これでわかるピロリ除菌療法と保険適用改訂第5版
ガイドラインに基づく活用法
著 | : 高橋信一 |
---|---|
ISBN | : 978-4-524-25574-0 |
発行年月 | : 2016年11月 |
判型 | : A5 |
ページ数 | : 118 |
在庫
定価2,750円(本体2,500円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
消化管疾患には欠かせないピロリ除菌療法とその保険適用についてわかりやすく解説。今改訂では、日本ヘリコバクター学会の「H.Pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版」、新薬(ボノサップ、ボノピオン)、2016年診療報酬改定について盛り込んだ。よく見るケースのレセプトの記入例も収載。一般内科医、研修医にもオススメの一冊。
第I章 インフォームド・コンセントに最低必要なピロリ菌の基礎知識
A.なぜ長い間発見されなかったのか,命名の由来は
B.本当に高酸の胃内に生存できるのか
C.感染経路として何が考えられるのか
D.予防法はあるのか
第II章 ピロリ菌の診断・治療ガイドライン
A.なぜガイドラインが必要なのか
B.なぜ除菌するのか,疾患とのかかわり,適応疾患は
C.ピロリ菌感染診断の方法は
D.ピロリ菌の除菌法は
第III章 保険適用されたピロリ菌除菌療法の実際
A.適用疾患
B.診断法
C.除菌法
D.除菌療法後の潰瘍治療
E.保険請求の実際
第IV章 除菌療法に伴う副作用とその対策について
A.薬剤の副作用
B.薬剤耐性菌の出現
C.上部消化管粘膜障害の発生
D.その他
第V章 患者さんへの情報提供,インフォームド・コンセントの実際
A.適応
B.診断
C.治療
第VI章 専門医への紹介のポイント
第VII章 ピロリ菌除菌の保険適用「Q and A」
A.除菌の対象患者について
B.感染診断について
C.除菌治療について
D.保険算定の実際について
E.その他
付録
1.保険診療におけるH.pylori感染診断から除菌判定までの流れ
2.H.pylori除菌薬に係る薬事法承認事項(1次除菌)
3.H.pylori除菌薬に係る薬事法承認事項(2次除菌)
4.H.pylori診断法の医科診療報酬点数
参考文献
おわりに
索引
改訂第5版の序
2000年、胃潰瘍・十二指腸潰瘍に対するHelicobacter pylori除菌療法が保険適用となりました。これを受け、適正な保険算定を願い、拙著を上梓いたしましたが、それから16年が経ちました。この間、保険適用疾患や検査法、そして治療薬など、時代とともにどんどん本除菌療法が進化し、2013年にはとうとう念願の「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」が保険適用となりました。H.pyloriに感染していれば、そこには必ず胃炎が存在するわけですので、これですべてのH.pylori感染者は保険により除菌療法を受けられるようになりました。世界でも類のない素晴らしい出来事でした。
また、1994年には世界保健機関(WHO)の下部組織、国際がん研究機関(IARC)より、H.pylori感染は胃がんの原因だと報告されましたが、2012年再びH.pyloriの除菌により胃がんの発症が30〜40%減少すると報告されました。これも素晴らしいニュースでした。
これらを受け、胃がん予防のため全国で除菌療法が行われてきています。さらに胃がんの対策型検診に胃がんリスク検診(ABC検診)が各自治体に普及してきており、胃がん撲滅に向かった胃がん一次予防、二次予防が進められています。そして2016年日本ヘリコバクター学会より「H.pylori感染の診断と治療のガイドライン」が発表されました。その内容は、世界をリードするものとなっています。
このように前回の改訂第4版より、わずかの間に多くの重要な知見が出てまいりました。そこで今回本誌の改訂に着手しました。幸い南江堂のご協力をいただき、ここに完成いたしました。本書により的確な除菌療法が行われ、多くの患者さんのお役に立てることを念願しております。
著者