声に出して覚える心電図改訂第2版
CD-ROM付
著 | : 高沢謙二 |
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ISBN | : 978-4-524-26304-2 |
発行年月 | : 2010年9月 |
判型 | : A4 |
ページ数 | : 56 |
在庫
定価2,750円(本体2,500円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 書評
好評書『声に出して覚える心電図』がバージョンアップ!著者が経験から考案した、見落としをなくすためのフレーズをラップで覚える。わかりやすいと好評の基本7フレーズにアンサーフレーズをプラス、目の前の心電図に異常がないか、一つひとつ歌いながら確認できる。「心電図は難しい」という思い込みから解放される一冊。歌って覚えて、楽しく学べる“最強版”。CD-ROM付。
1 リズムはレギュラー(整)、サイナスで、心拍数は異常なし
2 軸、移行帯に異常なく
3 P波の形は正常で、PQ間隔異常なし
4 Q波の出現見られずに、幅も高さも異常なし
5 ST上昇、低下もなくて
6 テン、テン、T波も異常なし
7 QT間隔正常で、異常なU波も見られない
おさらいページ
索引
天理の街には、心電図のラップが響いてる!
心電図の講義は何回聴いても忘れるのか? 聴く前に眠くなる、講義が面白くない、むずかしそう。そのうち心電図を読むことを避けるようなり、遠慮するようになる。こうして心電図苦手ドクターが完成されていくのである。
本書は、心電図に対して少しでも苦手意識を感じる医学生・研修医に絶対お薦めの一冊である。一冊と書いたが、文字で書いた内容だけではなく、名曲のCDがもれなく付いてくるのである。ラップ調の歌に合わせて心電図の読み方を覚えるという仕掛けだ。CDにこの名曲が吹き込まれている。それも、著者である高沢先生が自らの美声で歌っているのである。このラップのフレーズを口ずさみながら、恥ずかしければ心の中で囁きながら心電図を読めば、系統的・標準的な心電図の読解が可能となるのである。この書評の文章を読んでも、この仕掛けの素晴らしさは伝わらないと思う。是非とも一度聴いてもらいたいと思う。
筆者の勤務する天理よろづ相談所病院は、総合内科ローテート形式の初期研修システムを40年以上前から導入し実践してきたことで有名である。当院の研修医諸君の勉強熱心さには感心するものがある。カンファレンスで、心電図の解読とプレゼンテーションをどのようにすれば上手くできるかという相談を彼らから受けた。筆者が皆に紹介したのは、もちろんこの高沢先生の名著・名曲の本書である。皆、このラップの魔術のとりこになった。研修医部屋には、この曲が響いている。勢い余って、宴席で心電図ラップを放歌する輩までいる始末である。
心電図は、いったんその苦手意識が払拭されればむずかしくはない。手足と胸に電極を貼り付けるだけで心臓の情報が得られるという、素晴らしい検査法である。心臓という生命を支える臓器の活動が、電気的活動により成り立っているというのも不思議である。心電図は、その電気的活動の影を記録したもので、原理さえ理解できれば単純である。不整脈に対するアブレーションなどの治療法も進歩している。心臓の中に何本も電極カテーテルを挿入して記録する電気生理学的検査などは、非常にむずかしいように一見感じる。本当はむずかしくはないのである。その背景にある単純な理屈さえ理解できれば、むしろ論理的で明快である。アブレーションの達人になるまで心電図を読むには修練が必要だが、その第一歩を踏み出すきっかけに本書をお薦めする。この改訂第2版から練習問題の項が追加され、実践的なトレーニングができるように工夫されている。問題と正解だけでなく各問題の心電図を読み解く説明が詳しくなされているので、知識を整理しながら楽しく学ぶことが可能である。
さあ皆で歌おうではないか!「♪リズムはレギュラー、サイナスで……♪」
評者● 中川義久
臨床雑誌内科107巻1号(2011年1月号)より転載