はりきゅう基礎技術学
編集 | : 有馬義貴 |
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ISBN | : 978-4-524-24758-5 |
発行年月 | : 2007年11月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 208 |
在庫
定価3,520円(本体3,200円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
鍼・灸の基礎知識から基本手技とその練習法までをまとめたテキスト。鍼・灸の形状、基本的な扱い方から実際の施術部位・手順までを、豊富な図を用いてわかりやすく解説。学生が普段使用する教科書を補う内容であり、臨床実習や卒後臨床、実際の診療の場においても必須となる知識・技術の習得ができるようになっている。鍼灸学生のサブテキストとして、また実務者の知識整理に必携の一冊。
第1章 基礎知識
I. 鍼灸用具
II. 鍼灸治療における感染防止
III. 実習時の服装と衛生
IV. 鍼灸治療の過誤と副作用
第2章 基本手技
I. 鍼の基本手技
II. 灸の基本手技
III. 吸角の基本手技
第3章 基本手技の練習法
I. 鍼技術の練習法
II. 灸技術の練習法
III. 吸角の練習法
付録 古代鍼灸法・刺法
鍼灸治療を行うには医学知識と鍼・灸の技術が必要であり、本書は鍼灸の基礎技術を修得するための教育実習書として執筆した。
第1章は実習を行う前に知っておく基礎知識、第2章は基本となる手技について記載している。はり師およびきゅう師国家試験における「はり理論」と「きゅう理論」の実技に関連する範囲を中心として、国家試験出題基準と第1回から15回までの過去問題に基づいた内容とした。関連する過去問題が解けるようになった後に、次章に進んでほしい。
第3章は学校教育における実技実習に本書を用いることを前提として、基本手技の練習法を解説し、課題を設定している。特に鍼灸師にとって触診は重要であり、触診なしには施術することはできないため、課題には触診も含めた。課題は初学者が練習なしには達成しがたいが、練習すれば必ず到達できるレベルを設定し、練習法は単に鍼を打つだけ、灸を据えるだけのものから、徐々に経絡経穴学、解剖学、東洋医学などで学んだ知識を必要とするものとした。
実技試験の評価は「できる」もしくは「できない」のどちらかであり、できれば合格、できなければ不合格となり、部分点は存在しない。本書の課題は、著者らが実際の教育現場で提示し、学生が練習によって到達することを確認した上で判断した基準である。素人が簡単に真似できる技術であれば専門家は必要ないと考えて、あきらめずに繰り返し練習してほしい。また、技術を磨くためには他の人の施術を受けて鍼や灸の感覚、自分の体の反応や変化を知ることも大事である。練習では互いに被験者となって施術を受け、できるだけ多くの体に触れて、体は人によって異なることを理解してもらいたい。
本書では、学習者の理解に対する配慮として教育者の視点から描いた多くの絵を用いている。しかし、鍼灸の技術は手から手へと伝えられるものであるため、書物では自ずと限界がある。本書で伝えられない繊細な技術やコツは、教育担当者や先進の方のご配慮をいただきたい。
平成12(2000)年の「あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師に係る学校養成施設認定規則」改正から鍼灸師養成校が急増し、多くの鍼灸師が誕生してくる中で、本書が学生諸氏だけではなく、卒後鍼灸師の技術水準の維持・向上の一助となれば幸いである。
平成19年8月
有馬 義貴
(一部改変)