コンパクトシリーズ
コンパクト生化学改訂第4版
編集 | : 大久保岩男/賀佐伸省 |
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ISBN | : 978-4-524-25946-5 |
発行年月 | : 2017年2月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 238 |
在庫
定価2,420円(本体2,200円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
看護学生をはじめとする医療系学部学生のために、生化学のミニマムエッセンスをまとめたテキスト。複雑な生化学の事象を、できるだけ専門用語を使わずにやさしい言葉で解説している。今改訂では、高校化学の復習にあたる内容を豊富に盛り込んだ。また生化学と関連の深い疾患やその病態の解説をコラムとして充実させ、臨床の場でも有効に活用できる一冊となっている。
第1章 序論
1−医療従事者と生化学
2−生体分子
1 元素と原子
2 化学結合
3 分子量や濃度の表し方
4 生体の構成物質
第2章 細胞の基本構造と機能
1−細胞の基礎
2−膜
3−細胞骨格
1 微小管
2 ミクロフィラメント
3 中間径フィラメント
4−細胞小器官
1 核
2 ミトコンドリア
3 小胞体
4 ゴルジ体
5 リソソーム
6 ペルオキシソーム
第3章 生体成分の構造と機能
1−糖質
1 単糖類
2 少糖類
3 多糖類
4 複合糖質
5 糖質の性質と機能
2−脂質
1 単純脂質
2 複合脂質
3 誘導脂質とその他の脂質
3−アミノ酸とタンパク質
1 アミノ酸
2 タンパク質
4−核酸
1 ヌクレオチド
2 ポリヌクレオチド
5−ビタミン
1 種類と働き
2 ビタミンの利用
第4章 代謝
1−酵素と代謝
1 酵素の働き
2 酵素反応の速度論
3 酵素の反応機構
4 酵素活性の影響因子
5 酵素活性の調節
6 臨床化学
2−エネルギー代謝とその調節
1 生体エネルギー
3−糖質の代謝
1 消化と吸収
2 グリコーゲン代謝
3 解糖と糖新生
4 ペントースリン酸回路とグルクロン酸回路
5 血糖調節と糖尿病
4−脂質の代謝
1 消化と吸収
2 脂肪酸の分解
3 ケトン体
4 脂肪酸の生合成
5 コレステロール代謝
6 胆汁酸とステロイドホルモンの生合成
7 リポタンパク質の代謝とコレステロールの
8 プロスタグランジン
5−アミノ酸とタンパク質の代謝
1 タンパク質の消化と吸収
2 アミノ酸の代謝
3 アミノ酸の代謝異常
4 窒素平衡
6−三大栄養素と代謝
1 糖質と脂質とタンパク質の関係
2 代謝調節
7−ヌクレオチドの代謝
1 ヌクレオチドの合成
2 ヌクレオチドの分解
8−ポルフィリンと胆汁色素の代謝
1 ポルフィリンの合成
2 ポルフィリンの分解と胆汁色素
9−水と無機質の代謝
1 水の分布
2 水の代謝
3 無機質と代謝
10−酸塩基平衡
1 酸と塩基とpH
2 血液の緩衝作用
3 腎臓と肺の調節機構
4 アシドーシスとアルカローシス
第5章 核酸とタンパク質の生合成
1−核酸の構造と機能
2−DNAの複製
1 細胞周期
2 半保存的複製
3 複製の制御
4 DNAポリメラーゼ
5 不連続複製
6 複製に関与するその他の酵素
3−DNAの修復
4−RNAの合成
1 転写とその調節
2 RNAのプロセシング
3 遺伝子発現の制御
5−タンパク質の生合成
1 コドンとアンチコドン
2 翻訳
3 分泌タンパク質・膜タンパク質の翻訳
6−遺伝の生化学
1 遺伝と染色体
2 メンデルの法則
3 遺伝形式
4 母性遺伝(細胞質遺伝)
5 遺伝子工学
6 遺伝病の原因
第6章 ホメオスタシスとホルモン
1−ホルモンの分類
2−ホルモンの作用機序
1 ステロイドホルモンと甲状腺ホルモン
2 ペプチドホルモン
3−ホルモン各論
1 視床下部
2 下垂体
3 甲状腺
4 副甲状腺(上皮小体)
5 膵臓
6 副腎
7 性腺
8 消化管
9 プロスタノイド
10 神経伝達物質
第7章 臓器の生化学
1−循環器系
1 心臓
2−呼吸器系
1 肺
3−消化器系
1 胃・十二指腸・小腸・大腸
2 膵臓
3 肝臓・胆嚢
4−泌尿器系
1 腎臓
5−神経系
1 神経の化学的成分
2 神経刺激の伝達
6−血液
1 血漿成分
2 血液凝固
3 血球成分
第8章 がんの生化学
1−細胞増殖の誘導機構
2−細胞周期の分子機構
3−がん
1 がん細胞の増殖機構異常
2 発がんの過程
3 がん遺伝子とがん抑制遺伝子
4 がんの生化学的診断
第9章 免疫の生化学
1−免疫担当細胞と免疫応答
1 細胞性免疫
2 液性免疫
2−補体系
1 古典経路
2 副経路
3 レクチン経路
3−免疫疾患
1 アレルギー
2 免疫不全
参考図書
索引
改訂第4版の序
2000年1月の本書の初版発行から17年が経過した。2011年には第3版となる改訂を行い、このたび17年目を迎えて改訂第4版を発行するに至った。本書は当初から近い将来、看護師や臨床検査技師、診療放射線技師などの医療従事者となる学生諸君に大いに役立つことを期待して出版したものである。
この間、本書は医療従事者を目指す学生あるいは医学を学ぶ多くの方々に利用されてきたが、医学教育に携わる方々や臨床現場で働く多くの医療従事者の方々から貴重なご助言やご教唆をいただき、順次「コンパクト生化学」としての充実度や成熟度を増すよう努力してきた。
医学の分野ではこの間に、iPS細胞(人工多能性幹細胞)に代表されるような多くの新たな発展があり、医学の基礎的な学問である生化学の分野でも多くの新たな知見が見いだされた。今版ではこれらの知見を、本書の特徴である「コンパクトかつ平易に」という視点で分かりやすく解説し、より一層理解しやすい教科書になるよう改訂を行った。また、第3版では、臨床医学に即した今日的な事項およびその解説を新たに欄外に取り上げ、理解を深めるための一助としたが、本改訂ではさらに増やし、それらの内容についても充実をはかった。また、今版では、新しく一名の執筆者も加わり、新しい視点を持った内容となったものと考えている。
本書は、今後もより充実した内容に改善していきたいと考えている。学生諸君や医学教育に携わる方々、多くの医療従事者の方々から忌憚のないご意見をいただければ幸甚である。
2017年1月
編者