シンプル理学療法学シリーズ
日常生活活動学テキスト改訂第3版
監修 | : 細田多穂 |
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編集 | : 河元岩男/坂口勇人/村田伸 |
ISBN | : 978-4-524-24578-9 |
発行年月 | : 2019年9月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 224 |
在庫
定価4,620円(本体4,200円 + 税)
正誤表
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2020年12月25日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
講義に即した15章構成で、わかりやすい解説と豊富な図表で「ADL」の基礎から臨床での指導までをコンパクトに解説した好評教科書。今版では、モデル症例でADL指導の演習を行うことができる「疾患別ADL指導の症例演習」の章を新設。またイラストも充実させ、より視覚的にとらえやすい教科書となった。
1 総論
A ADLの概念
B ADLとICF
C ADLとQOL
D 理学療法にとってのADLの位置づけ
2 ADL評価とその実際(1)ADL評価の概要と評価法
A ADL評価の歴史
B ADL評価の目的
C ADL評価の尺度
D ADL評価のポイント
E 理学療法経過の時期別ADL評価の意義
F さまざまなADL評価
3 ADL評価とその実際(2)動作分析の視点
A 理学療法のなかの動作観察,動作分析の位置づけ
B 動作観察,動作分析の方法
C 動作観察,動作分析の実際
D 機器を用いた動作分析
E 身の回り動作の分析
4 ADL評価とその実際(3)バーセルインデックス(BI)
A バーセルインデックスの歴史
B バーセルインデックスの特徴
C バーセルインデックスの評価項目と尺度
D バーセルインデックス評価の注意点
E バーセルインデックスの臨床活用
5 ADL評価とその実際(4)機能的自立度評価法(FIM)
A FIMの歴史
B FIMの特徴
C FIMの評価項目と尺度
D FIMの運動項目の採点
E FIMの認知項目の採点
F FIMの臨床活用
6 補装具(移動補助具を中心に)
A 補装具とは
B 移動補助具の種類と適応
C 杖の種類と構造
D 松葉杖の種類と構造
E その他の歩行補助具
F 車いすの種類と構造
7 基本動作(1)総論
A 基本動作
B 静的基本動作(姿勢保持動作)
C 動的基本動作
8 基本動作(2)起居動作
A 起居動作とは
B 寝返り
C 起き上がり
D 座位
E 立ち上がり
9 基本動作(3)床上移動・車いす移動
A 床上移動の目的
B 床上移動の種類
C 車いす移動
10 基本動作(4)歩行
A ADLと歩行
B 歩行指導
11 身の回り動作
A 身の回り動作とは
B 食事動作
C トイレ動作
D 入浴動作
E 整容動作
F 更衣動作
G 国際生活機能分類におけるセルフケア
12 ADLを支援する機器
A 福祉用具の種類とその機能
B 自助具の種類とその機能
C 介護保険の適用となる福祉用具
13 住環境整備
A 住環境整備の意義と目的
B 介護保険制度における住宅改修
C 介護保険制度対象外の住宅改修
14 疾患別ADL指導
A 脳卒中
B パーキンソン病
C 脊髄損傷
D 関節リウマチ
E 大腿骨頸部骨折
F 変形性膝関節症
G 大腿切断
15 疾患別ADLの症例演習
症例1 脳梗塞(右前大脳動脈領域)により左麻痺を呈し,屋外歩行自立(階段昇降含む)を目指す症例
症例2 Pusher現象を呈する左麻痺の介助量軽減を目指す症例
症例3 腰痛を呈する左大腿骨頸部骨折後人工骨頭置換術を施行した症例
症例4 人工肘関節置換術後の関節リウマチ患者に対するIADL動作拡大を目標とした症例
参考文献
索引
改訂第3版の序
『シンプル理学療法学シリーズ日常生活活動学テキスト』は、初版発行より8年、改訂第2版発行より5年が経過した。改訂第2版では、教育現場でのさらなる使いやすさの追求、動作分析の視点の充実、「本書の使い方」フローチャートの追加を基本方針とした。改訂第3版は改訂第2版の方針と同様のスタンスで検討し、構成など含めて大規模改訂を断行した。
今回の改訂内容は以下のとおりである。
1。最大の特徴は、2色から4色へ移行したことである。それに対応し、わかりやすさの視点で特に図表を多く取り入れ、かつ可能な限りオリジナルな図表を作成し、理解しやすいように工夫した。
2。一般目標、行動目標を内容に沿うよう重要項目に絞り込みを行った。
3。文章表現を全章にわたり見直し、可能な限り平易とした。また、用語の統一感を整理し、理解しやすくした。
4。改訂第2版の14章と15章を統合して1つの章とし、新たに15章は総まとめとして疾患別ADLの症例演習を追加した。症例は、中枢神経疾患(脳卒中片麻痺の軽症例と難渋症例)、大腿骨頸部骨折後人口骨頭置換術後の脱臼肢位への注意を含んだ症例、人工肘関節置換術後の関節リウマチに対するIADLへの取り組みの考えかたの実臨床で遭遇する可能性の高い4症例を提示した。
5。総論に健康関連QOLとセルフエフィカシーを追加した。リハビリテーションの最終目標は最高のQOLである。QOLのとらえ方として健康関連QOLであるSF36とセルフエフィカシーを紹介した。
6。改訂第2版では、基本動作の項目において、項目や内容の整理が十分でなく使用しにくい構成になっていたため、本改訂では項目立てを「総論」、「起居動作」、「移動動作」、「歩行」として不足や重複を改善した。
また、改訂第2版と同様「本書の使い方」フローチャートを今回の改訂に合わせ変更し、より活用しやすくした。
本書を通じて、多くの学生が日常生活活動学に興味を持ち、理解が深まることを期待する。今後も講義される先生方や学生諸君には忌憚のないご意見・ご批評をいただければ幸いである。
最後に、改訂にあたりさまざまなご助言をいただいた埼玉県立大学細田多穂名誉教授、ならびに編集のお手伝いをいただいた南江堂の提坂友梨奈氏と吉野正樹氏に感謝の意を表したい。
令和元年7月
河元岩男
坂口勇人
村田伸