書籍

あるある症例から学ぶ!薬学的思考トレーニング

: 菅野彊/野口克美
ISBN : 978-4-524-25984-7
発行年月 : 2016年10月
判型 : B5
ページ数 : 136

在庫僅少

定価3,080円(本体2,800円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

その患者さん、このままの処方で本当に大丈夫?本書では一見なんでもない”あるある症例”から薬剤師として何を考えることができるのかを示し、薬物動態学や薬物有害事象のプレアボイド、処方箋チェック技術など臨床現場で必要とされる知識・技能を包括的に解説。かかりつけ薬剤師脳を鍛えるトレーニングに必読。

Case1 本日より降圧薬が増量になった元MRの武藤さん
Case2 昔は踊りのお師匠.着物の似合う山崎さん
Case3 本日よりアリセプトが追加.大正ロマンな加藤さん
Case4 「俺はもっとしっかり薬を飲みたいんだ!」頓服処方にご不満な高藤さん
Case5 娘さんと大の仲良し.元小学校教諭の赤坂さん
Case6 元県庁マン.アクティヴに余生を楽しむ宇田さん
Case7 老舗百貨店の元エース.ワーファリン服用中の山田さん
Case8 ジゴキシン服用中足のむくみと息苦しさが出た果物屋,伊藤さん
Case9 規則正しい生活に確実な服薬.優等生タイプの渋谷さん
Case10 フェニトインの投与量設定がなかなかうまくいかない高梨さん
Case11 薬を飲んでもよいか不安げな授乳婦,坂井さん
Case12 母親が認知症に.介護疲れからうつ病を発症した福永さん
Case13 大腸がんにより在宅緩和ケアへ.今日を懸命に生きる丸本さん
Case14 アスベストのため胸膜中皮腫に.在宅医療に移行した栗本さん
Case15 問合せはある日突然に
Case16 お菓子とパンが大好き.陽気でフレンドリーな佐藤さん
Case17 ぽっこりお腹が気になりだした,高校教師の朝倉さん
Case18 定年退職後は日本中を旅したい,信用金庫の岡島さん
Case19 地域の頼れるご意見番.町内会長の福田さん
Case20 犬の散歩が日課.悠々自適ライフの平塚さん

序文

 保険薬局が受け取った処方箋をみて、何を考えどうするのか?ということについて、薬学的に検討された書籍は少ない。そこで、“書いてみようか!”という結論に達した。幸い、理論体系はある。長年積み重ねてきた“どんぐり理論”である。
 しかし、独りでは心もとない。私が見える範囲は狭いし、誤謬も多いから。誰と書こうか?真っ先に浮かんだのは野口克美さんである。なぜなら、長い間、全国の薬剤師研修会で、演者とファシリテーターとしてコンビを組んできたから気心が知れている。
 優秀なファシリテーターは演者の講演内容を理解している。そうじゃないと、良いファシリテートはできないからだ。私の講演は、「添付文書の読み方」から始まって「副作用機序別分類」、「薬物動態学」などいくつかあるので、全部を理解するのは大変だと思う。しかし、野口克美さんは頑張って講演内容をしっかり把握した。
 一方で、私の講演は間口が狭い!なぜなら、「在宅薬物療法」や「がん薬物療法」などは無いからである。なぜか?私自身が取り組んでいないからである。実はこの2つの分野で野口克美さんは長い間研鑽を積んできた。そこで、今回の書籍ではお互いを補い合いながら、共著とすることにした。
 題材は薬剤師が日々受け取る処方箋に求めることにした。処方箋に疑問が湧けば、薬剤師は疑義照会をする。その疑義が理論的に正しければ、処方医の理解を得られ処方が変わり、より良い薬物療法に進化していく。つまり、この書籍は保険薬局薬剤師の現場から生まれたのである。
 今回の書籍でどんぐり講演の中味のすべてを公開することにした。楽しんでほしいと思う。そして展望をもって保険薬局の仕事をし、世の中を変えていきたい。そんな願いをこめて、今回の共著が出来上がった。
 『変わらないものはない!あるとすれば、「それは“変わらないものはない”という真理」だけである』。私が好きな言葉である。

平成28年9月
菅野彊

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