コンパクトシリーズ
コンパクト栄養学改訂第4版
監修 | : 脊山洋右/廣野治子 |
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編集 | : 久保田俊一郎/寺本房子 |
ISBN | : 978-4-524-25945-8 |
発行年月 | : 2017年9月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 230 |
在庫
定価2,420円(本体2,200円 + 税)
サポート情報
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2020年12月22日
日本人の食事摂取基準(2020年版)の概要
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
看護系、栄養系学生のための、栄養学のミニマムエッセンシャルをまとめた教科書。今改訂では、栄養学の裏付けとなる生化学の知識を、短い講義時間内で効率良く学習できるよう、よりコンパクトに解説。将来役立つ臨床栄養学の内容もさらに充実させた。やさしい文章や図で、学生はもちろん講義担当の教員にとっても使いやすい一冊。
1−1 栄養とは
1 栄養の定義
2 栄養と人体組成
1−2 栄養と人間の健康
1−3 栄養と疾病治療・予防
1−4 食生活と栄養
1−5 食事摂取基準
第1章 栄養
2−1 人体の構造と機能
1 口腔のはたらき
2 胃のはたらき
3 小腸のはたらき
4 膵臓のはたらき
5 大腸のはたらき
6 肝臓のはたらき
7 食欲と摂食調節
2−2 食物摂取と消化吸収
1 消化器のはたらき
2 消化・吸収のしくみ
3 水・電解質の出入り,輸送
4 内分泌による調節
第2章 消化吸収−栄養と人体−
3−1 糖質の栄養
1 糖質の分類
2 糖質の消化と吸収
3 吸収後の糖の代謝
3−2 脂質の栄養
1 脂質の化学
2 脂質の機能と栄養学的な意義
第3章 栄養素とその機能
3 脂質の代謝調節と疾患との関わり
3−3 タンパク質の栄養
1 タンパク質を構成するアミノ酸の構造と種類
2 食物タンパク質の消化,吸収
3 タンパク質の代謝
4 アミノ酸の代謝
5 タンパク質・アミノ酸の栄養
3−4 ミネラルの栄養
1 定義と分類
2 機能
3 カルシウム(Ca)
4 リン(P)
5 ナトリウム(Na)
6 カリウム(K)
7 マグネシウム(Mg)
8 鉄(Fe)
9 マンガン(Mn)
10 銅(Cu)
11 ヨウ素(I)
12 亜鉛(Zn)
13 セレン(Se)
14 モリブデン(Mo)
15 クロム(Cr)
3−5ビタミンの栄養
1 ビタミンとは
2 脂溶性ビタミン
3 水溶性ビタミン
3−6 食物繊維の栄養
1 食物繊維とは
2 食物繊維のはたらき
3−7 水の代謝
1 生体成分としての水
2 水の機能
3 水分出納
4 水分の調節
5 水の出納異常
6 水分の補給
3−8 核酸の代謝
1 核酸とは
2 核タンパク質
3 核酸代謝
4 プリンヌクレオチドの代謝
5 ピリミジンヌクレオチドの代謝
第4章 エネルギー代謝
4−1 エネルギーの単位
4−2 食品のエネルギー
4−3 エネルギー消費量の測定
1 直接測定法
2 間接測定法
3 心拍数からのエネルギー消費量の推定
4 時間研究法(time study法)
5 加速度計
4−4 体内栄養素利用の測定
4−5 基礎代謝量
1 基礎代謝量に影響する因子
4−6 食事誘発性熱産生
4−7 健康づくりのための身体活動基準2013
4−8 健康づくりのための身体活動指針2013(アクティブガイド)
第5章 栄養状態の評価
5−1 個人の栄養状態の評価
1 栄養ケア・マネジメント
2 栄養スクリーニングと栄養アセスメント
3 栄養アセスメントの分類
4 高齢者のケア・マネジメント
5−2 地域・集団の栄養状態の評価
1 国民健康・栄養調査
2 健康増進法
第6章 ライフステージと栄養
6−1 成長期の栄養
1 成長期の区分と摂食
2 新生児期・乳児期の栄養
3 幼児期の栄養
4 学童期・思春期の栄養
6−2 成人期の栄養
1 成人期の区分と食生活
2 生活習慣病
6−3 高齢期の栄養
1 高齢期の老化に伴う消化・吸収機能の変化
2 高齢者の低栄養と栄養ケア
6−4 妊娠期と授乳期の栄養
1 妊娠期の栄養
2 産褥期・授乳期の栄養
3 妊娠期・授乳期の食事摂取基準と栄養管理
4 妊娠期から授乳期を通した食生活指針
6−5 更年期の栄養
1 更年期における代謝の変化
2 更年期の栄養
第7章 栄養管理
7−1 栄養補給法
1 栄養補給法の種類
2 栄養補給法の選択
7−2 治療食
1 治療食の種類
7−3 栄養管理とチーム医療
1 チーム医療
2 栄養管理とチーム医療
第8章 治療食の実際
8−1 消化器疾患
1 胃腸疾患
2 炎症性腸疾患
3 便秘
4 下痢
5 肝疾患
6 胆道系疾患
7 膵疾患
8−2 代謝疾患
1 メタボリックシンドローム
2 肥満症
3 糖尿病
4 脂質異常症
5 高尿酸血症・痛風
8−3 循環器疾患
1 心不全
2 虚血性心疾患
3 動脈硬化症
4 高血圧
8−4 呼吸器疾患
1 肺 炎
2 気管支喘息
3 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
8−5 腎疾患
1 腎炎
2 ネフローゼ症候群
3 腎不全
4 糖尿病性腎症
5 慢性腎臓病(CKD)
6 透析患者の食事療法
8−6 血液疾患
1 貧血
8−7 先天性代謝異常症
1 フェニルケトン尿症
2 メープルシロップ尿症(楓糖尿症)
3 ホモシスチン尿症
4 ガラクトース血症
5 糖原病
8−8 アレルギー疾患
1 免疫反応とアレルギー
8−9 リハビリテーションと栄養
1 リハビリテーションにおける栄養の必要性
2 若年層へのリハビリテーションと栄養
3 主な疾患のリハビリテーションと栄養
第9章 食品
9−1 各食品群の特色
1 食品群とは
2 六つの基礎食品と食事バランスガイド
3 食品成分表
9−2 特別用途食品,特定保健用食品・栄養表示制度
1 特別用途食品
2 特定保健用食品
3 栄養機能食品と機能性表示食品
4 まとめ
付録(1) 日本人の食事摂取基準
付録(2) 食生活指針
索引
改訂第4版の刊行にあたって
2000年10月の本書の初版刊行から16年が経ち、また「日本人の食事摂取基準」が制定されてから10年以上が経過した。食事摂取基準はこの間、5年ごとの2度にわたる改定を経て、現在では2015年版が使われている。その概要はすでに固まってきたが、2015年版では生活習慣病の発症及び重症化予防の項目が加えられた。また、エネルギーの指標に「体格(BMI)」が採用され、ナトリウム、カリウムについての内容も充実した。
これを機に本書も改訂を行うこととなったが、今回は新たな編集者を迎え、執筆者の陣容も刷新することによって内容の一層の充実を図っている。
看護系、家政・生活科学系の学生が栄養学を学ぶにあたっては、その裏付けとなる生化学の知識が求められる。この際大切なのは食物の消化・吸収に始まり、身体を構成する物質について合成と分解からなる代謝の本筋を理解することであり、生化学といっても分子細胞学のような微に入り細をうがった情報はむしろ学習を阻害する恐れもある。そこで本書では限られた講義時間の中で、将来必要となる栄養学のセンスを効率よく学習できるよう、生化学についての記述は要点を絞ったものとした。
そのため、本書は栄養素の摂取と体内における代謝を軸として、その機能やもたらされるエネルギー代謝も理解できるように配慮されている。また、必要な物質の構造式や酵素に関しては、適切な図を用いることによって文章はなるべく簡単に分かり易いものとした。さらに、臨床栄養学領域の内容もより充実し、将来、学生が実際に臨床の現場で働く際に活用できる知識が身につくように仕上げている。しかしながら初版より引き継いできた、必要な内容をコンパクトにまとめるというスタンスは、変わっていない。
教科書は授業を受ける学生にとっての教材という役割がある一方で、授業を行う側の教員にとってのガイドラインとなるものでなければならない。執筆者と学生の間には両者を取り持つ教員が介在しており、大切なのは執筆者の意向がその教員を仲立ちにして学生に伝わることである。教員が適切に代弁して教えられるように、要を得た文章・図・表となるよう、この観点から編集・監修を行った。あわせて、これまで執筆者によってばらばらに使われていた用語の統一も図ったが、これにより学生の学習がスムーズに進むことを願っている。
本書で栄養学を学んだことが実践の場においても理解の一助となれば望外の幸せである。
2017年6月
監修者