柔道整復
柔道整復学・実技編改訂第2版
監修 | : 公益社団法人全国柔道整復学校協会 |
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編集 | : 公益社団法人全国柔道整復学校協会・教科書委員会 |
ISBN | : 978-4-524-25034-9 |
発行年月 | : 2012年12月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 442 |
在庫
定価7,700円(本体7,000円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
柔道整復施術の根幹である整復法、固定法を軸に診察時に必要な知識をわかりやすい文章と豊富な図・写真で解説した教科書。今改訂では、全体的な内容の見直しに加え、臨床で遭遇することの多い20の損傷について、より詳細な解説と症例写真を加えた。また患者の来院から施術にいたるまでの考え方について解説が新たに加わり、より臨床に則した内容となっている。学生から現場の柔整師まで必携の一冊。
第T章 総論
1.柔道整復施術
A.柔道整復業務
B.骨折の施術
C.脱臼の施術
D.軟部組織損傷の施術
2.運動器系の疼痛を訴える患者の施術
A.損傷の診察
A-1.観察および問診
A-2.触診
A-3.機能的診察
B.鑑別診断
C.合併症の有無を判定する
D.その他の治療法に関する情報の提示
E.説明と同意
E-1.損傷や疾患の状況の説明
E-2.損傷や疾患の予想される経過の説明
E-3.施術や応急的整復の必要性の説明
F.徒手整復
G.固定法
H.整復・固定後の確認
H-1.整復状態の確認
H-2.施術行為による二次的障害発生の確認
I.医科との連携
J.固定期間の検討
K.後療法
K-1.固定
K-2.経過
K-3.物理療法、手技療法、運動療法
K-4.後療法の適否の判定
L.治癒の判定
L-1.骨強度の回復
L-2.関節可動域の回復
L-3.筋力の回復
L-4.持久力の回復
L-5.運動協調性の回復
M.注意事項
N.指導管理
O.予後
3.肩部の痛みを訴える患者の診察をするときの考え方
A.肩部に直接的な外力が加わった場合
A-1.肩部外側からの打撃による損傷の診察
A-2.肩部前方または前外方からの打撃による損傷の診察
A-3.肩部後方または後外方からの打撃による損傷の診察
A-4.肩峰部の打撃による損傷の診察
A-5.肩甲骨部の打撃による損傷の診察
B.肩部に間接的な外力が加わった場合
B-1.肩関節外転位で手掌部を衝いて生じた損傷の診察
B-2.肩関節内転位で肘部を衝いて生じた損傷の診察
B-3.肩関節外転位で肘部を衝いて生じた損傷の診察
C.明確な原因のない場合
C-1.野球を行う患者で明確な原因のない損傷の診察
C-2.バレーボールを行う患者で明確な原因のない損傷の診察
C-3.テニスを行う患者で明確な原因のない損傷の診察
C-4.水泳を行う患者で明確な原因のない損傷の診察
C-5.体操競技を行う患者で明確な原因のない損傷の診察
C-6.重量物を取り扱う患者で明確な原因のない損傷の診察
C-7.重量物を取り扱わない患者で明確な原因のない損傷の診察
D.整形外科における診断の実状
D-1.骨折の診断
D-2.脱臼の診断
D-3.肩腱板損傷の診断
D-4.骨端成長軟骨板損傷の診断
D-5.筋損傷の診断
第U章 各論・上肢
1.骨折
A.鎖骨骨折(中央・遠位1/3境界部骨折)
B.上腕骨外科頸骨折
B-1.外転型骨折
B-2.内転型骨折
C.上腕骨近位骨端線離開
D.上腕骨骨幹部骨折
E.上腕骨顆上骨折
F.上腕骨外顆骨折
G.上腕骨内側上顆骨折
H.橈骨近位端部骨折
I.肘頭骨折
J.モンテギア骨折
K.橈・尺両骨骨幹部骨折
L.コーレス骨折(定型的骨折)
M.スミス骨折
N.舟状骨骨折
O.ベネット骨折
P.中手骨骨幹部骨折
Q.中手骨頸部骨折
R.指骨の骨折
R-1.基節骨基部骨折
R-2.基節骨骨幹部骨折
R-3.中節骨掌側板付着部裂離骨折
R-4.中節骨骨折(頸部骨折・骨幹部骨折)
2.脱臼
A.肩鎖関節脱臼(上方脱臼)
B.肩関節脱臼(前方脱臼)
C.肘関節脱臼(後方脱臼)
D.肘内障
E.PIP関節脱臼(背側脱臼)
F.第1指MP関節脱臼(背側脱臼)
3.軟部組織損傷
A.腱板断裂
B.上腕二頭筋長頭腱損傷
C.肘関節内側側副靱帯損傷
D.ロッキングフィンガー(第2指)
E.指側副靱帯損傷
E-1.第1指MP関節側副靱帯損傷
E-2.PIP関節側副靱帯損傷
F.マレットフィンガー
第V章 各論・下肢
1.骨折
A.大腿骨頸部骨折
A-1.内側骨折
A-2.外側骨折
B.大腿骨骨幹部骨折
C.膝蓋骨骨折
D.下腿骨骨幹部骨折
E.果部骨折
E-1.回内・外転損傷
E-2.回外・内転損傷
E-3.回内・外旋損傷
E-4.回外・外旋損傷
F.踵骨体部骨折
G.中足骨骨折
G-1.第5中足骨基部裂離骨折
G-2.中足骨骨幹部骨折
H.足趾の骨折
2.脱臼
A.股関節脱臼(後方脱臼)
B.膝蓋骨脱臼(側方脱臼)
C.足趾の脱臼
3.軟部組織損傷
A.大腿屈筋群(ハムストリングス)の筋損傷(肉離れ)
B.膝関節前十字靱帯損傷
C.膝関節内側側副靱帯損傷
D.半月(板)損傷
E.アキレス腱断裂・下腿三頭筋の肉離れ
E-1.アキレス腱断裂
E-2.下腿三頭筋の肉離れ
F.足関節捻挫
第W章 各論・その他の損傷
A.顎関節脱臼(前方脱臼)
B.肋骨骨折
索引
柔道整復学・実技編が2000年に初めて刊行されて以来、10年以上の月日が経ちました。初版を作成する際も当時の教科書委員会の委員各位が献身的なご努力を頂き、紆余曲折がありながらもやっと発刊にこぎつけたことを覚えております。元来、柔道整復の実技は、柔道整復術の長い歴史のなかで様々な手技、理論があり、それだけに執筆時には何を標準とするかが最大の課題であったものと思料します。したがって、分担執筆された先生方も大変なご苦労があったことと存じます。
このたび、難題を抱えながらもまとめ上げた初版を改訂することに踏み切った背景には、現在、柔道整復師が遭遇する可能性の高い外傷の治療に力点をおく必要があることと、よりわかりやすい記述、図版を使い柔道整復学を学ぶ者にとって理解しやすいものにすることなどが挙げられます。このことを踏まえ、教科書委員会は、小委員会を設置し、膨大な時間をかけて改訂の作業に着手いただいたわけでありますが、初校が出来上がってからも会員校の多くの先生方からご意見を頂戴し、そのたびに検討、修正を加えていく丹念な作業の続けていただきました。そのため、当初予定していた作業工程を大きく変更しながら、実に足かけ4年の期間、ご尽力いただいたわけです。委員会委員各位には深く感謝申し上げるとともにそのご努力に対し敬服する次第であります。
柔道整復師の業において、伝承してきた様々な技術を散逸することなく次世代に繋げていくことは伝統医療の発展のためにもっとも重要な事項と考えます。そのような意味において本書は、大事な文献であり、かつ、貴重な資料でもあります。学生諸君には、どうか本書の持つ意味を理解され、柔道整復術の理念や難しさを知っていただきたいと思います。また、本書を大いに活用されることにより生涯にわたる研鑽の礎にしていただくことを願って止みません。
2012年11月
公益社団法人 全国柔道整復学校協会
会長 坂本歩