトコール
2.事例紹介
3.STEP1:初期アセスメントとバイタルサイン
4.STEP2:救急処置の実践と準備
5.STEP3:原因検索と検査の準備
6.STEP4:医師への報告:ISBARC
B 「胸痛」の急変対応の実際(2)
1.胸痛の急変プロトコール
2.事例紹介
3.STEP1:初期アセスメントとバイタルサイン
4.STEP2:救急処置の実践と準備
5.STEP3:原因検索と検査の準備
6.STEP4:医師への報告:ISBARC
C 「呼吸困難」の急変対応の実際(1)
1.呼吸困難の急変プロトコール
2.事例紹介
3.STEP1:初期アセスメントとバイタルサイン
4.STEP2:救急処置の実践と準備
5.STEP3:原因検索と検査の準備
6.STEP4:医師への報告:ISBARC
D 「呼吸困難」の急変対応の実際(2)
1.呼吸困難の急変プロトコール
2.事例紹介
3.STEP1:初期アセスメントとバイタルサイン
4.STEP2:救急処置の実践と準備
5.STEP3:原因検索と検査の準備
6.STEP4:医師への報告:ISBARC
E 「腹痛」の急変対応の実際(1)
1.腹痛の急変プロトコール
2.事例紹介
3.STEP1:初期アセスメントとバイタルサイン
4.STEP2:救急処置の実践と準備
5.STEP3:原因検索と検査の準備
6.STEP4:医師への報告:ISBARC
F 「腹痛」の急変対応の実際(2)
1.腹痛の急変プロトコール
2.事例紹介
3.STEP1:初期アセスメントとバイタルサイン
4.STEP2:救急処置の実践と準備
5.STEP3:原因検索と検査の準備
6.STEP4:医師への報告:ISBARC
G 「意識障害」の急変対応の実際(1)
1.意識障害の急変プロトコール
2.事例紹介
3.STEP1:初期アセスメントとバイタルサイン
4.STEP2:救急処置の実践と準備
5.STEP3:原因検索と検査の準備
6.STEP4:医師への報告:ISBARC
H 「意識障害」の急変対応の実際(2)
1.意識障害の急変プロトコール
2.事例紹介
3.STEP1:初期アセスメントとバイタルサイン
4.STEP2:救急処置の実践と準備
5.STEP3:原因検索と検査の準備
6.STEP4:医師への報告:ISBARC
第4章 特殊な状況下の急変場面
A 事故遭遇時の呼吸困難
1.事例紹介
2.事例の解説
3.アセスメントの視点
4.すぐにでもやるべきこと
B 体位変換時の循環の悪化
1.事例紹介
2.事例の解説
3.アセスメントの視点
4.すぐにでもやるべきこと
C トイレでの意識消失
1.事例紹介
2.事例の解説
3.アセスメントの視点
4.すぐにでもやるべきこと
D 入浴中の意識消失
1.事例紹介
2.事例の解説
3.アセスメントの視点
4.すぐにでもやるべきこと
E 食事中の窒息
1.事例紹介
2.事例の解説
3.アセスメントの視点
4.すぐにでもやるべきこと
第2部 蘇生の技術編
第1章 心停止に対する蘇生:一次救命処置(BLS)
A 病棟における心停止への対応
1.成人に対する一次救命処置(BLS)
2.小児に対する一次救命処置(BLS)
3.乳児に対する一次救命処置(BLS)
B BLS(一次救命処置)の実際
1.傷病者周囲の状況確認を行う
2.救助者自身の感染防御を行う
3.意識の確認
4.人を集める,物を集める
5.気道確保
6.呼吸の確認
7.脈拍の確認
8.胸骨圧迫
9.人工呼吸 (1)口鼻対マスクで行う方法
10.人工呼吸 (2)口鼻対バッグバルブマスクで行う方法
11.胸骨圧迫と人工呼吸の回数
12.救助者2人によるBLS
13.AEDを使用する
第2章 心停止に対する蘇生:二次救命処置(ALS)
A 病棟における心停止への対応
1.成人に対する二次救命処置(ALS)
B ALS(二次救命処置)の実際
1.原因検索と是正
2.静脈路/骨髄路確保
3.血管収縮薬を考慮
4.除細動療法
5.VF/VTの場合に抗不整脈薬を考慮
6.気管挿管・声門上気道デバイスを考慮
7.気管挿管後は連続した胸骨圧迫
8.ETCO2モニターを使用
索引
序文
本書を手にとっていただいた方の中には、急変をまだ経験したことがないが、遭遇したときのために勉強したいという方、すでに経験され振り返りのために勉強したいという方もいるかと思います。どちらも急変対応に強くなりたい、急変が起こったときに先輩看護師に任せておく自分ではなく、動ける看護師になりたいと思っているのだと思います。
急変の本をいろいろ手にとってみたけれど、何から手を付けていいのかわからない、自分が経験した急変を振り返っても応用力が身につかない、もっと実践的に急変対応を学ぶにはどうしたらいいのか? そんな臨床看護師の声をもとに編集されたのが本書です。
本書で使われている「急変プロトコール」を実践していれば、急変時に慌てることも、取り乱すことも、どうしていいかわからなくてフリーズすることもなくなります。今からこのメソッドを身につけると、これから先も急変時にはエキスパートと同様の行動が可能になります。なぜなら、この急変プロトコールは百戦錬磨の救急看護のエキスパートが開発したものだからです。
「急変プロトコール」は、4つのSTEPを踏んでいきます。STEP1:初期アセスメントとバイタルサインで緊急度を判断、STEP2:救急処置と準備・介助、STEP3:急変の原因検索、STEP4:急変状況を的確に伝えるドクターコールです。
最初のSTEP1では、簡便な方法で緊急度判定を行い、急変を認知するところから始まります。STEP2の救急処置では、急変に共通して必要な処置の準備を行います。循環器だからこの処置、消化器外科だからこの処置というのではなく、いかなる急変でも絶対に行うことを取り上げています。そして、STEP3では何が起こっているのか、その原因を考えていきます。フィジカルアセスメントや病態の知識を駆使して推論していきます。本書では絶対に覚えておきたい救急症候にしぼり、救急看護のエキスパートが大事なポイントをわかりやすく記載しています。そして、STEP4では医師への報告。ここでは的確な報告を行うにはどうしたらいいか、解説されています。
この急変プロトコールの実際を学ぶシミュレーション・シナリオも多数掲載しています。これは自己学習だけではなく、院内でのトレーニングなど、さまざまに活用していただけるものと思います。
さあ、この急変対応メソッドを身につけて急変に強い、対応に自信をもてる看護師をめざしましょう!
2016年11月
三上剛人