臨床病態学改訂第5版
監修 | : 佐藤良暢 |
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編集 | : 勝田逸郎/松本禎之 |
ISBN | : 978-4-524-24876-6 |
発行年月 | : 2020年4月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 444 |
在庫
定価5,720円(本体5,200円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
臨床検査技師を目指す学生を主な対象として、「医学とは何か」という原点から、職務上必須となる各疾患の知識までをまとめたテキスト。記述の見直しとアップデートを行い、内容を刷新した最新版。初めて医学に触れる学生の導入教育に最適な一冊。
I 医学概論
1 医学とは
2 医学の歴史と診療・検査技術のあゆみ
3 医療従事者の倫理と将来の展望
II 臨床医学入門
1 医療制度
2 患者の心理
3 健康・寿命・疾病
4 病因・病態の成立,予防と治療
5 症状(症候)
6 経過,転帰と予後
7 疾患の分類
8 緊急時の対応と終末期医療
III 臨床検査医学総論
1 臨床検査の意義とクオリティーマネージメント
1 臨床検査の意義
2 臨床検査の種類
3 検査値の判断
4 クオリティーマネージメント
2 生体防御機構
3 病因・病態検査
1 感染症と抗体
2 臓器特異的自己抗体(II,V型アレルギー)
3 臓器非特異的自己抗体(III型アレルギー)
4 血液検査
5 腫瘍マーカー
6 化学検査
7 画像検査
4 核酸・遺伝子・染色体
1 核酸・染色体の構造
2 DNA複製
3 遺伝情報の転写・翻訳
4 遺伝子関連検査の基本技術
5 臨床での遺伝子関連検査
5 移植・再生医療の現状と展望
1 移植医療
2 再生医療
3 終わりに
IV 疾患各論:予防と診療
1 アレルギー性疾患
1 アレルギー性鼻炎,花粉症
2 喘息
3 食物アレルギー
4 じんま疹
5 アトピー性皮膚炎
6 アナフィラキシー
7 薬剤性過敏症候群
8 接触皮膚炎
2 膠原病および類縁疾患
1 関節リウマチ
2 全身性エリテマトーデス
3 多発性筋炎・皮膚筋炎
4 全身性硬化症(強皮症)
5 結節性多発動脈炎
6 混合性結合組織病
7 抗リン脂質抗体症候群
8 ベーチェット病
9 シェーグレン症候群
10 免疫不全症
3 感染症
1 ウイルス性疾患
2 リケッチア性疾患
3 クラミジア性疾患
4 スピロヘータ症
5 細菌性疾患
6 真菌性疾患
7 寄生虫感染症
4 呼吸器疾患
1 感染性肺疾患
2 閉塞性肺疾患
3 間質性肺疾患(間質性肺炎)
4 肺循環障害
5 胸膜疾患
6 悪性腫瘍
7 睡眠時呼吸障害(睡眠時無呼吸)
5 血液疾患
1 血液疾患とは
2 赤血球系疾患
3 白血球系疾患
4 血小板系疾患
5 造血器腫瘍
6 凝固因子異常
7 血管の異常
6 循環器疾患
1 先天性心疾患
2 リウマチ熱
3 後天性弁膜症
4 感染性心内膜炎
5 高血圧
6 動脈硬化症
7 虚血性心疾患
8 特発性心筋症
9 心不全
10 不整脈
11 解離性大動脈瘤
12 高安動脈炎
7 腎・泌尿器,男性生殖器疾患
1 糸球体腎炎
2 尿細管性アシドーシス
3 腎・尿路感染症
4 腎・尿路結石症
5 腎不全と尿毒症
6 腎腫瘍
7 膀胱癌
8 前立腺肥大症
9 前立腺癌
10 精巣腫瘍
8 女性生殖器疾患
1 月経周期
2 子宮癌
3 子宮内膜炎
4 子宮内膜症/子宮腺筋症
5 子宮筋腫
6 卵巣癌
7 妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)
8 乳癌
9 消化器疾患
1 食道疾患
2 胃・十二指腸疾患
3 小腸・大腸疾患
10 肝・胆・膵疾患
1 肝炎(急性,劇症,慢性,ウイルス性)
2 肝硬変
3 肝細胞癌
4 自己免疫性肝疾患
5 脂肪肝
6 アルコール性肝障害
7 胆石症
8 胆嚢炎/胆管炎
9 膵炎
10 自己免疫性膵炎
11 膵癌
12 膵神経内分泌腫瘍
11 内分泌疾患
1 視床下部−下垂体
2 甲状腺
3 副甲状腺
4 副腎皮質
5 副腎髄質
6 性腺
7 その他
12 代謝栄養疾患
1 糖尿病
2 脂質異常症
3 痛風
4 先天性代謝異常症
5 その他の疾患
13 脳神経・運動器(筋)疾患
1 脳血管障害
2 感染性疾患
3 脳腫瘍
4 水頭症
5 脱髄性疾患
6 神経変性疾患
7 末梢神経障害
8 筋疾患
9 機能性発作性疾患
14 感覚器・精神疾患
1 感覚器疾患
2 精神疾患
15 環境医学と中毒症
1 有毒ガス
2 農業用品
3 自然毒
4 工業用品
5 重金属・類金属類
6 薬物中毒
7 エアロゾル
付録
SELF ASSESSMENT−Reversed CPC 病態解析演習
索引
改訂第5版の序
21世紀以後は国際的にも少子高齢化社会の時代、宇宙の時代、こころ(脳)の時代あるいは予防医学の時代といわれる。BiomedicineとPublic Healthの統合をめざし、最新文献的研究成果に基づく、患者個々の全人(心身一体)医療実践の中で、医人のみならず万人にとってある種の意識改革を必要とするほどの高水準化、高人格化と“英語力”が求められている。
自らを顧みず、相手の身になりきって考え行動することを「恕(じょ)」という。患者への共感心(compassion)の極、医の原点である「愛」と同義語である。精神免疫(こころの支え)としての「恕」と良心(conscience)、すなわち「宗教心」と、それも内包したヒト遺伝子プログラムや全宇宙を統括する「真理」(擬人的にこれは神、仏あるいは他力とも呼ばれる)への畏敬、帰命、追求(真理コードの解読が「科学」)の心(spirit)(擬人的に換言すれば「信仰と祈り」)の有無が、有意差をもって余命を左右することが、最近米国で次々とEBM(evidence−based medicine)とそのラボ実践、EBLM(evidence−based laboratory medicine)データとして報告されている。解剖学、微生物学、血液学、生化学(主要代謝経路)の一覧図も役立つ。
難解と思われがちな膨大量の最先端医学を、疾病のプロセス(病態)を楽しみながら理解できるよう解説し、誰もが正確に自分の知識とできるよう全科的にまとめた最新医療入門書が今までになかった。今回私どもは、global standard(GS)の医学部教育を基盤として、医学概論、臨床病理学主軸の基礎・臨床医学全科を主内容とした『臨床病態学改訂第5版』を著した。本書はまた単に予習前提のレクチュア、病院臨床実習や卒後の臨床現場でのマニュアル、あるいは巻末の演習や工夫された索引による自己チェックで自信(confidence)もできる国家試験実力養成書としてだけでなく、現今の予防医学・健康増進時代における生涯教育コースも含めたセミナーや第一、第二の人生門出のプレゼント、大学一般教養テキスト用、医・歯・薬・栄養・理・工その他全学部、学科における先端予防・全人医学入門書としても役立つよう編集されている。全科疾患の病態把握は地域医療に携わる実地医家の日常診療、在宅医療にも欠かせない。
“最新医学のすべてを平易なことばで”をモットーとして1988年春に誕生した本書が、毎年増刷を重ね、新鋭の編集・執筆者による大改訂新版を出版することで、現在求められている高度の水準と人格を備えた真に実力(competence)のある国際医療人を生み出し、患者の身になったEBM行動と現場のニーズに十二分に応えることができるようになれば、私どもの企図が大方叶えられたことになる。どうか意のあるところを多とされ、上記目的達成のために本書を縦横に活用して戴きたい。と同時に、今後共諸賢の御叱正を得て、将来共に十分批判に耐えうる決定版に仕上げていきたいと、編集・執筆陣あげて念願している。尚一層のご指導ご鞭撻をよろしくお願い申し上げ、序にかえさせて戴きたい。
2020年早春
監修者