医療情報の基礎知識改訂第2版
第15〜20回医療情報基礎知識検定試験問題付
編集 | : 一般社団法人日本医療情報学会医療情報技師育成部会 |
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ISBN | : 978-4-524-24993-0 |
発行年月 | : 2019年9月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 312 |
在庫
定価2,860円(本体2,600円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
医療情報基礎知識検定試験受検者の学習環境を整えるために作成した、初学者がまず手に取るべき入門書。全医療者が知っておくべき医療情報の基礎的な知識を網羅した。2016〜2019年度の試験問題(合計6回分、480問)とその正解を収載し、教科書部分は試験問題の解説書を兼ねている。章ごとの標準学習時間が記載されており、教育機関での授業進行や自己学習計画の参考書にもなっている。
I 医療制度と医療関連法規
1.医療関連法規
1)医療法
2)医療保険に関する法律
3)保険医療機関及び保険医療養担当規則
4)介護保険法
5)保健医療福祉専門職の資格法
6)医薬品医療機器等法
2.保健医療福祉制度と行政組織
1)医療制度の変遷
2)医療保険制度と関連機関
3)介護保険制度
4)保健医療福祉施設
3.保健医療福祉専門職の種類と責務
1)医師・歯科医師≪医師法・歯科医師法≫
2)看護師・准看護師≪保健師助産師看護師法≫
3)保健師・助産師≪保健師助産師看護師法≫
4)薬剤師≪薬剤師法≫
5)診療放射線技師≪診療放射線技師法≫
6)臨床検査技師≪臨床検査技師等に関する法律≫
7)理学療法士・作業療法士・言語聴覚士≪理学療法士及び作業療法士法,言語聴覚士法≫
8)視能訓練士≪視能訓練士法≫
9)管理栄養士・栄養士≪栄養士法≫
10)臨床工学技士≪臨床工学技士法≫
11)介護福祉士≪社会福祉士及び介護福祉士法≫
12)社会福祉士≪社会福祉士及び介護福祉士法≫・MSW
13)精神保健福祉士≪精神保健福祉士法≫
14)ケアマネージャ(介護支援専門員)
15)救急救命士≪救急救命士法≫
16)診療情報管理士
17)医療情報技師
4.健康指標と予防医学
1)健康指標
2)予防医学の活動
5.救急医療と災害時医療
1)救急医療
2)災害時医療
II 病院業務と病院の運営管理
1.病院における診療体制と業務
1)診療部門
2)薬剤部門
3)看護部門
4)医事会計部門
5)中央診療部門
6)チーム医療
7)運営管理部門
2.診療の過程
1)患者の分類と診療の過程
2)指示・命令系統
3)クリニカルパス
4)診療ガイドライン
3.病院の運営と管理
1)病院管理の概念
2)経営指標
3)病院の財務
4)医療の評価
4.安全で適切な医療
1)医療安全管理
2)医療事故等の概念
3)ヒヤリハット事例収集の重要性
4)事例分析のためのモデル
5)代表的なヒヤリハット事例とその対策・
III 医療情報の特性と医療の情報倫理
1.診療記録の種類と保存期間
1)診療録と診療記録
2)診療記録の記載法
3)さまざまな診療記録
4)診療記録の保存期間
2.医療情報の特性と利用
1)医療現場で扱うさまざまな情報
2)医療情報の特性
3)医療情報の利用
3.医の倫理
1)基本的な医の倫理と患者の権利
2)医学研究の倫理
3)医師-患者関係とインフォームドコンセント
4)セカンドオピニオン
5)リビングウィル
6)ターミナルケア
7)安楽死と尊厳死
4.医療の情報倫理
1)医療における情報倫理
2)医療におけるプライバシー保護
3)医療におけるプライバシー保護のための法制度
4)OECDプライバシーガイドライン
5)個人情報保護法
6)診療情報(診療録)の開示
7)個人情報の利用
IV コンピュータの基礎
1.情報(情報量)の表現
1)情報(情報量)の単位
2)文字コード
3)アナログとデジタル
4)データ形式
5)データの圧縮
2.ハードウェアの種類と機能
1)五大装置
2)制御装置と演算装置
3)記憶装置
4)入力装置
5)出力装置
6)解像度
7)デスクトップPCの内部とインタフェース
8)携帯端末
9)サーバ,クライアント,クラウドコンピューティング
10)NASとRAID
11)無停電電源装置
3.ソフトウェアの種類と機能
1)オペレーティングシステム
2)アプリケーションソフトウェア
3)アプリケーションソフトウェアの入手方法
4)マークアップ言語
V 情報システムの基盤技術
1.ネットワークの利用
1)コンピュータネットワーク
2)ネットワークを利用したサービス
3)ネットワーク機器
4)クラウドコンピューティング
2.データベースの利用
1)データベース
2)データベース管理システム
3)構造化問い合わせ言語(SQL)
4)データベースのファイル
5)バックアップとリカバリ
3.情報セキュリティの脅威と対策
1)情報セキュリティの要素
2)情報セキュリティの対象
3)技術的脅威
4)技術的対策
4.ユーザ管理
1)ユーザ管理の対象
2)ユーザ管理の手法
3)アクセス管理
4)ユーザ認証
5)ユーザ教育
VI 医療情報システムの構成と機能
1.病院情報システム
1)概要
2)全体に関わるシステム
3)部門システム
2.地域医療情報システムと保健福祉情報システム
1)概要
2)診療所のシステム
3)介護関連のシステム
4)保健福祉領域のシステム
5)地域医療連携に関わるシステム
6)遠隔医療
7)生涯健康医療電子記録
8)個人健康医療記録
3.医療情報システムの管理
1)概要
2)電子保存の3基準
3)管理に関わる体系・ガイドライン
4)「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に示されている4つの安全対策
VII 医療情報の標準化と活用
1.医療情報の標準化
1)標準化に関する一般知識
2)医療情報に関する標準化
3)医療情報分野の標準化関連組織
4)標準化関連組織間の連携
5)主要な医療情報の規格−用語・コード
6)主要な医療情報の規格−メッセージ(データ)交換規約
7)自動認識技術に関する規格
2.情報の分析と評価
1)データの尺度
2)データ(変数)の性質
3)データの図示(グラフ)による記述
4)データの基本統計量(特性値)による記述
5)推測統計学の基礎
6)巨大なデータに対する分析
日本医療情報学会医療情報基礎知識検定試験問題
第15回
第16回
第17回
第18回
第19回
第20回
第15回正解
第16回正解
第17回正解
第18回正解
第19回正解
第20回正解
第2版の序文
2017年に『医療情報の基礎知識』を発刊して以来、多くの方に活用いただきましたことに感謝申し上げます。本書は、医療情報の初学者のための入門書として作成しましたが、その内容は医療制度・医療関係法規からはじまり、コンピュータ・情報システムの基本知識、医療情報の特徴・利活用までの広範囲にわたっています。そのため、保健医療分野におけるメディカルスタッフを目指す学生から実際に医療情報を取り扱うメディカルスタッフや関係企業の方々にとって、修得すべき知識のエッセンスが集約されているといえます。
修得した基礎的な医療情報の知識の客観的評価の場である、医療情報基礎知識検定試験は2019年6月で第20回を迎えました。これまで10,589名の方が受検され、6,387名(60.3%)の方が一定の知識水準に達していると評価されました。特に、本書が発刊された以降の水準達成者は69.4%から77.3%の範囲で推移しており、知識の修得において本書が一助となっていると推察されます。
このたび、時間的な経過に伴い、第2版を発刊することとしました。医療情報基礎知識検定試験の到達目標に変更はありませんので、修得すべき知識に大きな変更はありません。しかし、日進月歩の保健医療分野においては、常に法律の改正や新たな技術の導入が生じていますので、キーワード(到達目標)の説明においては最新の状況・情報を反映するよう追加・修正に努めました。また、過去の検定試験問題は第15〜20回と直近のものを掲載しました。
今日の保健医療分野においては、その特性をふまえるとともに、一定のIT スキルがメディカルスタッフに求められています。引き続き本書がメディカルスタッフやメディカルスタッフを目指す学生、および関連企業の関係者の方々に学習用のテキストとして活用いただければ幸いです。
最後になりましたが、限られた時間の中で執筆および査読いただきました先生方、準備から出版にいたるまで親身にサポートいただきました南江堂の皆様に心より感謝申し上げます。
2019年9月
『医療情報の基礎知識』編集責任者
長原三輝雄