シンプル薬理学改訂第6版
編集 | : 野村隆英/石川直久/梅村和夫 |
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ISBN | : 978-4-524-24658-8 |
発行年月 | : 2020年1月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 368 |
在庫
定価3,190円(本体2,900円 + 税)
正誤表
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2023年11月20日
第1〜3刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
簡潔でわかりやすく通読性に優れた記述と、豊富な図表が特徴の薬理学の教科書。看護、リハビリテーション、臨床検査、栄養などの医療系学部学生から好評を得ている。今改訂では新知見の追加と医薬品情報を更新。読者からの指摘も盛り込み、さらに理解しやすい内容となった。
第1章 総論
1 薬理学とは
A 薬理学の役割
B 医薬品の歴史
C 薬理学の構成
D 薬理療法の分類
2 薬と法律,処方
A 薬と法律
B 処方,調剤,添付文書
3 薬理作用と作用機序
A 薬の作用点(薬物受容体)
B 情報伝達系
C 骨格筋,心筋,平滑筋の細胞内情報伝達機構と薬物による調節
4 薬の生体内運命と薬効
A 薬物の投与経路
B 薬物の生体膜の通過
C 薬物の吸収・分布・代謝・排泄
D 薬物動態学
E 薬物体内動態と薬効
F 治療薬物モニタリング
G 薬物相互作用
5 薬物治療に影響を与える因子
A 生体側の因子
B 薬物側の因子
C 薬物の相加・相乗・拮抗作用
6 小児,妊婦,高齢者の薬物療法
A 小児の薬物療法
B 妊婦の薬物療法
C 高齢者の薬物療法
7 個人化医療
8 薬物送達システム(DDS)
A プロドラッグ
B アンテドラッグ
C 経皮吸収剤
D 徐放性製剤
E 分子標的薬
9 医薬品の安定性−保存および混合の問題点
A 医薬品の保存
B 医薬品の混合
10 新薬の開発
第2章 末梢神経作用薬
1 自律神経作用薬
A 自律神経作用薬とは
B 自律神経系の基礎知識
C コリン作動薬
D 抗コリン薬(アセチルコリン受容体遮断薬)
E アドレナリン作動薬
F 抗アドレナリン薬(アドレナリン受容体遮断薬)
G アドレナリン作動性ニューロン遮断薬
2 筋弛緩薬
A 末梢性筋弛緩薬
B 神経筋接合部遮断薬拮抗薬(筋弛緩回復薬)
C 中枢性筋弛緩薬
3 局所麻酔薬
第3章 中枢神経作用薬
1 中枢神経系の神経伝達物質
A カテコールアミン(ドパミン,ノルアドレナリン,アドレナリン)
B アセチルコリン(ACh)
C γ-アミノ酪酸(GABA)とグルタミン酸
D セロトニン
2 全身麻酔薬
A 理想的な全身麻酔薬
B 全身麻酔薬の分類
C 全身麻酔薬の作用機序
D 全身麻酔薬の作用
E 全身麻酔薬の麻酔深度
F 全身麻酔薬の動態に関連した指標
G 麻酔前投与(麻酔補助薬)
H 各種全身麻酔薬
3 鎮静睡眠薬
A 理想的な睡眠薬
B 睡眠薬の分類
4 向精神薬
A 抗不安薬
B 抗うつ薬
C 気分安定薬(抗躁薬)
D 抗精神病薬
5 抗認知症薬
A 認知症治療薬の分類・種類
6 抗てんかん薬
7 抗パーキンソン病薬
A ドパミン作用を増強する薬物
B アセチルコリンの作用を抑える薬物
C その他
8 麻薬性鎮痛薬(オピオイド鎮痛薬)
A オピオイドの薬理作用
B オピオイドの副作用およびその対策
C オピオイド鎮痛薬の種類
D がん性疼痛への応用と除痛ラダー
9 中枢神経興奮薬
10 薬物乱用と薬物依存
A 離脱(退薬)症状の特徴
第4章 心・血管系作用薬
1 関連する生理活性物質
A レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAs)
2 心臓作用薬
A 心不全治療薬
B 狭心症治療薬
C 抗不整脈薬
3 降圧薬
A 高血圧治療の基本的な考え方
B 血管抵抗に作用する降圧薬
C 容量(血流量)に作用する薬
D 降圧薬の選択のまとめ
4 脂質異常症治療薬
A 主に血清総コレステロール,LDL-コレステロールを低下させる薬剤
B 主にトリグリセライドを低下させる薬剤
C その他の製剤
第5章 血液・造血器系作用薬
1 貧血治療薬
A 鉄剤
B ビタミンB12と葉酸
C その他
2 抗血栓療法薬
A 経口抗凝固薬
B ヘパリン
C 血小板機能阻害薬
D 血栓溶解薬
3 血液製剤
第6章 水・電解質・腎臓作用薬
1 体液の区分・移動と水の出納
A 体液の区分と移動
B 水の出納
2 体液の異常と治療薬
A 体液分布の異常
B 電解質異常・酸塩基平衡異常と治療薬
C 血漿増量薬
3 腎臓についての基本事項
A 腎臓の構造と機能
B ネフロンの構造と尿の生成
C 腎機能の評価
D 薬物の分泌と再吸収
4 利尿薬
A 利尿薬とは
B 利尿薬の分類
C 利尿薬の作用機序
5 尿路結石治療薬
第7章 抗感染症薬
1 抗菌薬
A 抗菌薬の作用機序
B 抗菌薬の種類
C 抗菌薬の選択
2 抗結核薬
3 抗ウイルス薬
A 抗インフルエンザウイルス薬
B 抗ヘルペスウイルス薬
C 抗サイトメガロウイルス薬
D 抗肝炎ウイルス薬
E 抗HIV薬
4 抗真菌薬
第8章 抗悪性腫瘍薬
1 作用部位
2 分類
A アルキル化薬
B 代謝拮抗薬
C 抗腫瘍性抗生物質
D 微小管阻害薬
E ホルモンとホルモン拮抗薬
F トポイソメラーゼ阻害薬
G 分子標的薬
H その他
3 抗悪性腫瘍薬の使い方
A 多剤併用療法
B P-糖蛋白質と薬剤耐性
第9章 抗炎症薬,免疫関連薬
1 生体防御反応(炎症と免疫)と生体警告反応(痛み)
2 生体防御に関係する生体内活性物質
A ヒスタミン
B カリクレイン・キニン系
C エイコサノイド
D サイトカイン
3 抗炎症薬・鎮痛薬
A 概説
B 炎症と抗炎症薬
C ステロイド性抗炎症薬
D 非ステロイド性抗炎症薬
4 免疫抑制薬・免疫増強薬・ワクチン製剤
A 免疫抑制薬
B 免疫増強薬
C ワクチン製剤
5 抗アレルギー薬
A I型アレルギー発現機構
B I型アレルギー治療薬
6 抗リウマチ薬
A 疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)
B 生物学的製剤(分子標的薬)
第10章 内分泌・代謝作用薬,ビタミン
1 ホルモンとホルモン拮抗薬
A 視床下部-下垂体前葉系
B 下垂体後葉ホルモン
C 甲状腺ホルモンと抗甲状腺薬
D 副腎皮質ホルモンと副腎皮質ホルモン拮抗薬
E 性ホルモンと性ホルモン拮抗薬
F インスリンと糖尿病治療薬
2 代謝性疾患治療薬
A 骨粗鬆症治療薬
B 痛風治療薬
3 ビタミン
第11章 呼吸器作用薬
1 気管支喘息治療薬
A 気管支拡張薬
B 抗アレルギー薬
C 副腎皮質ホルモン剤
D 気管支喘息の治療のステップ
2 鎮咳薬
3 去痰薬
4 呼吸促進薬
第12章 消化器作用薬
1 消化器の機能および調節
A 神経支配
B ホルモン支配
C 胃液分泌
D 胃酸分泌
E ペプシノーゲン分泌
2 食欲・消化作用薬
A 苦味健胃薬
B 芳香性健胃薬
C 消化酵素薬
3 消化性潰瘍治療薬
A 攻撃因子抑制薬
B 防御因子賦活薬
C プロスタグランジン製剤
D ヘリコバクター・ピロリ除菌薬
4 鎮吐薬
5 胃腸運動改善薬
A 胃腸管運動
B 抗ドパミン薬
C セロトニン受容体作動薬
6 腸に作用する薬物
A 下剤(瀉下薬)
B 止瀉薬
C 潰瘍性大腸炎治療薬
D クローン病治療薬
E 過敏性腸症候群治療薬
7 肝臓・胆道・膵臓に作用する薬物
A 肝疾患治療薬
B 胆道疾患治療薬
C 膵疾患(急性膵炎)治療薬
第13章 眼科用薬・皮膚科用薬
1 眼科用薬
A 眼の構造と機能
B 眼科用薬の種類・動態・投与法・副作用
C 眼科疾患治療薬
2 皮膚科用薬
A 皮膚の構造と機能
B 皮膚科用薬の動態と基剤の種類
C 皮膚疾患治療薬
第14章 画像診断関連薬
1 X線造影剤
A X線造影剤の構造
2 核医学製剤
3 MRI造影剤
第15章 消毒薬
1 消毒と滅菌
2 消毒薬の分類
第16章 毒物と解毒薬
1 毒物の吸収阻害
2 毒物の排泄促進
3 解毒薬・拮抗薬
4 有機リン剤中毒
5 重金属中毒
6 医薬品中毒
第17章 救急に用いられる薬物
1 蘇 生
A 心臓の収縮不全(心停止・低血圧ショック)を改善する薬
B 心臓の調律不全(不整脈・徐脈)を改善する薬
C 心臓の冠循環を改善する薬物(虚血性心疾患)
1 脳血管障害
A 脳梗塞急性期
B 高血圧性脳出血急性期
3 糖尿病性昏睡
4 痙攣
5 呼吸障害
6 鎮痛・鎮静
7 高カリウム血症・アシドーシス
第18章 嗜好品の薬理
1 タバコ
2 アルコール
3 カフェイン飲料
4 健康食品(サプリメントなど)
第19章 漢方の薬理
1 漢方の歴史
2 漢方の基本概念
3 臨床でよく使われる漢方薬
薬剤一覧
セルフチェック 解答
参考書
索引
改訂第6版 序
現行の改訂第5版が刊行されてから約5年が経過した。薬理学の分野は、日進月歩で発展しており、その間に多くの新規メカニズムの医薬品が臨床現場で使用され、より副作用が少なく効果が期待できる医薬品も開発されてきている。それら新しくなった知見を盛り込み、また全体のボリュームが増えないよう洗練された教科書を目指して改訂を行った。
本書は、医師、歯科医師、薬剤師、看護師をはじめ、管理栄養士、臨床検査技師、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、臨床工学技士、診療情報管理士などの医療職養成課程の学生を対象として、臨床実習や臨床現場で役立つ内容を目指して編集されてきた。近年の医療では、患者中心のチーム医療が行われている。医師、歯科医師、薬剤師、看護師だけに、患者で使用されている薬の管理を任すのでなく、チームの全メンバーが使用されている薬物の概要を知り、医療チームによる薬物治療に貢献していくべきである。そのための臨床現場で必要とされている知識を身につけるために、薬理学のミニマムエッセンスをまとめた教科書は臨床実習から卒業後の実臨床の現場で大変役に立つものとなる。本書はそのような教科書を目指して、編集・改訂がされてきた。本書の目指すところを理解していただき、今までに多くの学生諸君や教員から支持され、教科書として採用されてお役に立てたことを光栄に思う。
改訂にあたり、教科書として採用していただいている教員の先生方から、多くのご意見、ご提案に対し厚く御礼を申し上げる。先生方のご要望に応えるべく、旧くなった記述、重複する項目などを圧縮し、全体の項数の削減を図るとともに、図解などの視覚的情報を整理、充実させるように改訂作業を進めた。長年支持されてきた編集方針を引き継ぎ、膨大な知識を求められている読者にとってのエッセンスをまとめ、理解しやすい教科書を目指し改訂にあたった。本書がさらに前進するためには薬理学教育の教員の皆様から忌悼のないご意見やご批判がどうしても必要である。前版同様、変わらぬご指導を賜りたい。
改訂にあたっては南江堂出版部の皆様に多大なるご努力と、貴重なご助言をいただいた。ここに改めて感謝の意を表するものである。
2019年11月
編者