患者満足度ベストを目指す 非手術・低侵襲美容外科
形成外科学に基づいた考え方とテクニックの実際
編集 | : 高柳進 |
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ISBN | : 978-4-524-25821-5 |
発行年月 | : 2016年4月 |
判型 | : A4 |
ページ数 | : 310 |
在庫
定価18,700円(本体17,000円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
美容外科領域の非手術的処置および低侵襲手術についてまとめた実際書。機能・整容面の予後を念頭に置いた安全・確実な手技が学べる。各論では、部位別に各術式の局所解剖、適応、患者への説明、手技の実際、合併症対策などについて解説。症例提示では代表症例だけでなく、患者の満足が得られなかった症例についてもできる限り提示した。
A 注入療法の基礎知識
1.注入剤
2.注入剤の種類と特徴
1)コラーゲン
2)ヒアルロン酸
3)脂肪
4)多血小板血漿(PRP)
5)ハイドロキシアパタイト
6)ボツリヌストキシン
7)少血小板血漿(PPP)
8)ポリカプロラクトン
3.注射針と必要備品
4.基本手技
B レーザーおよび各種機器治療の基礎知識
1.物理学的特性
2.レーザーの基礎
3.レーザーの生体内反応
4.そのほかの機器の理論
1)高周波機器
2)超音波機器
5.患者さんへの説明
1)治療効果
2)治療における経過と合併症
C スキンケアの基礎知識
1.スキンケアとは
2.美容医療における重要なスキンケア
1)紫外線に対するスキンケア
2)光老化に対するスキンケア
3)乾燥に対するスキンケア
4)しみ対策のスキンケア
3.美容医療を成功させるスキンケア
4.年齢・性周期・環境に合わせたスキンケア
5.ストレスとスキンケア
6.食事・サプリメントによるスキンケア
7.プラスアルファのスキンケア
D 麻酔の基礎知識
1.静脈麻酔
1)静脈麻酔薬
2)鎮痛薬
2.吸入麻酔
3.局所麻酔
1)局所麻酔薬
2)種類
3)使用器具(局所浸潤麻酔,伝達麻酔)
4)部位,目的に応じた局所麻酔
E 各論
1.眼瞼
1)解剖の知識
a 眼瞼の運動
b 眼瞼の靱帯
c 内眼角部
d 眼窩脂肪
2)注入療法
a フィラー注入法
3)手術療法
a 埋没法
b ビーズ法
c 小切開法
d 全切開法
e 眉毛下切除法
f 上眼瞼陥凹修正術
g 目頭切開術
h 下眼瞼脱脂術
i 下眼瞼tear trough deformityの治療
j 脂肪注入法
k 涙袋形成術
2.鼻
1)解剖の知識
a 鼻の解剖の特徴
b 鼻の表面解剖
c フレームの解剖
d 表面解剖とフレームとの関係
2)注入療法
a ヒアルロン酸注入法
3)手術療法
a 隆鼻術(プロテーゼ)
b 隆鼻術(軟骨)
c 鼻翼縮小術
d 鼻尖形成術
e 鼻孔縁形成術
3.フェイス
1)注入療法
a A型ボツリヌストキシン注射法
b 脂肪溶解注射法
c ヒアルロン酸・コラーゲン注入法
d 多血小板血漿(PRP)療法
e メソセラピー
f 水光注射法
2)手術療法
a 脂肪注入法
b 脂肪吸引法
c 前額形成術
d プロテーゼによる下顎形成術
4.口唇
1)注入療法
a ヒアルロン酸注入法
2)手術療法
a 上・下赤唇部への真皮脂肪移植術
b 口唇縮小術
5.バスト
1)解剖の知識
a 乳腺の局在と神経
b 血管
c 筋膜
d インプラント挿入部位
2)注入療法
a ヒアルロン酸注入法
3)手術療法
a 乳輪・乳頭縮小術
b 陥没乳頭修正術
6.スキンケア
1)しみの診断と治療方針
a しみの診断
b 治療方針
2)治療
a しみ・くすみ
b たるみ(機器による治療)
c にきび
d 瘢痕
e 脱毛
f トレチノインとハイドロキノン(ZOスキンヘルス)を利用した治療方法
g イオン導入・超音波導入法
h A型ボツリヌストキシンによるスキンケア
7.多汗症・腋臭症
1)注入療法
a A型ボツリヌストキシン注射法
索引
序文
最近の美容外科領域の治療としては、ISAPS(国際美容外科学会)の統計調査にも明らかなように、手術治療が減少傾向であり、非手術による治療が世界中で増加傾向を示している。また手術においても、より侵襲の低いものが多く行われるようになってきている。このことは、患者さんの希望として大きな変化をもたらす手術治療よりも、変化量が少ないものであったとしてもダウンタイムがないか、または非常に短い低侵襲の手術治療、あるいは非手術治療が好まれる傾向にあるということだろう。
もとより大きな変化を患者さんが期待する場合は手術治療しか方法がなく、将来も美容外科領域において手術治療がなくなることはあり得ないと思われる。しかし非手術または低侵襲の手術の領域が、美容外科診療の中に占めるウエートは毎年上がってきているのが現実である。またその治療方法も日々進化しており、それらの治療が正しい施術であれば、一定の結果が得られる。反面、充分な知識と技術なしにはトラブルの原因となり、美容外科の信用の失墜にもつながりかねない。
今回、各エキスパートの先生方に、若い医師の参考となるよう平易な文章で執筆をお願いした。形成外科の知識と経験に基づいた考え方とテクニックの実際を習得していただければと考えている。今ここに出来上がったものを読むと、執筆していただいた先生方の英知と、スパイスと、お人柄が詰まっており、何度読んでも大変意味のある素晴らしいテキストになったと思う。
なお、各解説において、あえて商品名や写真を掲載しているものがあるが、これは読者の理解を助けるための方針であり、利益相反の問題を生じないようそれぞれの著者に執筆を依頼したものである。
ご多忙の中、本書の執筆を快く引き受けていただいた各先生方、また本書の企画・出版にあたり多大なご尽力をいただいた南江堂の杉山孝男氏、倉持隆史氏、毛利聡氏に深謝いたします。
2016年3月
高柳進