ビジュアル栄養療法
メカニズムからわかる治療戦略
編集 | : 丸山千寿子/中屋豊 |
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ISBN | : 978-4-524-26093-5 |
発行年月 | : 2012年4月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 214 |
在庫
定価3,300円(本体3,000円 + 税)
正誤表
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2015年02月26日
第1刷・第2刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
栄養療法と薬物療法のメカニズムが“目でみて”わかるイラストが満載。栄養治療を行う際に疑問となる“病気のなぜ”と“治療のなぜ”が理解でき、得られる効果の概略が分かるよう工夫した。栄養士がチーム医療の一員として治療計画を立てる際に、一手二手先を提案できる考えが身につく一冊。栄養士だけでなく、病態栄養に興味のある医療従事者の必携書。
I 栄養療法の視点
II 病態がわかる、栄養療法がわかる
A 消化器疾患
1 ダンピング症候群
2 吸収不良症候群
3 潰瘍性大腸炎とクローン病
4 肝硬変
5 脂肪肝・NASH
6 膵疾患
a 急性膵炎
b 慢性膵炎
B 代謝疾患
1 肥満・メタボリックシンドローム
2 糖尿病
3 脂質異常症
4 高尿酸血症・痛風
5 骨粗鬆症
C 呼吸器疾患
・ 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
D 循環器疾患
1 高血圧
2 虚血性心疾患
3 うっ血性心不全
E 腎疾患
1 ネフローゼ症候群
2 腎不全
3 透析
F 血液疾患
・ 貧血
G 皮膚疾患
・ 褥瘡
H 侵襲時
I がん
索引
今日、治療における栄養療法の意義が改めて見直され、管理栄養士の働きに熱い期待が寄せられています。
医学は日進月歩で、病気のメカニズム解明のための研究は精力的に行われ、薬物療法を始めとしたさまざまな治療法が開発されています。そのような状況において、治療にかかわる者は、身体に異常が起きている「病気」をどのように治そうとするのか、どうして治るのかについて、説明できる力が求められます。
本書は、管理栄養士がチーム医療の一員として病気の治療計画を立てる際に、栄養療法のターゲットとメカニズム、そして得られる効果について概略を説明できるようになること、第一選択として行った栄養療法の効果が得られなかった時に、次の一手を提案できるようになること、を目的として編集しました。
各分野において日本を代表する医師に執筆を依頼し、病気の成り立ちと治療のメカニズム、そして期待されるアウトカムについてわかりやすく解説いただきました。各章の項目立ては、「体のどこに異常が起こっているのか」:異常の原因とその結果起こる異常状態を把握し、「異常はどのように現れるのか」:その症状が現れるメカニズムを確認して病気の成り立ちを理解したうえで、「治療のターゲットは何か」:薬物療法と栄養療法の作用メカニズムから治療戦略の決定にいたる理由がわかるようにしました。病態と治療のメカニズムについて概略をわかりやすく図に示していただくために、各執筆者の先生方には大変なご苦労をおかけしました。
栄養療法については、敢えて医師が処方として示すエネルギーおよび栄養素と食品中成分に関する記載にとどめていただきました。この処方を実際に経口あるいは非経口的に展開するのは臨床にかかわる管理栄養士の専門領域であり、管理栄養士は個々の患者の状態に合わせた栄養剤、食品、料理の選択と供給法を提案することができます。また本書で掲載する図については、疾患と栄養療法全体のかかわりなどの理解を深めるためのものであり、学問的には正確性を欠いている部分があるかもしれませんが、その主旨をご理解いただければ幸いです。
本書は管理栄養士だけでなく、医学生や研修医が栄養療法をより理解するためにも役立つことと思います。そして新規の栄養療法開発を視野に入れて、病気のメカニズムに照らした患者の食事や栄養について考えるきっかけになればと願います。
2012年3月
丸山千寿子
中屋豊