患者さんにみせて伝える吸入・点鼻・自己注射薬
監修 | : 川合眞一 |
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編著 | : 北村正樹 |
ISBN | : 978-4-524-25892-5 |
発行年月 | : 2017年10月 |
判型 | : A4 |
ページ数 | : 170 |
在庫
定価5,280円(本体4,800円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
吸入・点鼻・自己注射薬におけるデバイス薬剤に関する服薬指導箋や各領域の標準的治療をまとめた実用書。特徴は、各デバイス薬剤の服薬手順を共通化し、一目で類薬の手順もつかめる点にある。また、服薬手順書も掲載し、詳細な服薬手順も確認できる。喘息、COPD、インフルエンザ、花粉症、糖尿病、リウマチの標準的治療法も解説。デバイス薬剤の服薬指導に欠かせない一冊。
第1章 吸入薬
1.気管支喘息,COPD治療薬
1.薬物治療 解説
a.気管支喘息(成人)における重症度とコントロール状態の評価
b.気管支喘息(成人)における治療ステップ
c.気管支喘息(小児)における重症度とコントロール状態の評価
d.気管支喘息(小児)における治療ステップ
e.COPDの診断と治療における管理目標
f.安定期COPDの治療と管理
g.吸入ステロイド薬とほかの長期管理薬の治療効果
h.吸入ステロイド薬の体内動態
i.小児に適応のある吸入ステロイド薬
j.主な吸入器の特徴
2.ドライパウダー製剤(薬剤分離型)
a.共通手順
b.服薬指導箋
(1)ディスクヘラー服薬指導箋
(2)ハンディヘラー服薬指導箋(スピリーバ)
(3)ブリーズヘラー服薬指導箋
3.ドライパウダー製剤(薬剤一体型)
a.共通手順
b.服薬指導箋
(1)タービュヘイラー服薬指導箋
(2)ツイストヘラー服薬指導箋(アズマネックス)
(3)ディスカス服薬指導箋
(4)エリプタ服薬指導箋
(5)スイングヘラー服薬指導箋(メプチンスイングヘラー)
(6)ジェヌエア服薬指導箋(エクリラ)
4.エアゾール製剤
a.共通手順
b.服薬指導箋
(1)レスピマット服薬指導箋
(2)アドエアエアゾールpMDI服薬指導箋
(3)フルティフォームpMDI服薬指導箋
(4)メプチンエアー,メプチンキッドエアーpMDI服薬指導箋
(5)ベロテックpMDI服薬指導箋
(6)サルタノールpMDI服薬指導箋
(7)アトロベントpMDI服薬指導箋
(8)キュバールpMDI服薬指導箋
(9)フルタイドpMDI服薬指導箋
(10)オルベスコpMDI服薬指導箋
(11)インタールpMDI服薬指導箋
c.噴霧補助具,残量計など
(1)スペーサーを使うとエアゾール製剤の吸入が容易に
(2)エアゾール製剤の噴霧補助具について
(3)カウンターがない製剤の残量確認
2.抗インフルエンザウイルス薬
1.薬物治療 解説
2.デバイス 解説
a.服薬指導箋
(1)イナビル服薬指導箋
第2章 点鼻薬
1.アレルギー性鼻炎治療薬
1.薬物治療 解説
a.アレルギー性鼻炎の鑑別および診断
b.アレルギー性鼻炎と花粉症における治療の違い
c.主なアレルギー性鼻炎治療薬
d.治療効果の判定
e.アレルギー性鼻炎の新しい治療法(舌下免疫療法)
f.点鼻薬での患者指導のポイント
2.デバイス 解説
a.共通手順
b.服薬指導箋
(1)リノコートパウダースプレードライパウダー服薬指導箋
(2)エリザスドライパウダー服薬指導箋
(3)アラミスト液剤服薬指導箋
(4)フルナーゼ液剤服薬指導箋
(5)ナゾネックス液剤服薬指導箋
(6)インタール液剤服薬指導箋
(7)ザジテン液剤服薬指導箋
(8)リボスチン液剤服薬指導箋
第3章 自己注射薬
1.インスリン製剤
1.薬物治療 解説
a.糖尿病の病型分類
b.糖尿病の診断のための検査
c.糖尿病における血糖コントロール目標値
d.糖尿病の臨床診断
e.血糖自己測定
f.血糖自己測定に関する注意事項
g.2型糖尿病における治療方針と血糖コントロール
h.インスリン療法
2.インスリンカートリッジ交換型製剤
a.共通手順(単一製剤)
b.共通手順(懸濁製剤)
c.服薬指導箋
(1)ヒューマペンラグジュラ・HD服薬指導箋
(2)ノボペン4・エコー服薬指導箋
(3)イタンゴ服薬指導箋
3.インスリンプレフィルドシリンジ製剤
a.共通手順(単一製剤)
b.共通手順(懸濁製剤)
c.服薬指導箋
(1)ミリオペン服薬指導箋
(2)フレックスペン,フレックスタッチ服薬指導箋
(3)イノレット服薬指導箋
(4)ソロスター服薬指導箋
2.インクレチン関連薬(GLP-1アナログ)
1.薬物治療 解説
2.デバイス 解説
a.共通手順
b.服薬指導箋
(1)ビクトーザプレフィルドシリンジ服薬指導箋
(2)バイエッタプレフィルドシリンジ服薬指導箋
(3)リキスミアプレフィルドシリンジ服薬指導箋
(4)ビデュリオンプレフィルドシリンジ服薬指導箋
(5)トルリシティアテオス服薬指導箋
(6)ビデュリオンシリンジ服薬指導箋
3.抗リウマチ薬
1.薬物治療 解説
a.ACR/EULARによる2010年関節リウマチ(RA)分類基準
b.関節リウマチの目標達成に向けた治療
c.関節リウマチ診療ガイドライン2014
d.関節リウマチに適応のある生物学的製剤
2.抗リウマチ薬(生物学的製剤)
a.共通手順
b.服薬指導箋
(1)アクテムラシリンジ服薬指導箋
(2)オレンシアシリンジ服薬指導箋
(3)エンブレルシリンジ服薬指導箋
(4)ヒュミラシリンジ服薬指導箋
(5)シムジアシリンジ服薬指導箋
(6)アクテムラペン型服薬指導箋
(7)エンブレルペン型服薬指導箋
(8)オレンシアペン型服薬指導箋
4.その他の自己注射薬
1.骨粗しょう症治療薬
a.服薬指導箋
(1)フォルテオ服薬指導箋
2.成長ホルモン
a.服薬指導箋
(1)ジェノトロピン服薬指導箋
(2)ノルディトロピン服薬指導箋
3.抗血栓薬
a.服薬指導箋
(1)ヘパリンCa服薬指導箋
4.アナフィラキシー補助治療薬
a.服薬指導箋
(1)エピペン服薬指導箋
索引
はじめに
一般的に医薬品は、標的となる疾患・症状への有効性および人体への安全性がより高いことが求められている.そのために剤形や投与経路に工夫を加えた製剤、または気管支喘息などの呼吸器疾患やアレルギー性鼻炎など局所的症状や経口では分解されやすいインスリンなど薬剤の特性などから有効成分が最大限発揮できるように医療機器(デバイス)を用いた製剤も数多く臨床現場で使用されている.これらのなかでもデバイスを用いた製剤は、通常、医療従事者を中心として、主に医薬品会社などが作成したデバイス使用説明書などを用いて、患者に使用方法を十分説明し、理解させてから使用されるものである.しかし、各種デバイスは各疾患に対して統一された共通な使用手順なものは皆無であり、各製薬会社独自のデバイス使用方法の製品が使用されているのが現状である.このことから、場合によっては誤った使用方法などにより有効性が発揮されないばかりか、安全性に問題が生じる可能性も否定できない.さらに、医療従事者は個々の患者が使用する固有のデバイスの使用方法を説明し、十分理解したことを確認することや、患者にとっても、長い治療期間で製剤が変わればその都度、使用するデバイスの使用方法を理解し熟知しなくてはならないなど負担も多かった.
以上のことから本書では、医療現場でデバイスを用いる主な治療薬(吸入薬、点鼻薬、自己注射薬)の総合的な患者服薬指導テキストとなるように編集した.具体的には、疾患ごとに使用されるデバイスを大別し、さらに臨床現場で汎用されている患者へのデバイス使用説明書を掲載した.また、各デバイスの使用説明以外にも該当疾患への理解を深める観点から最新のガイドラインなどによる診断および疾患関連情報も掲載した.
本書が医療従事者やデバイスを用いた製剤を使用する患者などにとっても、有用で的確な情報源・服薬方法などの一助となれば幸いである.
2017年9月
東京慈恵会医科大学附属病院薬剤部
北村正樹