人体機能生理学改訂第5版
編著 | : 杉晴夫 |
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ISBN | : 978-4-524-25364-7 |
発行年月 | : 2009年11月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 662 |
在庫
定価11,000円(本体10,000円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
生理学の基礎を臨床との関連性をもたせて平易に解説した教科書。医学部生からコメディカル学生まで幅広く役立つ内容となっており、多くの支持を得て版を重ねている。大きく見やすい2色の図を多用し、章末に「まとめ」「設問」を設けて知識を整理するために役立つ構成としている。今改訂では新知見を追加し、よりup-to-dateな内容となっている。
第1章 序論
A.生理学の対象
B.生体恒常性
C.負のフィードバック
D.人体における負のフィードバックの実例
E.生理学を学ぶ意義
まとめ
設問
第2章 細胞の一般的な構造および機能
A.細胞を構成する元素
B.細胞を構成する分子
1 脂質
2 炭水化物
3 蛋白質
4 核酸
C.細胞の微細構造
1 細胞膜
2 細胞間の結合
3 核
4 小胞体
5 ゴルジ装置
6 ミトコンドリア
7 リソソーム
8 中心小体
9 細胞骨格
10 アポトーシス
まとめ
設問
第3章 細胞膜における物質輸送と信号伝達
A.細胞膜における物質の輸送
1 拡散
2 細胞膜の透過性
3 リン脂質の2分子層を通過する物質の拡散
4 細胞膜の輸送蛋白質を通過する物質の拡散
5 能動輸送
6 浸透
B.細胞膜における受容体による信号の伝達
1 イオンチャネル型受容体
2 G蛋白質共役型受容体
3 触媒型受容体
まとめ
設問
第4章 細胞膜の興奮
A.イオンの電気化学的平衡
1 半透膜による正負の荷電の分離
2 イオンの濃淡電池
3 マクスウェルの悪魔
4 イオンの平衡電位
5 ドナン平衡
B.細胞内微小電極による細胞膜電位の測定
1 細胞膜内外のイオン分布
2 細胞内微小電極
3 陰極線オシロスコープ
4 生理的塩類溶液
5 細胞膜の静止電位とその成因
6 Na+ポンプによる静止電位の維持
C.細胞膜の電気的性質
1 膜抵抗と膜容量
2 容量性電流とイオン電流
3 細胞膜の整流作用
4 長さ定数
D.細胞膜の活動電位
1 活動電位の発生
2 活動電位の性質
3 電圧固定法
4 活動電位発生時のイオン透過性の変化
5 Na+チャネルとK+チャネル
6 Na+チャネルの開閉機構
7 活動電位の発生機構のまとめ
8 パッチクランプ法
9 活動電位の伝導
E.興奮性とその変化
1 神経筋試料
2 刺激と反応との関係
3 強さ-期間曲線
4 順応作用
5 不応期
まとめ
設問
第5章 筋肉の収縮
A.骨格筋の構造
1 筋節と筋フィラメント
2 太いフィラメント
3 細いフィラメント
4 筋小胞体と横行小管系
B.筋収縮の滑り機構
C.骨格筋収縮の分子機構
1 アクチン-ミオシン間の化学反応
2 筋フィラメントの滑りを起こすクロスブリッジの運動
3 ATP加水分解をともなうクロスブリッジストロークの実測
4 Ca2+による収縮-弛緩の調節
D.骨格筋の興奮収縮連関
1 骨格筋の活動電位
2 膜電位と収縮との関係
3 横行小管系の働き
4 筋小胞体からのCa2+放出機構
E.骨格筋の力学的性質
1 収縮の記録法
2 単収縮と強縮
3 骨格筋の力学的模型
4 長さ-張力曲線
5 荷重-速度曲線
6 骨格筋の仕事と熱発生
7 階段現象と疲労
8 活動電位をともなわない収縮
F.骨格筋と心筋、平滑筋との比較
1 構造および力学的性質
2 興奮収縮連関
まとめ
設問
第6章 神経の興奮伝達
A.神経細胞
1 ニューロン
2 神経線維の構造
3 髄鞘
B.活動電位の伝導
1 興奮伝導の特徴
2 興奮伝導の機序──局所電流
3 活動電位の記録
4 興奮伝導の解析
5 有髄神経線維の興奮伝導
C.神経線維の種類と活動電位の波形分離
1 神経線維束の活動電位
2 活動電位の波形分離
3 神経線維の種類
D.体積導体中の活動電位
1 体積導体
2 電気二重層
3 興奮伝導の電気二重層モデル
4 活動電位の経過
E.軸索内輸送
1 圧迫実験とアイソトープ実験
2 順行性輸送と逆行性輸送、高速輸送と低速輸送
3 軸索内輸送の機序と意義
F.神経線維の変性と再生
まとめ
設問
第7章 興奮の伝達と抑制
A.シナプス伝達の概要
1 シナプスにおける化学伝達
2 シナプス伝達の主過程
B.神経筋伝達
1 神経筋接合部
2 終板電位
3 アセチルコリンの放出と素量説
4 アセチルコリンの代謝
5 薬物または毒物
6 重症筋無力症
C.化学的シナプス
1 シナプスの種類
2 興奮性シナプス
3 シナプス伝達の特徴
4 抑制性シナプス
5 シナプスの可塑性
D.神経伝達物質
1 神経伝達物質の種類
2 個々の伝達物質
3 輸送体(トランスポーター)
E.神経伝達物質受容体
1 伝達物質受容体の分類
2 イオンチャネル型受容体の種類と機能
3 G蛋白質共役型受容体による細胞内情報伝達
4 G蛋白質共役型受容体の種類と機能
F.電気的シナプス
まとめ
設問
第8章 運動と姿勢の制御
A.運動単位
1 神経支配比
2 最終共通路
3 速筋と遅筋
4 筋電図
5 誘発筋電図
B.脊髄
1 脊髄の構造
2 反射弓
C.脊髄反射
1 筋紡錘と腱器官
2 伸張反射
3 ガンマ運動神経線維の機能
4 相反抑制
5 単シナプス反射と多シナプス反射
6 屈曲反射
7 反回抑制
8 自原性抑制
9 アルファ系とガンマ系
10 髄節反射
11 髄節間反射
D.固縮と痙縮
1 固縮
2 痙縮
3 ガンマ固縮とアルファ固縮
E.脊髄の損傷
1 脊髄ショック
2 ブラウン-セカール症候群
F.脊髄と自律神経系
G.脳幹
1 脳幹の構造
2 中脳
3 除脳
4 前庭神経核と運動反射
5 脳幹の自律神経中枢
6 脳幹網様体
H.小脳
1 小脳の構造
2 小脳皮質
3 小脳皮質回路
4 小脳の機能
5 小脳機能障害の病態生理
6 小脳の機能局在
I.大脳基底核
1 大脳基底核の構造
2 大脳基底核の入力部
3 大脳基底核の出力部
4 大脳基底核と伝達物質
5 大脳基底核の臨床
J.視床
K.大脳皮質
1 大脳皮質運動野
2 一次運動野
3 補足運動野
4 運動前野
5 その他の大脳皮質運動系
6 準備電位
まとめ
設問
第9章 脳の総合機能
大脳皮質
1 大脳皮質の構造
2 大脳皮質の区分と機能局在
3 連合野
4 大脳辺縁系
5 脳機能イメージング
6 睡眠
7 学習と記憶
8 言語中枢
まとめ
設問
第10章 感覚と知覚
A.感覚総論
1 はじめに
2 刺激の種類
3 受容器における信号変換
B.体性感覚
1 体性感覚とは
2 皮膚感覚
3 触、圧覚
4 温度覚
5 痛覚
6 深部感覚
7 神経の伝導速度
8 体性感覚の伝導路
9 脊髄後角における情報処理
10 体性感覚中枢
11 一次体性感覚野における皮膚感覚、深部感覚の情報処理
12 触覚認識の中枢はどこにあるか
13 手指運動の熟練と体性感覚野
C.痛覚
1 痛みとは何か
2 痛みの受容器
3 発痛物質と痛覚過敏
4 内臓痛
5 内臓痛の径路
6 痛覚の内因性抑制系
7 痛覚の中枢はどこか
8 関連痛
9 慢性痛
10 灼熱痛、幻肢痛
D.内臓感覚
1 飢餓感
2 渇き
3 悪心
4 尿意
5 便意
6 性感
7 その他
E.嗅覚
1 嗅覚系の構造
2 嗅覚受容機構
3 嗅覚における匂い識別
4 嗅覚の高次機構
F.味覚
1 味覚系の構造
2 味覚受容機構と味の識別
3 味覚の高次機構
G.平衡感覚
1 平衡感覚(前庭感覚)
2 半規管と耳石器
3 有毛細胞と支配神経
4 前庭神経と中枢経路
H.聴覚
1 聴力曲線と音の性質
2 聴覚器の構造
3 内耳
4 蝸牛電位
5 聴神経(蝸牛神経)とその応答
6 聴覚中枢
7 聴覚経路の遠心系
8 音の空間知覚(両耳聴覚)
9 病態生理
I.視覚
1 眼球の光学系
2 網膜の構造
3 中心窩
4 視細胞における光受容機構
5 網膜内視覚情報処理機構
6 光感受性神経節細胞と概日リズム
7 視覚伝導路と外側膝状体
8 大脳皮質視覚野における情報処理
9 一次視覚野の細胞構築:柱状構造
10 高次脳機能における視覚情報
11 左右の眼から入った視覚入力の融合
12 色覚
13 視覚系の発達と可塑性
まとめ
設問
第11章 自律機能と本能行動
A.自律神経系の構成と支配様式
1 自律性
2 二重支配
3 拮抗的支配
4 緊張性支配
5 相反的支配
B.自律神経系による臓器支配
1 交感神経系
2 副交感神経系
3 内臓性感覚神経
C.自律神経反射
1 内臓-内臓反射
2 体性-内臓反射
3 内臓-体性反射
4 軸索反射
D.自律神経の伝達物質
1 自律神経節における興奮伝達
2 節後線維終末膨大部における興奮伝達
E.カテコールアミン
1 カテコールアミンの生合成
2 カテコールアミンの作用
3 カテコールアミンの受容体と生理作用
F.視床
1 視床の区分
2 視床の機能
3 視床の病態生理
G.視床下部
1 視床下部の区分
2 視床下部の線維連絡
3 視床下部の機能
まとめ
設問
第12章 血液
A.血液の一般的性質
1 血液の成分
2 血液の量
3 比重、粘性、pH
4 血液の浸透圧
5 赤血球沈降速度
B.赤血球
1 形態と数
2 赤血球の新生
3 赤血球の代謝
4 赤血球の生成と崩壊
C.ヘモグロビン
1 ヘモグロビンの構造
2 ヘモグロビンと酸素との結合
3 特殊なヘモグロビン
4 異常ヘモグロビン
5 ヘモグロビンの分解
6 黄疸
7 溶血
D.鉄と赤血球
1 鉄の吸収
2 鉄の輸送
3 鉄の需要
4 鉄の回転
E.貧血と多血
1 赤血球の諸数値
2 貧血の成因と型
3 多血症
F.白血球
1 白血球の分類
2 白血球の生成と消滅
3 食細胞群白血球の機能
4 リンパ球の機能
G.液性免疫と細胞性免疫
1 抗原
2 抗体
3 補体
4 リンパ球の2つの型
5 液性免疫
6 細胞性免疫
7 リンホカインとサイトカイン
8 アレルギー
H.血液凝固
1 血液凝固の機序
2 凝固阻止剤
I.血小板
1 血小板とは
2 止血
J.血漿蛋白
1 血漿蛋白の種類と量
2 血漿蛋白の生理作用
3 免疫グロブリン
4 血漿蛋白の生成と崩壊
K.血液型
1 ABO血液型
2 Rh血液型
まとめ
設問
第13章 呼吸
A.呼吸と呼吸器
1 呼吸とは
2 呼吸器
3 肺の機能
4 呼吸生理学における記号
B.呼吸運動
1 呼吸筋
2 呼吸運動
3 呼吸数
C.肺気量
1 スパイロメトリー
2 肺気量分画
D.換気
1 肺と胸郭のコンプライアンス
2 気道抵抗
3 気道抵抗の分布
4 気道抵抗に影響する生理的要因
5 努力性呼息と気道抵抗
6 死腔
7 死腔量の測定
8 肺胞換気量
9 不均等換気
E.呼吸気の組成
1 呼吸気の組成
2 血液ガス
3 肺におけるガス交換
4 換気と血流の関係
5 血液によるガスの運搬
6 酸塩基平衡
F.肺循環
1 肺血管抵抗の調節機構
G.呼吸の調節機構
1 呼吸中枢
2 化学(的)調節
H.呼吸の型
I.特殊条件下の呼吸
1 酸素中毒症
2 低酸素症
まとめ
設問
第14章 心臓
A.心臓の構造と機能
1 4つの部屋と4つの弁
2 心臓を構成する筋肉群
3 心筋の微細構造
B.心筋の静止膜電位および活動電位
1 静止膜電位
2 活動電位
C.心電図
1 心電図の12誘導
2 典型的な心電図波形
3 心電図波形の成因
4 心臓内興奮伝播と心電図
5 異常心電図
D.心臓のポンプ機能
1 心筋の興奮収縮連関
2 心筋の機械的性質
3 心周期
4 心拍出量
5 心臓の仕事
まとめ
設問
第15章 循環
A.循環系の構造と機能
1 循環系の概念の確立
2 循環系の新しい概念
3 循環系の構成と血液分布
4 血管の構造
B.血行力学
1 血流・血圧と血管抵抗
2 血流の運動力学
3 ずり応力と壁張力
4 ヘマトクリット値と粘性
5 レイノルズ数と乱流
6 ラプラスの法則と壁張力
7 臨界閉鎖圧
8 血管の圧-容量関係
C.血流
1 血流の定義
2 血流の測定法
D.血圧
1 血圧の定義
2 循環の各部位の血圧
3 重力の血圧に及ぼす影響
4 血圧の測定
5 動脈圧脈波
6 静脈還流
7 毛細血管の濾過と再吸収
8 リンパ系
E.循環の調節
1 循環の局所調節
2 循環の全身的調節
F.特殊循環とその調節
1 脳循環
2 冠循環
3 内臓循環
4 骨格筋循環
5 皮膚循環
6 胎児循環
まとめ
設問
第16章 消化と吸収
A.消化・吸収の概要
B.消化管の運動の一般的性質
1 基本的な構造
2 腸管平滑筋の特徴
3 消化管運動の調節
C.口腔における運動
1 咀嚼
2 吸引
D.咽頭および喉頭における運動
1 嚥下運動
2 嚥下中枢
E.胃における運動
1 蠕動運動
2 胃の運動の調節
3 飢餓収縮
4 胃の病態生理
F.小腸における運動
1 蠕動運動
2 分節運動
3 絨毛および微絨毛による運動
4 小腸運動の調節
G.大腸における運動
1 蠕動運動
2 分節運動
3 大腸運動の調節
4 排便
H.消化液の生理機能
1 消化液の分泌と一般性状
2 唾液の分泌
3 胃液の分泌
4 膵液および胆汁の分泌
5 腸液の分泌
I.吸収
1 小腸粘膜の構造
2 吸収のしくみ
3 3大栄養素の吸収
J.消化管ホルモン
まとめ
設問
第17章 栄養と代謝
A.栄養
1 糖質(炭水化物)
2 脂質
3 蛋白質
4 ビタミン
5 無機質
B.代謝とは
1 異化作用と同化作用
2 高エネルギーリン酸化合物
3 低エネルギーリン酸化合物
C.糖質の代謝
1 解糖
2 クエン酸回路
3 呼吸鎖
4 F0F1ATP合成酵素複合体
5 糖質の合成
6 糖質から脂肪への変換(共通代謝経路)
D.脂質の代謝
1 グリセロールの分解
2 脂肪酸の分解
3 ケトン体の生成
4 血漿リポ蛋白
E.蛋白質の代謝
1 蛋白質の分解
2 蛋白質の代謝
F.エネルギー代謝
1 食物の熱量測定
2 エネルギー代謝量の測定
G.基礎代謝
H.エネルギー代謝率
I.運動時のエネルギー供給
1 クレアチンリン酸機構
2 乳酸性機構
3 好気性エネルギー産生機構
4 運動時のATP産生機構の利用
5 酸素負債
6 糖質と脂質の利用比率
7 運動負荷による身体機能の増進
8 筋肉における蛋白質の分解
まとめ
設問
第18章 尿の生成と排泄
A.排泄系
B.腎臓の機能的構造
1 ネフロン
2 腎臓の血管系と神経系
3 糸球体の構造
C.尿生成の機序と調節
1 糸球体での濾過作用
2 尿細管の働き
3 尿の濃縮機構
D.腎臓から分泌されるホルモン
1 レニン
2 エリスロポエチン
E.尿管・膀胱および尿道の働き
1 尿管の働き
2 膀胱の働き
3 尿道
F.尿の成分と性状
1 尿量と排尿回数
2 尿の成分
3 尿のpH、比重、色調、および清濁
まとめ
設問
第19章 体温とその調節
A.体温の維持
B.正常体温
C.体熱の平衡
1 体熱の産生
D.体熱の放散
1 輻射
2 伝導
3 対流
4 蒸発
5 発汗
E.体温調節系
1 温度受容器
2 体温調節中枢
3 寒冷および暑熱に対する生体反応
F.体温の異常
1 高体温
2 低体温
3 熱中症
まとめ
設問
第20章 内分泌
A.序論
1 ホルモンと内分泌の概念
2 ホルモンによる情報伝達
B.ホルモンと内分泌腺の種類
C.ホルモンの合成と放出
1 カテコールアミン
2 ペプチドホルモン
3 ステロイドホルモン
4 エイコサノイド
D.ホルモンの分泌調節機構
1 フィードバック調節の原理
2 単純なフィードバック調節系
3 複雑なフィードバック調節系
4 神経性調節
5 ホルモン分泌のリズム
6 生物時計と概日リズム
E.ホルモンの作用機序:受容体(レセプター)
1 細胞膜受容体
2 細胞内受容体
3 受容体の調節
4 ホルモン作用の異常
F.視床下部-下垂体系のホルモン
1 視床下部-下垂体系の構造
2 視床下部ホルモンと神経ペプチド
3 下垂体前葉ホルモン
4 下垂体中葉ホルモン
5 下垂体後葉ホルモン
G.甲状腺ホルモン
1 甲状腺の構造
2 合成と分泌
3 分泌調節機構
4 ヨウ素代謝
5 生理作用
6 分泌異常
H.カルシウム代謝の内分泌性調節
1 Ca代謝の概要
2 パラソルモン
3 カルシトニン
4 ビタミンD
5 Ca代謝に影響するその他のホルモン
I.副腎皮質ホルモン
1 副腎の構造
2 コルチコイドの合成
3 糖質コルチコイド
4 鉱質コルチコイド(電解質コルチコイド)
5 副腎アンドロゲン
6 副腎皮質ホルモンの分泌異常
J.副腎髄質ホルモン
1 生理作用
2 分泌調節機構
K.膵臓のホルモンと糖代謝
1 ランゲルハンス島
2 インスリン
3 グルカゴン
4 ソマトスタチン
5 膵臓ホルモンの分泌調節
6 糖代謝に関係するその他のホルモン
7 糖尿病
L.消化管ホルモン
1 ガストリン
2 セクレチン
3 コレシストキニン
4 血管作動性腸ペプチド
5 胃抑制ペプチド
M.心房性ナトリウム利尿ペプチド
N.松果体ホルモン
O.プロスタグランジンなどのエイコサノイド
P.異所性ホルモン産生腫瘍
Q.内分泌撹乱物質
まとめ
設問
第21章 生殖
A.性分化
1 胎生期の性分化の概要
2 性分化の機構
3 性分化の異常
4 脳の性分化
5 思春期
B.男性生殖生理
1 男性生殖器系の構造
2 精巣の内分泌機能
3 精子形成
4 精液
5 勃起と射精
C.女性生殖生理
1 女性生殖器系の構造
2 卵巣の内分泌機能
3 排卵周期(月経周期、発情周期、性周期)
4 排卵周期の内分泌性調節
5 周期性排卵の中枢機序
6 妊娠
7 分娩
8 授乳
9 閉経と更年期
まとめ
設問
参考図書
索引
生理学は医学部、歯学部、薬学部のみならず、近年多くの学校法人に新設されているコメデイカル諸学部のカリキュラムの基幹となる学問である。したがってこれらの学部に学ぶ学生諸君が生理学の知識を理解し身に付けることが、将来それぞれの専門分野で活躍し大成するのに不可欠である。しかし生理学の知識の体系は、年々新しい知見が加えられて膨大になっており、学生諸君はともすれば知識の洪水に圧倒され、学習内容を咀嚼する余裕がないまま、教科書の記述の丸暗記に走りがちである。
1985年に出版された本書の初版は、当時の文部省の方針により多数の医学部、医科大学が全国各所に新設された際、これらの教育機関に於いて生理学の講義を担当した新進気鋭の人々が集まり、上記の学生諸君の悩みを解決するために執筆したのであった。この際何度も編集会議を開き、互いに原稿と図・表を持ち寄って議論を重ねた。執筆の基本方針は、「平易な記述と大きく分かりやすい図・表」であった。幸い本書は多くの学生諸君に愛読され、初版発行から四半世紀を経た現在にいたるまで増刷と改訂を繰り返してきた。このことは初版以来本書を編集してきた筆者の深く喜びとするところであり、これまで本書の執筆に尽力された、松村幹郎、上山章光、渡部士郎、中野昭一、斎藤望、新井康允、岩村吉晃の諸先生に心から深い感謝を捧げる次第である。
本書はこのたびの改訂に際しても、執筆者のご協力により「総頁数を殆ど変えずに最新の知見を取り入れ内容を一新する」という困難を克服することができた。これは本書の新版を旧版と比較されれば明らかである。例えば本書の第二章では最近明らかにされた、生命現象を根底から支えるNa+ポンプ(Na+−K+ATPase)の構造とはたらきを収録した。また第十七章ではクエン酸回路と呼吸鎖(電子伝達系)の説明を分かりやすいものに改め、第二十章では今や常識になりつつある生物時計の記述を加えた。これらの他にも、本書の随所に新知見の記述や本文や図・表の追加、訂正が行われている。
本書で生理学を学ばれる学生諸君は、各章末尾の“まとめ”と“設問”を活用し、生理学の基礎となる考え方と、各分野の知識の体系を把握していただきたい。これに成功すれば、生理学の学習は楽しいものとなり、もはや“頭痛のたね”ではなくなるのである。本書が旧版と同じく学生諸君の良き伴侶となることを願ってやまない。
平成21年11月
編集者
杉晴夫