即引き!薬の必須検査値チェックブック
監修 | : 伊藤正明 |
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編集 | : 奥田真弘/村木優一 |
ISBN | : 978-4-524-25961-8 |
発行年月 | : 2017年3月 |
判型 | : B6変型 |
ページ数 | : 330 |
在庫
定価3,520円(本体3,200円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
処方設計や薬剤の副作用モニタリングに必要な検査値の見方をコンパクトに解説したポケットブック。I章では薬剤の効果・副作用や体内動態の指標になる45種類の検査値について個々の基準値や薬剤との関連をわかりやすく解説。II章では外来や在宅医療で汎用される薬剤約1,000品目について、服用した際の検査値の動きを一覧にまとめた。薬剤師業務に便利なデータベースとして使用できる1冊。
I章 検査値のやさしい解説
臨床検査総論(基準値とは)
A.血球検査
1.赤血球数(RBC)
2.ヘモグロビン(Hb)
3.ヘマトクリット(Hct)
4.白血球数(WBC)
5.好中球
6.好酸球
7.血小板数(Plt)
B.血栓・止血検査
8.プロトロンビン時間(PT),プロトロンビン時間-国際標準比(PT-INR),活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)
C.糖代謝検査
9.血糖(Glu,BS)
10.糖化ヘモグロビン(HbA1c)
11.ケトン体
12.カルニチン
D.脂質代謝検査
13.総コレステロール(T-Cho,TC)
14.LDLコレステロール(LDL-C)
15.HDLコレステロール(HDL-C)
16.中性脂肪(TG)
E.電解質代謝検査
17.血清ナトリウム(Na)
18.血清カリウム(K)
19.血清クロール(Cl)
20.血清カルシウム(Ca)
21.血清リン(P)
22.血清マグネシウム(Mg)
23.血清鉄(Fe)
F.骨代謝関連検査
24.カルシトニン,プロカルシトニン
25.副甲状腺ホルモン(PTH)
G.肝機能検査
26.アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)
27.アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)
28.乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)
29.アルカリホスファターゼ(ALP)
30.ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)
31.γ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GTP,γ-GT)
32.コリンエステラーゼ(Ch-E)
33.総ビリルビン(T-Bil)
H.腎機能検査
34.血清クレアチニン(Cre,Cr)
35.尿酸
36.N-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ(NAG)
I.血清蛋白検査
37.アルブミン(Alb)
J.膵機能検査
38.アミラーゼ
K.炎症マーカー検査
39.C反応性蛋白(CRP)
L.下垂体検査
40.甲状腺刺激ホルモン(TSH)
41.プロラクチン
M.甲状腺機能検査
42.遊離トリヨードサイロニン(T3),遊離サイロキシン(T4)
N.副腎皮質検査
43.アルドステロン
O.生理活性物質検査
44.レニン
P.酵素検査
45.クレアチンキナーゼ(CK,CPK)
II章 薬剤による検査値への影響
薬剤索引
事項索引
序文
医師が処方し、薬剤師が調剤をする。薬剤師法第二十四条に明記されているように、「薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによつて調剤してはならない」。薬剤師の任務は、「調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保する」ことであるが、現実の処方において、薬剤師が処方せんの情報のみで処方の適切性を判断することは難しい。近年、処方せんに臨床検査値を印字し、処方のチェックや提案に活かす取り組みが各地で拡大している。薬物療法を適正に進めるには、患者に関わるすべての医療スタッフが患者状態を的確に把握し、おのおのの専門性を活かして治療に取り組むことが重要となる。
検査値には、大まかに薬剤の効果や副作用の指標となるものと、薬物の体内動態の指標となるものがある。本書では、主に処方設計や薬剤の副作用モニタリングに必要な検査値を取り上げることとし、I章では薬剤の効果・副作用や体内動態の指標として用いられる45種類の検査値について、個々の基準値や異常値の意味を薬剤との関連を分かりやすくまとめた。また、II章では外来や在宅医療で汎用される薬剤約1,000品目を取り上げ、各薬剤が検査値に及ぼす影響を、主に医療用医薬品添付文書や重篤副作用疾患別対応マニュアルを参考に簡潔にまとめることで、医療スタッフが必要な情報を的確に確認できるよう工夫を加えた。
地域包括ケアが推進される中、患者が継ぎ目のない薬物治療を受けるには、患者に関わる医療スタッフが密に連携をとる必要がある。本書を、薬物療法に関わるさまざまな医療スタッフが活用することで連携が促進され、安心・安全かつ効果的な薬物療法が確保されることを切に願うものである。
2017年3月
三重大学医学部附属病院教授・薬剤部長
奥田真弘