これでわかる危険な不整脈の診かたと治療
心臓突然死を予防するノウハウを知る
著 | : 池田隆徳 |
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ISBN | : 978-4-524-25303-6 |
発行年月 | : 2008年9月 |
判型 | : A5 |
ページ数 | : 188 |
在庫
定価3,300円(本体3,000円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
不整脈を専門とする著者が、一般臨床医・開業医に向けて、危険な不整脈による心臓突然死の予知・予防のための診断・治療の実際やそのテクニックをわかりやすく解説。診察のポイント、心電図の見方、検査の進め方、リスク評価のための指標と活用法、薬物療法と侵襲的治療法、AEDの使い方を中心とした救命処置といった、すぐに役立つ知識がつまった一冊。
危険な不整脈の治療に使用される主な薬物一覧
I 心臓突然死の実態
II 不整脈を理解する
III 危険な不整脈とは
IV 原因となる心疾患を知る
V 診察のポイント
VI 心電図の読み方
VII 検査の進めかた
VIII リスク評価に有用な指標
IX リスク層別化の実際
X 薬物治療の意義
XI III群抗不整脈薬の使いかた
XII ICDおよび他の侵襲的治療の適応と実際
XIII 緊急時の救命蘇生法
XIV 専門医に紹介するタイミング
「不整脈」が心臓突然死の原因として最も多いことが。マスコミでも取り上げられるようになりました。それによって、一般の方々も含めて不整脈について関心を抱いている人が増えています。数年前に皇室の方が突然に心臓死で亡くなられたことがきっかけになったのかもしれません。私のところにも、「健診で不整脈を指摘されましたが大丈夫ですか?」と受診してくる患者さんが増えています。地域医療に貢献している実地医家の先生のところも同じような状況かと思われます。
患者さんに一枚の心電図を持たせ、「この不整脈は危険ですか?」、「この不整脈は放置してもよいですか?」と、紹介してくださる先生方もいます。どのような不整脈が心臓突然死の原因となるのか、どういった場合に薬物治療あるいは植込み型除細動器(lCD)の適応とすべきか、こういったことを実地医家の先生方が知りたがっているように感じられます。近年、心臓突然死の疫学調査が地域ごとに行われるようになり、想像されていた以上に心臓突然死の発生件数が多いことがわかり、身近な問題としてとらえるようになったためと思われます。
このような状況のなか、2005年11月に日本循環器学会から、2006年9月には欧米の学会から致死性不整脈の管理と突然死の予防のガイドラインが出され、危険な不整脈を見分けて、どのようにして心臓突然死を予知・予防したらよいかの道筋がある程度示されるようになりました。また。2005年11月に救命蘇生法に関するガイドラインが改訂され、救命治療の実際的なしかたが細かく示されました。これに伴って、一般市民が使用できるAED(自動体外式除細動器)によるBLS(一次救命処置)の普及活動が各地で行われており、心臓突然死予防に向けての社会的な呼び掛けも行われるようになってきました。このように心臓突然死に対する取り組みは着々と進んできています。
そこで。今回、心臓突然死の予防を念頭に置いた危険な不整脈の診かたと治療をテーマに、一般内科医・開業医、そして医療関連スタッフを読者対象にした書籍を南江堂と企画しました。本書は危険な不整脈の見分け方から診断、治療、そして専門医へ紹介するタイミング、また心臓突然死をきたす疾患の解説、さらには救命処置のしかたなどをガイドラインに治って解説し、心臓突然死をどのようにしたら予防できるかがわかるようになっています。是非、本書を診療の傍らに置き。診療に役立てて頂ければと思っております。
2008年8月
池田隆徳