実践理学療法スーパーバイズマニュアル
写真で学ぶ臨床実習のポイント
共著 | : 新田收/小林賢/小山貴之/小宮山一樹/三森由香子 |
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ISBN | : 978-4-524-26439-1 |
発行年月 | : 2011年10月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 158 |
在庫
定価4,620円(本体4,200円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
臨床指導者・新人教育担当者が実習生や新人の指導をスムーズに行えることを意図した『理学療法スーパーバイズ・マニュアル』の姉妹編。基本的な評価・治療手技ごとに、失敗例と成功例の写真を対比して起こりがちな失敗とその解決策をビジュアルに解説。正しい理学療法基本手技を指導するための虎の巻。
I章 理学療法基礎評価
A 形態測定
1 下肢長測定:変形性股関節症患者
2 大腿周径測定:前十字靱帯損傷患者
B 関節可動域測定
1 上肢
a 肩関節屈曲:脳血管障害患者(右片麻痺)
b 肘関節伸展:肘頭骨折患者
2 下肢
a 股関節外転:大腿骨頸部骨折患者
b 膝関節屈曲:右変形性膝関節症患者
c 足関節背屈:脳血管障害患者(右片麻痺)
C 徒手筋力検査
1 上肢
a 肩関節外転:肩腱板損傷患者
b 肘関節伸展:頸髄損傷患者
2 下肢
a 股関節伸展:人工股関節置換術後患者
b 膝関節屈曲:前十字靱帯再建術後患者
c 足外がえし:足関節外側靱帯損傷患者
D 反射検査
1 深部反射検査
a アキレス腱反射:腰椎椎間板ヘルニア患者
b 上腕二頭筋腱反射:脳血管障害患者(右片麻痺)
2 クローヌス検査
・足クローヌス:脳血管障害患者(左片麻痺)
E 筋緊張検査
1 肘関節伸展:パーキンソン病患者
2 膝関節伸展:脳性麻痺患者
F 感覚検査
1 表在感覚検査:脊髄損傷患者の上肢
2 深部感覚検査:脳血管障害患者の母趾
G バランス検査
1 座位バランス評価
a 脳血管障害患者(右片麻痺)
b 脊髄損傷患者
2 立位バランス評価
・小脳梗塞患者
H ADL評価
1 更衣動作評価:脳血管障害患者(右片麻痺)
2 移乗動作評価:脊髄損傷患者
I 疼痛評価
・大腿骨頸部骨折患者
J 意識障害評価
・脳血管障害患者
K 片麻痺機能検査
1 SIAS
a 上肢:脳血管障害患者(右片麻痺)
b 下肢:脳血管障害患者(右片麻痺)
2 BRS
a 上肢:脳血管障害患者(右片麻痺)
b 下肢:脳血管障害患者(右片麻痺)
L 協調性検査
・脊髄小脳変性症患者
M 歩行分析
1 脳血管障害患者(右片麻痺)(1)
2 脳血管障害患者(右片麻痺)(2)
3 変形性股関節症患者
N 姿勢反射検査
・非対称性緊張性頸反射:脳性麻痺患者
O 動作分析
1 起き上がり:脳血管障害患者(左片麻痺)
2 立ち上がり:パーキンソン病患者
II章 理学療法基礎治療
A 関節可動域運動
1 上肢
a 肩関節屈曲:肩関節周囲炎患者
b 手指の屈伸:リウマチ患者
2 下肢
a 股関節屈曲:変形性股関節症患者
b 膝関節屈曲:変形性膝関節症患者
c 足関節背屈:脳血管障害患者(右片麻痺)
B 筋力増強運動
1 上肢
a 肩関節外旋:肩腱板損傷患者(インナーマッスルのトレーニング)
b プッシュアップ練習:頸髄損傷患者
2 下肢
a 股関節外転:大腿骨頸部骨折患者
b 膝関節伸展:前十字靱帯損傷患者
3 体幹
・腰痛者の腹筋トレーニング
C 起居移動練習
1 起き上がり
・脳血管障害患者(右片麻痺)
2 立ち上がり
a パーキンソン病患者
b 脳血管障害患者(右片麻痺)
D バランス改善運動
1 座位バランス練習
a 脳血管障害患者(右片麻痺)
b 胸髄損傷患者
2 立位バランス練習
a パーキンソン病患者
b 脳血管障害患者(右片麻痺)
3 四つ這いバランス練習
・小脳失調患者
E 立位・歩行練習
1 平地歩行練習
a 脳血管障害患者(右片麻痺)(1)
b 脳血管障害患者(右片麻痺)(2)
c 人工股関節置換術後患者(右変形性股関節症)
d パーキンソン病患者
2 階段昇降
a 脳血管障害患者(右片麻痺)
b 人工膝関節置換術後患者(右変形性膝関節症)
F 移乗動作練習
1 脳血管障害患者(右片麻痺)(1)
2 脳血管障害患者(右片麻痺)(2)
3 脊髄損傷患者
G 補装具療法
1 杖の選択:脳血管障害患者(右片麻痺)
2 歩行補助具の選択:大腿骨頸部骨折患者
3 杖の調整:脳血管障害患者(右片麻痺)
4 装具の選択
a 平地:脳血管障害患者(右片麻痺)
b 階段:脳血管障害患者(右片麻痺)
索引
本書をお手に取っていただき、ありがとうございます。本書『実践 理学療法スーパーバイズマニュアル―写真で学ぶ臨床実習のポイント』は前作『理学療法スーパーバイズマニュアル』の続編として、臨床技術に焦点を当て編集いたしました。おかげさまで本書は前作とともに、日本理学療法士協会が目指す臨床実習の質の向上に資することが評価され、日本理学療法士協会推薦書となっております。
本書の企画では、臨床指導における問題点と指導方法について多くの時間を費やし検討いたしました。特に、実習生が失敗を犯しやすい臨床技術について議論を重ねました。養成校での実習は学生同士で行われるために、実習生にとって患者さんを相手にした実践技術は臨床実習ではじめて経験します。臨床実習独特の緊張感もあり、指摘があるまで実習生は失敗にまったく気がつかない場面も多く観察されます。こうした“失敗例”をさまざまな場面から選択し、69事例を掲載いたしました。掲載事例は評価技術39例と治療技術30例により構成されています。
「何が失敗なのか」「どう指導するべきか」については、可能なかぎり理解しやすい紙面を追求いたしました。すこしページを進んでご確認ください。すべての事例について模擬患者と実習生のやり取りを写真で再現しました。模擬患者は事例ごとに「疾患名」「重症度」を設定し、撮影アングルも一見して理解できるよう配慮しました。指導方法は「Step1―失敗を分析しよう!―」「Step2―口頭で指導しよう!―」「Step3―見本を見せよう!―」「Step4―実際にやらせてみよう!―」の4段階で解説しております。各事例では特によく見る代表的な失敗を示しましたが、近似した事例への応用は「Level Up!」に述べました。
理学療法士養成における臨床実習の重要性は今後とも変わることはないでしょう。臨床実習が、実習生にとって乗り越えなくてはならない大きな試練であることは間違いありません。同時に指導者にとっても臨床実習は、明日の理学療法士を育てるという、大変責任の重い仕事です。指導に不安を感じることもあるでしょう。そんな時、本書が生かされると確信しております。実習生とともに、本書を開いてください。きっと答えが見つかります。
もし臨床実習を控えた学生のみなさんが本書を手に取られているとしたら、最後まで熟読してください。臨床実習で犯しがちな失敗をあらかじめ知り、いま何をすべきかを理解することは実習への自信につながることを保証いたします。
2011年9月
執筆者一同