薬局がはじめる在宅医療ポケットガイド
著 | : 土田孝/保母博美 |
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ISBN | : 978-4-524-26642-5 |
発行年月 | : 2014年5月 |
判型 | : B6変 |
ページ数 | : 158 |
在庫
定価3,080円(本体2,800円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
在宅医療に関わる薬剤師が知っておきたい知識が満載のポケットブック。東京都内で長年在宅医療に携わってきた著者が、在宅業務の始め方(在宅医とどうやって知り合う?必要な届出や書類は?)から、都市部に特有の問題の解決法まで伝授。多職種との連携方法や失敗例を生かしたコツなどが具体的で読みやすい。移動時間や業務の合間など短時間で学習できる、在宅業務への一歩を後押してくれる一冊。
A 在宅医療を始める前に
1.在宅医とどうやって知り合うのか?在宅患者をどうやって確保するのか?
2.外来通院患者さんと在宅患者さんは何が違うか?〜服薬管理指導上の違い〜
3.薬局が在宅医療に参画する意義
4.調剤薬局が在宅医療を始める前の届出と準備
5.駐車許可証の申請手続き
B 多職種と連携する
1.介護の現場で行われる「担当者会議」とは?
2.介護の現場で行われる「退院時カンファレンス」とは?
3.退院時カンファレンスで病院側に依頼しておくべきこと
4.退院時カンファレンスに出席する前に準備しておくべきこと
5.多職種連携する際の共有情報
6.情報提供書を書く際のポイント
7.薬学的管理指導計画書を書く際のポイント
8.重要事項説明書と事前契約書
9.在宅医は必ずしも担当患者さんの病気の専門医ではありません
C 薬局内で連携する
1.在宅専任制と患者受け持ち制のメリット、デメリット
2.緊急処方に対応するための薬局内体制
3.訪問予定管理、予製管理、報告書作成のためのツール
D 患者さんに寄り添うために
1.計画的な対応ができない要因とその対策
2.患者さんをアセスメントする際のポイント
3.認知症患者さんへの対応
4.終末期における麻薬の使用
5.嚥下能力が低下してきた患者さんへの対応方法
6.簡易懸濁法を導入するタイミング
7.一人暮らしの高齢者へのアドバイス
E いざという時、あわてないために
1.もしも処方された医療材料が入手できなかったら
2.在宅医療でよく用いられる医療材料とその保険請求の可否
3.在宅医療で出る廃棄物の処理方法
4.麻薬における医薬品卸の配送体制と対策
5.返されてきた麻薬(調剤済み麻薬)の処理方法
6.高齢者向けの住宅・施設における介護保険、医療保険の適応の可否
7.災害時に対する備え
8.患者さんが亡くなられた時の対応
9.IVHに保険上混注できる薬できない薬
10.備えておくと便利なツール
索引
調剤薬局の薬剤師による在宅医療はまだ始まったばかりです。これまでは、ほんの一部の薬局が実施していたに過ぎませんでした。しかし、本年4月の調剤報酬改定ではさらなる在宅医療推進を主眼とした改定が行われ、このような法改正や薬剤師会の後押しにより、在宅医療を始める薬局は増加しています。また大手調剤薬局チェーンも次々に在宅医療への参入を開始しています。しかし、調剤薬局業界全体としては、10年後に高齢者人口のピークを迎えるための受け皿と成り得るにはほど遠い状況です。日本は在宅を行う調剤薬局や薬剤師のさらなる数を必要としています。中小の調剤薬局も在宅に参入しなければ、日本の在宅医療の将来を築くことはできないでしょう。
私共は東京都内にある調剤薬局で、総合病院の門前に位置しており、毎日350〜400人ほどの外来患者さんが来局されます。また、現在では200人ほどの在宅患者さんを担当していますが、最初は2〜3人からのスタートでした。本書は私共の薬局が開局から現在に至るまでの十数年間の在宅経験を、これから在宅を始める薬剤師の方々や始めてから間もない薬剤師の方々に少しでも役立てていただくことを目的に書きました。読者の皆様に役立ちそうなことは、失敗談も含めてできるだけ盛り込んだつもりです。在宅は決して難しいものではありません。薬局内で行っていることを、そのまま患者さん宅に持ち込めばよいのです。そこにほんの少しの勇気と知識をプラスするだけです。この本をお読みいただいて、在宅をやってみようと決意される薬剤師が1人でも多くなることを強く願っています。
2014年4月
土田孝
保母博美