健康・栄養科学シリーズ
基礎栄養学改訂第6版
監修 | : 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 |
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編集 | : 柴田克己/合田敏尚 |
ISBN | : 978-4-524-24817-9 |
発行年月 | : 2020年3月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 310 |
在庫
定価3,190円(本体2,900円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
栄養の基本的概念、ならびに各栄養素の代謝とその生理的意義についてわかりやすく解説した好評テキスト。代謝の全体像を概観してから各論に進む構成が学習効果を高める。今改訂では管理栄養士国家試験出題基準(2019年改定)、日本人の食事摂取基準(2020年版)に対応。また、紙面デザインをリニューアルし、レベルは維持しながら読みやすい構成とした。
第1章 栄養の概念
A 食事の意義
B 栄養の定義と栄養学
C 栄養と病気のかかわり
D 日本人の食事摂取基準
E 栄養と健康増進の医学
F 栄養素の種類とはたらき
G 食品,食物,食料
H 栄養学の歴史
I 栄養と遺伝子発現
第2章 栄養素の構造と機能
A エネルギー産生栄養素
B 炭水化物の種類と特徴
C 脂質の種類と特徴
D タンパク質の種類と特徴
E ビタミンの種類と特徴
F ミネラルの種類と特徴
第3章 栄養素代謝の概要
A 糖質代謝の概要
B 脂質代謝の概要
C タンパク質代謝の概要
D 生体エネルギー学概要
E 酵素のはたらきと特徴
第4章 摂食行動
A 空腹感と食欲
B 局所的な栄養感覚
C 全身的な栄養感覚
第5章 消化・吸収と栄養素の体内動態
A 消化器系の構造と機能
B 消化・吸収の基本概念
C 管腔内消化とその調節
D 膜消化・吸収
E 栄養素別の消化・吸収
F 栄養素の体内動態
G 食物繊維・難消化吸収性糖質の作用
H 生物学的利用度
第6章 炭水化物の栄養
A 糖質の体内代謝
B 血糖とその調節
C エネルギー源としての糖質の意義
D 糖質と他の栄養素との関係
E 難消化性糖質の生理効果
F 食物繊維の生理効果
第7章 脂質の栄養
A 脂質の体内代謝
B 脂質の臓器間輸送
C 貯蔵エネルギーとしての作用
D コレステロール代謝の調節
E 摂取する脂質の量と質の評価
F 他の栄養素との関係
第8章 タンパク質の栄養
A タンパク質の体内代謝
B アミノ酸の代謝特性と臓器間輸送
C タンパク質の栄養価
D 他の栄養素との関係
E アミノ酸の代謝系とそれに関連する先天性代謝疾患
第9章 エネルギー代謝
A エネルギー代謝の概念
B エネルギー消費量
C 臓器別エネルギー代謝
D エネルギー代謝の測定法
第10章 ビタミンの栄養
A ビタミンの構造と機能
B ビタミンの生物学的利用度
C 他の栄養素との関係
第11章 ミネラルの栄養
A ミネラルの分類と機能
B 吸収率に影響を与える要因
C 他の栄養素との関係
第12章 水・電解質の栄養的意義
A 水の出納
B 電解質の代謝
第13章 遺伝子発現と栄養
A 遺伝形質と栄養の相互作用
B 後天的な遺伝情報の修飾と栄養
参考図書
練習問題解答
索引
改訂第6版の序
本書のはじまりは1994(平成6)年にまでさかのぼり、当時は『栄養・健康科学シリーズ栄養学総論(糸川嘉則、柴田克己編集)』という書名であった。この本は、当時主流であったA5判サイズにぎっしりと文字が詰め込まれたスタイルを一新し、B5判サイズに紙面の余白をたっぷりとり、講義のメモを直接書き込めるようにした画期的な教科書であった。わかりやすい内容とこのような工夫が多くの読者の支持を受け、栄養士・管理栄養士養成課程の栄養学の基礎の教科書を代表するものとなった。
2002(平成14)年に栄養士法が改正され、管理栄養士業務が明確化されるとともに、資格が登録制から免許制になった。これに伴い管理栄養士養成課程のカリキュラムも大幅に改正された。その特徴は、教育理念を「食べ物の栄養評価」から「食べた人の健康・栄養評価」へと移行させたことであり、「栄養素の化学」「栄養素の必要量を算出するための考え方」および「栄養素の体内動態(消化・吸収、体内分配、代謝、排泄)」の理解を基盤とする、基礎栄養学の概念に基づいたことである。これを受けて、本書は2004(平成16)年に『健康・栄養科学シリーズ基礎栄養学(奥恒行、柴田克己編集)』として生まれ変わった。新しい管理栄養士に求められる高度な知識を習得でき、さらに、国家試験出題基準に準拠した「標準的な教科書」となることを目指し改訂を重ね、今回の2020(令和2)年の改訂第6版(柴田克己、合田敏尚編集)に至った。
改訂第6版の主なポイントは、(1)シリーズ全体のリニューアル方針に従い紙面デザインを一新、(2)学生が自ら学びやすいように学習目標を新設し、重要用語を欄外に示した、(3)管理栄養士国家試験出題基準(2019年改定)に準拠、(4)新知見の追加や統計データ等の情報を更新、(5)「日本人の食事摂取基準(2020年版)」に対応した、ことである。
近年、管理栄養士や栄養士に必要とされる知識はますます多くなり、改訂第6版でも項目が増えたが、ミニマムエッセンシャルな内容に絞り頁数をできるだけ増やさないことも意図し編集した。無理なお願いにも的確に対応していただいた各執筆者に対し、深甚の謝意を表します。最後に、改訂第6版発行に際し、多大なご協力をいただいた南江堂出版部諸氏に感謝します。
2020年2月
柴田克己
合田敏尚