向精神薬がわかる!使える!答えられる!改訂第2版
Q&A付き
著 | : 吉尾隆 |
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ISBN | : 978-4-524-24865-0 |
発行年月 | : 2019年11月 |
判型 | : A5 |
ページ数 | : 232 |
在庫
定価3,520円(本体3,200円 + 税)
正誤表
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2019年11月13日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
「降圧薬と抗うつ薬は一緒に服用しても大丈夫?」そんな向精神薬に関する疑問に答える好評書。糖尿病や高血圧、腎機能障害などを合併している場合の薬の使い方をさらに充実させ、注意すべき相互作用、具体的な処方例まで解説。うつ病や双極性障害にも使われるようになった抗精神病薬もカバーし、向精神薬をざっくり知りたい方、精神科を専門としない医師、薬剤師、看護師にお勧めの一冊。
はじめに
抗うつ薬
抗うつ薬とは
抗うつ薬の特徴
三環系抗うつ薬
四環系抗うつ薬
トリアゾロピリジン系抗うつ薬
ベンザミド系薬
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)
ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)
安心して抗うつ薬を使うには
うつ病性障害(うつ状態とうつ病)とは
抗うつ薬の使い方
抗うつ薬を安全に服用するために
身体疾患を合併している場合
糖尿病の患者に使用する
高血圧症の患者に使用する
心筋梗塞の患者に使用する
肥満・脂質異常症の患者に使用する
脳血管障害の患者に使用する
認知症の患者に使用する
パーキンソン病の患者に使用する
がん患者に使用する
胃炎・胃潰瘍の患者に使用する
肝機能障害の患者に使用する
腎機能障害の患者に使用する
風邪の患者に使用する
終末期の患者に使用する
高齢者,小児,妊婦・授乳婦に抗うつ薬をどう使うか
高齢者への使い方
小児への使い方
妊婦・授乳婦への使い方
気分安定薬
気分安定薬とは
気分安定薬の特徴
抗躁薬
抗てんかん薬
安心して気分安定薬を使うには
双極性障害とは
気分安定薬の使い方
気分安定薬を安全に服用するために
身体疾患を合併している場合
糖尿病の患者に使用する
高血圧症・心筋梗塞の患者に使用する
肥満・脂質異常症の患者に使用する
脳血管障害の患者に使用する
認知症の患者に使用する
パーキンソン病の患者に使用する
がん患者に使用する
胃炎・胃潰瘍患者に使用する
肝機能障害の患者に使用する
腎機能障害の患者に使用する
風邪の患者に使用する
終末期の患者に使用する
高齢者,小児,妊婦・授乳婦に気分安定薬をどう使うか
高齢者への使い方
小児への使い方
妊婦・授乳婦への使い方
抗不安薬
抗不安薬とは
抗不安薬の特徴
ベンゾジアゼピン系抗不安薬
アザピロン誘導体(セロトニン1A受容体作動薬)
安心して抗不安薬を使うには
神経症性障害と心身症とは
ベンゾジアゼピン系抗不安薬の使い方
抗不安薬を安全に服用するために
身体疾患を合併している場合
糖尿病の患者に使用する
高血圧症・心筋梗塞の患者に使用する
肥満・脂質異常症の患者に使用する
脳血管障害・認知症の患者に使用する
パーキンソン病の患者に使用する
がん患者に使用する
胃炎・胃潰瘍の患者に使用する
肝機能障害の患者に使用する
腎機能障害の患者に使用する
風邪の患者に使用する
終末期の患者に使用する
高齢者,小児,妊婦・授乳婦に抗不安薬をどう使うか
高齢者への使い方
小児への使い方
妊婦・授乳婦への使い方
睡眠薬
睡眠薬とは
睡眠薬の特徴
ベンゾジアゼピン系睡眠薬
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
バルビツール酸系睡眠薬
非バルビツール酸系睡眠薬
メラトニン受容体作動薬
オレキシン受容体拮抗薬
その他の睡眠薬
安心して睡眠薬を使うには
不眠とは
睡眠薬の使い方
睡眠薬を安全に服用するために
身体疾患を合併している場合
糖尿病の患者に使用する
高血圧症・心筋梗塞の患者に使用する
肥満・脂質異常症の患者に使用する
脳血管障害・認知症の患者に使用する
パーキンソン病の患者に使用する
がん患者に使用する
胃炎・胃潰瘍の患者に使用する
肝機能障害の患者に使用する
腎機能障害の患者に使用する
風邪の患者に使用する
終末期の患者に使用する
高齢者,小児,妊婦・授乳婦に睡眠薬をどう使うか
高齢者への使い方
小児への使い方
妊婦・授乳婦への使い方
抗精神病薬
抗精神病薬とは
抗精神病薬の特徴
第1世代(定型)抗精神病薬
第2世代(非定型)抗精神病薬
セロトニン・ドパミン遮断薬(SDA)
多元受容体作用抗精神病薬(MARTA)
ドパミン受容体部分作動薬(DPA,DSS)
安心して抗精神病薬を使うには
統合失調症とは
抗精神病薬の使い方
抗精神病薬を安全に服用するために(投与の注意点)
身体疾患を合併している場合
糖尿病の患者に使用する
高血圧症の患者に使用する
心筋梗塞の患者に使用する
肥満・脂質異常症の患者に使用する
脳血管障害の患者に使用する
認知症の患者に使用する
パーキンソン病の患者に使用する
がん患者に使用する
胃炎・胃潰瘍の患者に使用する
肝機能障害の患者に使用する
腎機能障害の患者に使用する
風邪の患者に使用する
終末期の患者に使用する
高齢者,小児,妊婦・授乳婦に抗精神病薬をどう使うか
高齢者への使い方
小児への使い方
妊婦・授乳婦への使い方
薬剤が引き起こす精神症状
抑うつ症状を引き起こす薬剤
循環器用薬
ヒスタミンH2受容体拮抗薬
副腎皮質ステロイド
非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)
インターフェロン
不眠を引き起こす薬剤
カフェイン
副腎皮質ステロイド
気管支拡張薬
抗がん剤
甲状腺ホルモン製剤
降圧薬
幻覚・妄想を引き起こす薬剤
ヒスタミンH2受容体拮抗薬
抗結核薬
抗パーキンソン病薬
副腎皮質ステロイド
循環器用薬
抗真菌薬
漢方製剤
抗生物質
インターフェロン
認知症様症状を引き起こす薬剤
抗コリン薬
抗パーキンソン病薬
脳循環・代謝改善薬
消化器用薬
抗がん剤
循環器用薬
抗ヒスタミン薬
抗ヘルペスウイルス薬
副腎皮質ステロイド,NSAIDs
Q&A
抗うつ薬に関するQ&A
気分安定薬に関するQ&A
抗不安薬・睡眠薬に関するQ&A
抗精神病薬に関するQ&A
その他のQ&A
索引
序文
本書が出版されて10年が経過した。この10年間で多くの新しい向精神薬が発売され、精神科領域における薬物治療の選択肢も拡がった。また、第2世代抗精神病薬の適応症が追加され、うつ病や躁うつ病の薬物治療に抗うつ薬や気分安定薬と併用されるようになった。第1世代抗精神病薬についても従来から気分障害圏の疾患に対する適応症はあったが、多くの場合、各疾患の不安・焦燥感・興奮に対して鎮静的に使用されてきたものであり、現在のように原疾患の治療に使用されることは少なかった。このような状況から、今回の改訂では、抗精神病薬の項を新たに追加した。しかし、精神科医以外の一般の医師が抗精神病薬を主体的に使用することは考えられず、むしろ、抗精神病薬を服用しているうつ病や躁うつ病の患者が身体疾患で受診または入院した際に、適正に薬物治療ができることを想定している。
また、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)であるデュロキセチンにはうつ病以外にも糖尿病性神経障害、線維筋痛症、慢性腰痛症、変形性関節症に伴う疼痛に適応症が追加されるなど、向精神薬の精神科以外での使用が増加している。
さらに、向精神薬の多剤・大量・長期処方は長年問題となってきたが、ベンゾジアゼピン系抗不安薬・睡眠薬は平成24年度の診療報酬改定において、3剤以上の処方に制限が設けられ、より適切な使用が求められるようになった。さらに平成26年度の改定では抗うつ薬、抗精神病薬にも剤数制限が設けられ、平成30年度の改定ではベンゾジアゼピン系抗不安薬・睡眠薬を長期にわたって漫然と使用することに制限が設けられた。このように、わが国においても、ようやく向精神薬の適正使用に向けてさまざまな変革が実施されてきている。
本書では、このような変化に対応するべく、向精神薬の適正使用に対する新たな知見も加え改訂を行った。現在、10年前には考えられなかったくらいに精神科以外での向精神薬の処方が増加していることから、本書は一般診療科や保険薬局で向精神薬の処方を行う医師や調剤・服薬指導を行う薬剤師にこそ利用していただきたい。そして、将来、精神科医療に携わることになる医学生、薬学生、看護学生の参考書としても利用していただけることを期待している。
2019年11月
吉尾隆