柔道整復
柔道整復師のための救急医学
監修 | : 公益社団法人全国柔道整復学校協会 |
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編集 | : 太田祥一 |
ISBN | : 978-4-524-25098-1 |
発行年月 | : 2010年5月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 326 |
在庫
定価3,850円(本体3,500円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
柔道整復師をめざす学生に必要な、救急医学・救急処置法の内容を一冊にまとめて詳説した、協会監修のサブテキスト。救急の現場で“何をするべきか、何ができるのか”正確な知識と対処法が習得できる内容となっている。また、実際の施術の現場で遭遇するケースを解説。広くコメディカル学生にも役立つ、救急医学のミニマム・エッセンシャルをまとめている。
第1章 総論
第2章 症候学
第3章 救急蘇生法
第4章 内因性疾患
第5章 外因性疾患
第6章 特殊救急医療
第7章 救急医事安全管理
参考文献
略語集
索引
救急救命士が誕生して救急現場での処置が拡大され、さらに、非医療従事者が自動体外式除細動器(AED)を使用できるようになった。街には当たり前のようにAEDが多く設置され、多くの人に心肺蘇生法が普及し、その結果、心肺停止から多くの人が生還し社会復帰するようになった。現場から救急医療が始まっている。このような流れ、社会の中で、医療従事者、コメディカルが社会から求められ、期待されていることは何だろうか。それぞれの専門領域のプロとしての知識と技能を身につけ、発揮することは当然のこととして、医療従事者ならでは、専門職ならではの、救急の知識と技能も求められているのではないだろうか。そのための教育体制はどうあるべきであろうか。常々考えていたことである。今回、柔道整復学校協会より救急医学のテキストをという話をいただいた。コメディカル教育の中でも画期的な取り組みだと思う。その意向を受けて、学会をリードする現場の第一線の若手救急科専門医をはじめ、救急になじみの深い方々に、今の時代の、現場の生きた救急医学をわかりやすく執筆していただいた。救急医学だけでなく、リスクマネジメントなど、関連が深い重要な項目も網羅し、わかりやすく解説していただいた。これで救急医学教育の材料は十分に整った。あとはどのように興味深い教育を展開できるかにかかっている。
医療崩壊といわれている昨今、わが国の医療を考えるには、医療を提供する側と、受ける側が一体となって、取り組んでいくことが、今後ますます重要になると思う。多くの人が助かる社会にするために、どんな医療従事者でも必要最低限の救急の知識と実践を身につけ、いざというときに自身が率先して行動できるのは当然のこと、普段から職場や地域で救急蘇生法等を啓発していくことも重要なことではないだろうか。一般市民が実際にAEDを使用したのはごくわずかであるとの新聞報道もあった。この教科書をきっかけに少しでも多くの人が救急医学に興味を持ち、正しく身につけて普及させていただき、さらに多くの命が助かるような社会になれば望外の喜びである。
2010年3月
東京医科大学救急医学教授
太田祥一