リハビリテーション医療に活かす画像のみかた
症例から学び障害を読み解く
編集 | : 水間正澄/川手信行 |
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ISBN | : 978-4-524-25907-6 |
発行年月 | : 2019年4月 |
判型 | : A4 |
ページ数 | : 252 |
在庫
定価4,400円(本体4,000円 + 税)
正誤表
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2021年08月19日
第1刷〜第2刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
PT、OT、STに求められる画像評価を学ぶために最適の一冊。脳だけでなく、脊椎・脊髄、骨・関節、胸部・腹部、摂食嚥下障害まで全身を網羅し、X線、CT、MRI、核医学検査、エコー(超音波)と豊富な種類の画像を掲載した。リハビリテーションに関連深い疾患画像を、医師とリハビリテーションスタッフの2つの視点から解説している。画像は大きく、加工を豊富に施してあり着目点が一目でわかる。3D-CTやVF・VE検査動画も閲覧可能。
第I部 総論
第1章 画像診断の基本
Point1 画像をリハビリテーション医療に活かしてみよう!
Point2 単純X線
Point3 CT
Point4 MRI
Point5 MRA
Point6 核医学検査
Point7 エコー(超音波)
第II部 脳
第2章 脳画像 基本のみかた
Step1 機能と構造
Step2 正常画像
Step3 脳画像のみかた
Step4 疾患別読影ポイント
第3章 実際に患者さんの画像をみてみよう〜脳〜
症例1 脳梗塞(1) 放線冠梗塞
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例2 脳梗塞(2) 脳塞栓症・中大脳動脈域梗塞
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例3 脳梗塞(3) 延髄外側梗塞
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例4 脳出血(1) 被殻出血
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例5 脳出血(2) 視床出血
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例6 脳出血(3) 橋出血
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例7 脳出血(4) 小脳出血
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例8 脳出血(5) 皮質下出血
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例9 くも膜下出血−破裂脳動脈瘤
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例10 正常圧水頭症
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例11 脳動静脈奇形(AVM)
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例12 もやもや病
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例13 脳外傷−慢性硬膜下血腫
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例14 Parkinson病
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例15 多発性硬化症
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
第III部 脊椎・脊髄
第4章 脊椎・脊髄画像 基本のみかた
Step1 機能と構造
Step2 正常画像
Step3 脊椎・脊髄画像のみかた
Step4 疾患別読影ポイント
第5章 実際に患者さんの画像をみてみよう〜脊椎・脊髄〜
症例1 脊椎疾患(1) 圧迫骨折(高齢者・骨粗鬆症)
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例2 脊椎疾患(2) 頚椎椎間板ヘルニア
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例3 脊椎疾患(3) 腰椎椎間板ヘルニア
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例4 脊椎疾患(4) 腰部脊柱管狭窄症
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例5 脊髄疾患(1) 脊髄損傷(外傷)−頚髄損傷
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例6 脊髄疾患(2) 頚椎後縦靱帯骨化症
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例7 脊髄疾患(3) 腰椎分離すべり症
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例8 転移性脊椎腫瘍
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
第IV部 骨・関節
第6章 骨・関節画像 基本のみかた
Step1 機能と構造
Step2 正常画像
Step3 骨・関節画像のみかた
Step4 疾患別読影ポイント
第7章 実際に患者さんの画像をみてみよう〜骨・関節〜
症例1 骨折(1) 上腕骨顆上骨折
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例2 骨折(2) 橈骨遠位端骨折
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例3 骨折(3) 骨盤骨折
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例4 骨折(4) 大腿骨転子部骨折
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例5 骨折(5) 大腿骨頚部骨折(人工骨頭置換術例)
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例6 骨折(6) 大腿骨頚部骨折(骨接合術例)
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例7 半月板損傷
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例8 前十字靱帯損傷
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例9 変形性股関節症
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例10 変形性膝関節症
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例11 スポーツ障害(1) 野球肩
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例12 スポーツ障害(2) 野球肘
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例13 発育性股関節形成不全
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
第V部 胸部・腹部
第8章 胸部画像 基本のみかた
Step1 機能と構造
Step2 正常画像
Step3 胸部画像のみかた
Step4 疾患別読影ポイント
第9章 実際に患者さんの画像をみてみよう〜胸部〜
症例1 心不全(拡張型心筋症)
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例2 急性心筋梗塞
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例3 肺炎(誤嚥性肺炎)
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例4 肺気腫(COPD)
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例5 気胸
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例6 特発性間質性肺炎
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例7 無気肺
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
第10章 腹部画像 基本のみかた
Step1 機能と構造
Step2 正常画像
Step3 腹部画像のみかた
Step4 疾患別読影ポイント
第11章 実際に患者さんの画像をみてみよう〜腹部〜
症例1 腸閉塞(イレウス)
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例2 腹部大動脈瘤
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
第VI部 摂食嚥下障害
第12章 摂食嚥下 基本のみかた
Step1 機能と構造
Step2 正常画像
Step3 摂食嚥下画像のみかた
Step4 病態別読影ポイント
第13章 実際に患者さんの画像をみてみよう〜摂食嚥下障害〜
症例1 Wallenberg症候群の摂食嚥下障害
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例2 封入体筋炎の摂食嚥下障害
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
症例3 がんの術後の摂食嚥下障害
医師による画像診断と治療
リハビリテーションスタッフはこう活かす
索引
序文
リハビリテーション医学・医療は、疾病や外傷などから引き起こされた障害を対象として、生活機能(心身機能、活動、参加)の向上を目指す領域であり、多職種が関わったチームによる医療を基本とし、チームの構成員が常に情報を共有しながら目標にむかって進められるものです。具体的には、診断(疾病の診断、障害の評価)および予後予測などに基づいてカンファレンスが行われ、その結果に沿ってリハビリテーション処方がなされ、医学的管理の下に各チームスタッフによる治療やアプローチが進められていきます。リハビリテーションチームが共有すべき情報には疾患・身体状況に関する情報のみならず、心理的因子、家庭や社会背景に関する情報など多岐にわたります。身体状況に関しては医師からの診療情報が基本となり、画像検査や血液検査などから得られる情報は疾患や障害の状態変化だけでなく、予後の予測や機能訓練内容の検討などリハビリテーション治療を行っていくうえできわめて重要で欠かすことのできないものです。そして、セラピストにとっては身体所見を取るうえでも念頭に置くべき基本となる情報でもあります。
画像情報からは障害の原因となっている部位における発症もしくは受傷初期の状態、治療後の状態(治療の結果)や経時的変化(治療の効果)などの客観的かつ視覚的な情報を得ることができます。それは、身体の外からはみることができない隠された状態を確認することであり、現在の障害と関連付けて考え、リハビリテーション治療に反映させていくための大きな助けとなります。医師が画像をどのように読み(読影)、診断(画像診断)に結び付け、治療や治療効果の判定などに利用しているのであろうか、そのプロセスを知ることもセラピストにとっては大変意義のあることであると思います。
急性期・回復期・生活期と入院医療から在宅医療へと治療が進められていく過程においては、診療情報の提供などを利用した連携・協働による医療提供システムが構築されています。その流れの中で、セラピストは日常臨床の場において、カンファレンスをはじめとして様々な場面で画像情報にふれる機会が増えていると思われます。
以前は限られた急性期病院やリハビリテーション病院で行われていたリハビリテーション医療は、回復期リハビリテーション病棟の制度化などに伴い急速な拡がりをみせており、今後は地域包括ケアシステムの推進とともに生活期のリハビリテーション医療のニーズがさらに拡大していくと考えられます。診断・治療の技術、予防医学における革新的な進歩、病院の機能分化に伴う在宅医療の推進などの医療システムの変化、国民の健康への関心の高まりなどの視点からみても、リハビリテーション医療が関わるべき領域は多岐にわたり、リハビリテーション医療専門職の活躍の場についても一層の拡がりが予測されます。
このようにリハビリテーション医学・医療を取り巻く状況が大きく変化する中で、2018(平成30)年10月に理学療法士及び作業療法士法に基づき理学療法士作業療法士施設指定規則の一部が改正されました。この改正では、実習教育(地域、通所や訪問リハビリテーション)の強化などとともに、薬剤、救急、栄養などの基礎知識と並んで“医用画像の評価”が新たな教育項目として盛り込まれました。
本書は、リハビリテーション医療において必要とされる画像情報をできる限り網羅し、チームスタッフである理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、介護福祉士等を目指す学生にとって理解しやすい内容と構成を基本としました。講義や実習において活用していただくことを念頭におき企画されましたが、日常臨床の場においても十分に活用し続けることができる実践的な書籍となりました。
本書が、より良いリハビリテーション治療を実践する一助となることを願っております。
2019年3月
編者を代表して
水間正澄