ここが知りたかった薬局で気づく疾患シグナル
見分け方とつなぎ方
監修 | : 石橋幸滋 |
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編集 | : 坂口眞弓 |
ISBN | : 978-4-524-25195-7 |
発行年月 | : 2018年3月 |
判型 | : A5 |
ページ数 | : 264 |
在庫
定価3,520円(本体3,200円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
保険薬剤師が来局者の『疾患シグナル』(お金を支払うときに、お札ばかり出して、お財布の中には小銭がいっぱい、など)を認識し、適切に対処できるよう、症例を用いて解説。また、来局者の『疾患シグナル』に対して、OTC医薬品を活用する例と医療機関につなげる例を対比して解説。いずれも、ベテラン薬剤師・新米薬剤師・患者の会話形式で、『疾患シグナル』の聴き取りや情報提供のコツがよくわかる1冊。
第I部 関連機関につなぐ
1 薬を失くしたといって度々もらいにくる
CASE Mさん 78歳 女性
Step1 患者さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう
Step3 患者さんの症状を把握しよう
Step4 薬局から専門機関につなげよう
2 よく転ぶ
CASE Tさん 73歳 男性
Step1 患者さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう
Step3 患者さんの症状を把握しよう
Step4 薬局から専門機関につなげよう
3 ものがみえづらい
CASE Yさん 71歳 女性
Step1 患者さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう
Step3 患者さんの症状を把握しよう
Step4 薬局から専門機関につなげよう
4 頭が痛い
CASE Tさん 28歳 女性
Step1 患者さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう
Step3 患者さんの症状を把握しよう
Step4 薬局から専門機関につなげよう
5 少し歩くと息切れがする
CASE Tさん 68歳 男性
Step1 患者さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう
Step3 患者さんの症状を把握しよう
Step4 薬局から専門機関につなげよう
6 肌にピリピリした痛みがある
CASE Bさん 60歳 女性
Step1 患者さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう
Step3 患者さんの症状を把握しよう
Step4 薬局から専門機関につなげよう
7 足が冷える
CASE Nさん 63歳 男性
Step1 患者さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう
Step3 患者さんの症状を把握しよう
Step4 薬局から専門機関につなげよう
8 ドキドキする
CASE Sさん 51歳 女性
Step1 患者さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう
Step3 患者さんの症状を把握しよう
Step4 薬局から専門機関につなげよう
9 眠れない
CASE Yさん 75歳 女性
Step1 患者さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう
Step3 患者さんの症状を把握しよう
Step4 薬局から専門機関につなげよう
10 おしっこが出ない
CASE Jさん 78歳 男性
Step1 患者さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう
Step3 患者さんの症状を把握しよう
Step4 薬局から専門機関につなげよう
第II部 OTC医薬品につなぐ
1 胃が痛い
CASE1 Nさん 27歳 女性
Step1 お客さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(1)−鑑別のポイント
Step3 お客さんの症状を把握しよう
Step4 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(2)−OTC医薬品を選ぶポイント
Step5 OTC医薬品につなげよう
CASE2 Yさん 52歳 男性
Step1 お客さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(1)−鑑別のポイント
Step3 お客さんの症状を把握しよう
Step4 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(2)−受診勧奨を見極めるポイント
Step5 薬局から専門機関につなげよう
2 便秘
CASE1 Kさん 83歳 男性
Step1 お客さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(1)−鑑別のポイント
Step3 お客さんの症状を把握しよう
Step4 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(2)−OTC医薬品を選ぶポイント
Step5 OTC医薬品につなげよう
CASE2 Oさん 78歳 男性
Step1 お客さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(1)−鑑別のポイント
Step3 お客さんの症状を把握しよう
Step4 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(2)−受診勧奨を見極めるポイント
Step5 薬局から専門機関につなげよう
3 下痢
CASE1 Hさん 34歳 女性
Step1 お客さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(1)−鑑別のポイント
Step3 お客さんの症状を把握しよう
Step4 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(2)−OTC医薬品を選ぶポイント
Step5 OTC医薬品につなげよう
CASE2 Mさん 31歳 男性
Step1 お客さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(1)−鑑別のポイント
Step3 お客さんの症状を把握しよう
Step4 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(2)−受診勧奨を見極めるポイント
Step5 薬局から専門機関につなげよう
4 のどが痛い
CASE1 Mさん 45歳 女性
Step1 お客さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(1)−鑑別のポイント
Step3 お客さんの症状を把握しよう
Step4 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(2)−OTC医薬品を選ぶポイント
Step5 OTC医薬品につなげよう
CASE2 Sさん 58歳 男性
Step1 お客さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(1)−鑑別のポイント
Step3 お客さんの症状を把握しよう
Step4 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(2)−受診勧奨を見極めるポイント
Step5 薬局から専門機関につなげよう
5 生理痛
CASE1 Mさん 20歳台 女性
Step1 お客さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(1)−鑑別のポイント
Step3 お客さんの症状を把握しよう
Step4 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(2)−OTC医薬品を選ぶポイント
Step5 OTC医薬品につなげよう
CASE2 Sさん 27歳 女性
Step1 お客さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(1)−鑑別のポイント
Step3 お客さんの症状を把握しよう
Step4 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(2)−受診勧奨を見極めるポイント
Step5 薬局から専門機関につなげよう
6 水虫
CASE1 Nさん 48歳 男性
Step1 お客さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(1)−鑑別のポイント
Step3 お客さんの症状を把握しよう
Step4 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(2)−OTC医薬品を選ぶポイント
Step5 OTC医薬品につなげよう
CASE2 Aさん 62歳 男性
Step1 お客さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(1)−鑑別のポイント
Step3 お客さんの症状を把握しよう
Step4 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(2)−受診勧奨を見極めるポイント
Step5 薬局から専門機関につなげよう
7 腰が痛い
CASE1 Sさん 39歳 男性
Step1 お客さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(1)−鑑別のポイント
Step3 お客さんの症状を把握しよう
Step4 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(2)−OTC医薬品を選ぶポイント
Step5 OTC医薬品につなげよう
CASE2 Uさん 62歳 男性
Step1 お客さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(1)−鑑別のポイント
Step3 お客さんの症状を把握しよう
Step4 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(2)−受診勧奨を見極めるポイント
Step5 薬局から専門機関につなげよう
8 鼻水が出る
CASE1 Hさん 32歳 男性
Step1 お客さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(1)−鑑別のポイント
Step3 お客さんの症状を把握しよう
Step4 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(2)−OTC医薬品を選ぶポイント
Step5 OTC医薬品につなげよう
CASE2 Sさん 49歳 男性
Step1 お客さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(1)−鑑別のポイント
Step3 お客さんの症状を把握しよう
Step4 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(2)−受診勧奨を見極めるポイント
Step5 薬局から専門機関につなげよう
9 目が疲れる
CASE1 Nさん 40歳台 男性
Step1 お客さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(1)−鑑別のポイント
Step3 お客さんの症状を把握しよう
Step4 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(2)−OTC医薬品を選ぶポイント
Step5 OTC医薬品につなげよう
CASE2 Tさん 64歳 女性
Step1 お客さんのシグナルを聴き出そう
Step2 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(1)−鑑別のポイント
Step3 お客さんの症状を把握しよう
Step4 ベテランのアドバイスを聞いてみよう(2)−受診勧奨を見極めるポイント
Step5 薬局から専門機関につなげよう
第III部 薬剤師が知っておくべき知識
1 救急対応に必要なバイタルサイン
2 フレイル
3 そらの薬局OTC医薬品 品揃えチェックリスト
索引
序文
超高齢社会を迎え、医療の高度化や医薬分業の進展などにより、薬局および薬剤師を取り巻く環境は大きく変化しています。
2013年6月14日に閣議決定された日本再興戦略1)や、2014年1月21日に厚生労働省医薬食品局総務課より公表された「薬局の求められる機能とあるべき姿」2)で、地域に密着した健康情報の拠点としての役割が、薬局に求められました。そして、2015年9月24日に「健康サポート薬局」という新しい薬局の姿が、厚生労働省から報告3)され、2016年10月に届け出が始まりました。
「健康サポート薬局」とは、かかりつけ薬局の基本的な機能を備えた薬局のうち、地域住民による主体的な健康の維持・増進を積極的に支援する健康サポート機能を併せ持つ薬局です。身体的な業務として、医薬品などの安全かつ適正な使用に関する助言、健康の維持・増進に関する相談、必要に応じ適切な専門職種や関係機関に紹介することなどが挙げられています。
薬局には、病気の方、健康に不安を感じていらっしゃる方をはじめ、おしゃべりを楽しみにきてくださる方もいらっしゃいます。さまざまな方との対応の中、『疾患シグナル』に気づくことが往々にしてあります。「最近お金を支払うときに、お札ばかりを出してお財布の中には小銭がいっぱいだけど…」「鎮痛薬を購入される頻度が多いような気がするけど…」などの『疾患シグナル』に気づいたら、適切な専門職種や関係機関につないで、早期の治療や対策を開始して欲しいと思います。
これからの薬局・薬剤師は、医師とパートナーを組み、地域の医療チームの中で、患者に寄り添う適切な医療を提供するだけでなく、地域住民の健康の見張り番、地域の関係機関とのつなぎ役として、役割を発揮することが必要です。
筆者の薬局の理念は、「地域住民が住み慣れた街で最期まで楽しく暮らすことを応援する」です。気軽に相談できる、『疾患シグナル』に気づける、専門職種や関係機関につなげることができる薬剤師になりたいと努力しています。
本書では、薬局で気づく『疾患シグナル』と、その対応、薬局から関係機関への紹介状の記載方法などをまとめました。本書を活用いただき、地域で信頼される薬剤師を目指していただきたいと切に願います。
2018年3月
坂口眞弓