シンプル理学療法学シリーズ
物理療法学テキスト改訂第3版
監修 | : 細田多穂 |
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編集 | : 木村貞治/沖田実/Goh Ah Cheng |
ISBN | : 978-4-524-25179-7 |
発行年月 | : 2021年1月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 424 |
在庫
定価5,500円(本体5,000円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
今改訂では各種物理療法の生物学的効果、生理学的効果、臨床効果を踏まえたうえでクリニカルリーズニングを行う力を養えるように構成を見直した。エネルギーの種類(国際物理療法学会の分類に準拠)、使用するデバイス、運用方法、効果、エビデンスなどの情報を階層的な枠組みで整理し、系統的な理解を促す。紙面のフルカラー化、最新の知見を取り込んで全体をアップデート。
第1章 物理療法概論
1-1 物理療法学の概要
1-2 物理療法の適応と禁忌坂本淳哉
1-3 物理療法におけるクリニカルリーズニングの考え方と進め方
1-4 物理療法における評価
第2章 熱(温熱/寒冷)エネルギー
2-1 熱(温熱/寒冷)エネルギーとは
2-2 温熱[L1-1]
2-2-1 パラフィン[L1-1-1]
2-2-2 ヒートパック[L1-1-2]
2-2-3 渦流浴[L1-1-3]
2-2-4 温泉療法[L1-1-4]
2-2-5 温熱エネルギーを利用した物理療法の実習方法の一例
2-3 寒冷[L1-2]
2-3-1 コールドパック[L1-2-1]
2-3-2 冷水浴(伝導)[L1-2-2]
2-3-3 コールドスプレー[L1-2-5]
2-3-4 アイスマッサージ/ストローキング[L1-2-6]
2-3-5 寒冷エネルギーを利用した物理療法の実習方法の一例
2-4 温冷交互[L1-3]
2-4-1 交代浴[L1-3-1]
第3章 電磁エネルギー
3-1 電磁エネルギーとは[L2]
3-2 電気エネルギー[L2-1]
3-2-1 経皮的電気神経刺激(TENS)[L2-1]
3-2-2 神経筋電気刺激(NMES)[L2-1]
3-2-3 電気エネルギーを利用した物理療法の実習方法の一例
3-3 磁気エネルギー[L2-2]
3-4 ラジオ波[L2-3]
3-4-1 超短波[L2-3-1]
3-5 マイクロ波[L2-4]
3-6 赤外線[L2-5]
3-7 可視光線[L2-6]
3-7-1 レーザー[L2-6-1]
3-8 紫外線[L2-7]
3-9 電磁エネルギーを利用した物理療法の実習方法の一例
第4章 力学的エネルギー
4-1 力学的エネルギーとは[L3]
4-2 超音波[L3-1-1]
4-3 振動基盤型療法[L3-2]
4-4 間欠的(パルス)空気圧迫装置[L3-3-1]
4-5 牽引[L3-4-1]
4-6 力学的エネルギーを利用した物理療法の実習方法の二例
第5章 物理療法の展望
5-1 新しい物理療法の流れ
Appendix
A-1 CPM療法
A-2 水治療
参考文献
学習到達度自己評価問題の解答
索引
改訂第3版の序
人々が、日常生活活動、労働活動、スポーツ活動、趣味活動などを通して、その人らしい生活を送っていくためには、自身の意思に基づいて、できるだけ苦痛なく、そして、円滑に動作や運動を遂行していくことが重要となる。理学療法の臨床場面では、神経疾患や運動器疾患などの疾病や外傷によって合目的的な動作や、それらを構成する要素的な運動に何らかの障害を有する方々を主たる対象としている。そこで、運動療法によって、合目的的な動作や要素的な運動に対する治療的な介入を行う前提として、対象者が抱えている痛み、関節可動域制限、筋力低下、そして筋緊張の異常などの機能や構造レベルの問題の軽減を図ることによって、“動きやすい身体条件を整える”ことが、理学療法士として重要な課題となる。そのための治療的介入として重要な役割を担うのが、本書のテーマである「物理療法」である。
本書『物理療法学テキスト』は、理学療法士養成課程における基本的な教育内容の標準化を図ることを目的として、実際の授業を想定した章の設計と各章における学習目標の明確化などの教育コンテンツを体系化した「シンプル理学療法学シリーズ」の理念に基づいて、理学療法の臨床実践において大変重要な役割を担う物理療法の概要、生理学的基礎、適応と禁忌、そして、各治療法における分類、生理学的効果、目的、臨床効果とエビデンス、適応と禁忌、治療方法について、体系的に学ぶことを目的として刊行してきた。
初版は平成20(2008)年11月、改訂第2版は、平成25(2013)年4月に刊行した。今回の改訂第3版は、本書の編者であり、国際物理療法学会(International Society for Electrophysical Agents in Physical Therapy、ISEAPT)の会長をされておられる医療創生大学のGoh Ah Cheng教授にご尽力をいただき、ISEAPTの新たなエネルギーフレームワークの分類に基づいて全体の構成の見直しを行った。ISEAPTの新たなエネルギーフレームワークは、執筆者一覧の次頁より全体を概観できるように提示した。また、改訂第2版から導入した「用語解説」「memo」などのコラムでの解説の内容や、各治療法の臨床効果に関するエビデンスの内容、そして、授業における実習を想定した「実習方法の一例」の内容をリニューアルした。
本書が理学療法士養成課程で学ぶ学生諸君や、理学療法の臨床場面における安全で効果的な物理療法の羅針盤として活用されることを期待したい。
最後に、今回の改訂にあたり、精力的に改訂作業に取り組んでいただいた執筆者の皆様に、そして、丁寧な編集作業に粘り強く取り組んでいただいた南江堂の野村真希子氏、吉野正樹氏をはじめとする関係諸氏に、編者を代表して心から深謝したい。
令和2年10月
編者を代表して 木村貞治