看護学テキストNiCE
基礎看護技術[Web動画付]改訂第3版
看護過程のなかで技術を理解する
編集 | : 香春知永/齋藤やよい |
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ISBN | : 978-4-524-25608-2 |
発行年月 | : 2018年3月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 528 |
在庫
定価4,620円(本体4,200円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
看護技術を、単に手順として理解するのではなく、看護を具現化する方法としてとらえる視点を育てるテキスト。アセスメントから診断、計画、実施、評価まで、看護過程の展開のなかで援助技術を理解できるように構成し、各技術にはその根拠となる最新の研究的知見を提示する。事例の紹介と設問による演習で、看護技術の具体的理解とクリティカルシンキングを育む。今改訂では動画をQRコードから読み取る形式に変更したほか、Skill表の体裁も一新し、さらに使いやすくなった。
第I章 看護技術とは
A.看護技術の構造
B.看護専門職者の看護技術−インフォームド・コンセントとEBN
第II章 看護ケアのプロセスにかかわる看護技術
1.クリティカル・シンキング
A.クリティカル・シンキングとは何か
B.問題解決過程
2.看護過程
A.アセスメント
B.診断過程と看護診断
C.計画立案−目標設定と活動計画作成
D.実施
E.評価
3.記録
4.コミュニケーション
A.コミュニケーションと看護実践
B.コミュニケーションの過程
C.コミュニケーションの分類
D.専門的援助関係成立に向けたコミュニケーション
E.コミュニケーションに障害のある人々への対応
5.教育・相談
A.看護職による教育
B.看護職による相談
第III章 看護実践に統合される基本的看護技術
1.安全
A.基礎知識
B.看護実践の展開
2.感染予防
A.基礎知識
B.看護実践の展開
3.バイタルサインズ
A.体温
B.脈拍
C.呼吸
D.血圧
4.ヘルスアセスメント
A.基礎となる知識と技術
B.入院時のアセスメント
C.生活行動別アセスメント
5.与薬にかかわる技術
A.基礎知識
B.看護実践の展開
6.治療・検査にかかわる技術
A.基礎知識
B.看護実践の展開
C.各検査の実際
第IV章 基本的ニーズ充足に向けた看護技術
1.環境・衛生
A.基礎知識
B.看護実践の展開
C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習@)
2.活動・運動
A.基礎知識
B.看護実践の展開
C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習A)
3.清潔
A.基礎知識
B.看護実践の展開
C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習B)
4.呼吸
A.基礎知識
B.看護実践の展開
C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習C)
5.体温調節
A.基礎知識
B.看護実践の展開
C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習D)
6.睡眠
A.基礎知識
B.看護実践の展開
C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習E)
7.安楽
A.基礎知識
B.看護実践の展開
C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習F)
8.食事・栄養
A.基礎知識
B.看護実践の展開
C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習G)
9.体液バランス
A.基礎知識
B.看護実践の展開
C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習HI)
10.排尿
A.基礎知識
B.看護実践の展開
C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習J)
11.排便
A.基礎知識
B.看護実践の展開
C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習K)
第V章 特殊なニーズ充足に向けた看護技術
1.皮膚・粘膜の障害
A.基礎知識
B.看護実践の展開
C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習L)
2.生命の危機状態
A.基礎知識
B.看護実践の展開
C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習M)
3.悲嘆(グリーフ)
A.基礎知識
B.看護実践の展開
C.実践におけるクリティカル・シンキング(演習N)
付録
付録1 主な体位一覧
付録2 身体の関節運動と可動域
演習問題 解答への視点
索引
【動画タイトル一覧】
動画01 手洗い【1:16】 (p.99)
動画02 リネン交換(臥床患者へのベッドメーキング)【4:42】 (p.233)
動画03 体位変換(仰臥位から側臥位へ)【0:35】 (p.251,253)
動画04 注 射
A.薬剤の準備【1:39】 (p.171)
B.皮下注射【1:42】 (p.183)
C.筋肉内注射【0:53】 (p.186)
動画05 点滴静脈内注射
A.薬剤の準備【3:52】 (p.171,190)
B.刺入・滴下調整【2:00】(p.190)
動画06 採 血
A.注射器使用の場合【1:42】 (p.208)
B.滅菌真空採血管使用の場合【1:11】 (p.211)
動画07 排泄介助(便器の当て方) (p.432)
A.患者が自力で腰を上げられる場合【0:18】
B.患者が自力で腰を上げられない場合【0:24】
動画08
持続的導尿(完全閉鎖式尿道カテーテル使用の場合)【5:11】 (p.100,413,417,420)
男性の場合【0:42】 (p.418)
動画09 グリセリン浣腸【2:35】 (p.437)
動画10 口腔内吸引【1:40】 (p.311)
動画11 車椅子移乗
A.全介助法【1:06】 (p.257)
B.部分介助法(片麻痺患者の場合)【0:40】 (p.259)
動画12 口腔ケア(意識障害のある患者)【1:20】 (p.283)
動画13 包帯法 (p.460)
A.らせん帯【0:43】
B.蛇行帯【0:33】
C.麦穂帯【0:59】
D.折転帯【1:17】
はじめに
近年、社会の健康課題の多様化・複雑化にともない様々な改革が進んでいます。地域医療構想に基づく医療提供体制や地域包括ケアシステムの構築により、看護のあり方も変革がすすみ、看護職者の役割や活動の場も多様化し、拡大しています。このような社会で看護職者がその役割を遂行していくために、様々な場面で複雑な状況を判断し、課題へ対応していく看護実践能力が一層求められています。そして、専門職者としてチーム医療や多職種連携に参加することも求められています。このような看護職者の看護実践能力や専門性を発揮するため、基盤となる「看護学」の知識も研究を通して日々発展しつづけています。「看護学」という学問を基盤にすることで、看護職者は自らの実践について、根拠のあるものとして周囲に説明することができ、また、責任をもつことができます。
本書は、「看護実践の場で“生きた看護技術”を提供する基礎となる知識や技術を学習するための資源であり、技術を単なる手順ではなく、専門職者としての根拠に基づいた看護技術を理解すること」という初版からの基本的な考え方を引き続き大切にしています。しかし、この専門職の基盤となる「看護学」の知識は発展し、看護技術の土台である基礎看護技術にも反映されるため、定期的な内容の見直しが不可欠です。今後の社会の変化を見据え、看護学の最新の知識を反映し、さらにこれまで本書を活用してきた読者からの意見を参考に、学習者と教育者にとってさらに価値のある、活用しやすい資源となるようこのたびの改訂に取り組みました。
改訂第3版では、基礎看護技術を再度見直し、技術項目の追加や現在の看護学の知識から内容を精査して説明の充実を図りました。また本書の特徴でもある第III章〜第V章の看護過程にそった看護実践の展開では、初めて看護技術をまなぶ学生が理解しやすいように、アセスメント内容の表示をさらに工夫し、看護診断の表現をNANDA-Iにこだわらず問題現象がわかりやすく伝わるような表現とし、その問題現象の根拠も説明する工夫をしました。そして、アセスメントに基づいて導かれた看護診断を中核におき、目標・成果、計画立案・実施の関連づけをより明確に理解できるようにしました。
初めて看護技術をまなぶ学生が自立して学習できるよう、本書全体のレイアウトを工夫して技術項目を探しやすくし、動画もDVDから二次元バーコードによるWeb再生へと変更して学生がまなびたい技術項目へのアクセスを容易にしました。また、Skill表では、看護技術の動作のイメージがしやすいよう写真を増やし、それぞれの看護技術についての根拠、注意、ポイントを区別しながら理解できるように修正しました。
本書を手にして意見を寄せてくださった皆さま、そして今回の改訂に引き続きまたは新たに取り組んでいただいた執筆者の皆さまに深く感謝いたします。看護学生の皆さまが、本書を通して「看護学」を意識し、基礎看護技術を「根拠をもった看護実践をするための基盤としての技術」として理解して身につけることの楽しさを実感できること願っています。
2018年1月
香春知永
齋藤やよい