看護学テキストNiCE
病態・治療論[11] 皮膚/耳鼻咽喉/眼/歯・口腔疾患
編集 | : 片山一朗/阪上雅史/五味文/岸本裕充 |
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ISBN | : 978-4-524-23752-4 |
発行年月 | : 2019年8月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 382 |
在庫
定価3,080円(本体2,800円 + 税)
正誤表
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2023年12月20日
第1〜2刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
専門基礎分野において疾病の病態・診断・治療を学ぶためのテキストシリーズ(全14冊)の皮膚/耳鼻咽喉/眼/歯・口腔疾患編。第一線で活躍する医師と看護師の共同編集により、看護学生に必要な知識を網羅。(1)さまざまな症状が理解できる、(2)診断の進め方、考え方がわかる、(3)臨床看護に結びつく知識が得られる、の3点を重視してビジュアルに構成している。
I 皮膚疾患
第1章 皮膚の解剖と機能
第2章 皮膚の症状と診断・治療
皮膚の症状と診断の進め方
皮膚科の検査
1 機能的検査:理学的検査
2 機能的検査:生理機能検査
3 光線検査
4 病理検査
5 免疫学的検査
皮膚科の治療法
1 薬物療法(外用,内服)
2 光線療法
3 外科的療法
4 美容皮膚科
5 遺伝相談
第3章 皮膚疾患各論
1 皮膚掻痒症
2 アトピー性皮膚炎
3 接触皮膚炎
4 脂漏性皮膚炎
5 蕁麻疹
6 虫刺症
7 紅斑症
8 薬疹
9 水疱症(自己免疫症)
10 先天性表皮水疱症
11 膿疱症
12 角化症
13 炎症性角化症
14 皮膚サルコイドーシス
15 脱毛症
16 皮膚の血管炎
17 皮膚潰瘍
18 光線過敏症
19 熱傷
20 電撃傷
21 凍傷
22 凍瘡
23 褥瘡
24 皮膚良性腫瘍
25 皮膚悪性腫瘍
26 皮膚リンパ腫
27 悪性黒色腫
28 色素異常症
29 母斑症
30 皮膚の細菌感染症
31 皮膚の真菌感染症
32 単純疱疹
33 帯状疱疹
34 皮膚の膠原病
35 黄色腫
36 アミロイドーシス
37 ムチン沈着症
II 耳鼻咽喉疾患
第1章 耳鼻咽喉の解剖と機能
第2章 耳鼻咽喉の症状と診断・治療
1 難聴
2 耳漏
3 耳鳴
4 耳痛
5 めまい
6 顔面神経麻痺
7 鼻汁,鼻閉,くしゃみ
8 鼻出血
9 嗅覚障害
10 いびき,睡眠時無呼吸
11 咽頭痛
12 味覚異常
13 嗄声
第3章 耳鼻咽喉科の検査
1 聴力検査
2 耳鏡検査
3 鼻鏡検査
4 平衡機能検査
5 顔面神経の検査
6 嗅覚検査
7 味覚検査
第4章 耳鼻咽喉疾患各論
1 外耳炎
2 急性中耳炎,滲出性中耳炎
3 慢性中耳炎,真珠腫性中耳炎
4 耳硬化症
5 メニエール病
6 良性発作性頭位めまい症
7 突発性難聴
8 小児難聴
9 ベル麻痺,ハント症候群
10 慢性副鼻腔炎
11 アレルギー性鼻炎,花粉症
12 扁桃炎,扁桃周囲膿瘍
13 喉頭炎,喉頭蓋炎
14 声帯麻痺
15 喉頭がん
16 咽頭がん
17 上顎洞がん
18 唾液腺腫瘍
III 眼疾患
第1章 眼の解剖と機能
第2章 眼の症状と診断・治療
1 視力障害
2 視野障害
3 飛蚊症
4 変視症
6 複視
5 色覚異常
7 眼痛
8 眼の充血
9 眼脂
10 眼球突出
第3章 眼科の検査
1 視力検査
2 視野検査
3 眼圧検査
4 眼底検査
5 細隙灯顕微鏡検査
6 眼位・眼球運動検査
7 色覚検査
第4章 眼疾患各論
1 斜視
2 ドライアイ
3 角結膜炎
4 白内障,水晶体疾患
5 緑内障
6 網膜剥離
7 糖尿病網膜症,糖尿病黄斑症
8 加齢黄斑変性
9 網膜血管閉塞症
10 黄斑円孔,黄斑上膜
11 ぶどう膜炎
12 視神経炎
13 眼の外傷
IV 歯・口腔疾患
第1章 歯・口腔の解剖と機能
第2章 歯・口腔疾患の症状と診断・治療
1 歯痛,歯肉痛
2 顎関節痛
3 顔面痛
4 開口障害
5 閉口障害
6 口臭
7 口腔乾燥症
8 口腔出血,歯肉出血
第3章 歯・口腔の検査
1 口腔の検査
2 唾液分泌検査,唾液腺に関する検査
3 咀嚼機能検査
4 嚥下機能検査
第4章 歯・口腔疾患各論
1 う蝕
2 歯周病
3 口内炎
4 唾液腺疾患
5 顎骨および軟組織の嚢胞
6 顎関節症
7 口腔がん
8 口腔顎顔面外傷
9 良性腫瘍(歯原性・非歯原性)
10 口唇裂,口蓋裂,顔面裂
11 顎変形症
12 三叉神経痛
13 歯・口腔に関連する全身疾患
索引
序文
このたび『看護学テキストNiCE病態・治療論[11]皮膚/耳鼻咽喉/眼/歯・口腔疾患』の編集を担当する機会をいただき、日常診療でご多忙な中、執筆いただいた先生には厚くお礼申し上げる次第である。分かりやすいイラストや鮮明で豊富な臨床写真は看護師の方にも理解しやすく、現場での診療補助にも大いに役に立つことと確信する。2004年に開始されたスーパーローテート開始前後より、臓器別診療の推進が進み、学ぶべき専門的な医療知識や医療技術が驚異的に増加し、さらに患者意識の高まりに伴う医療事故の防止対策、カルテ開示、医師と看護師・薬剤師などメディカルパートナーとのカルテの共有などによる事務作業の増加に伴い、医師と看護師の連携は必ずしもかつての時代のように双方向性ではなくなりつつある。また、昨年から導入された新しい専門医制度では、18+1の基盤診療科学会が主導する研修施設でのプログラムに沿って研修を行い、国の認定機構が所定のプログラムを修了した医師を試験などにより専門医として認定することになる。地方との格差をなくすために大都市での定員の上限を定める処置がとられているが、現実には都市と地方での格差は広がり、医師と看護師との連携や教育も不透明である。そのような観点からも、本テキストは医学の最新知識を効率的に学習できるように編集者・執筆者がそれぞれに工夫して分かりやすさと簡潔さを前面に書き下ろしたことで、より医療従事者間での情報交換や患者指導などの現場でも使いやすくなったと考える。
近年、社会問題化しているマンパワー不足は看護師や薬剤師にも広がりつつあると聞くことも多く、医療行政からの積極的なサポートの重要性に加え、看護師が医師の主導下で地方での医師不足に対応していくことも現実的な話になりつつある。実際、私が英国に留学していた40年近く前ですら、アフリカの医療支援で、英国の皮膚科医が現地の看護師に電話で治療法を指示しているとの話を聞いたこともある。さらにAI(人工知能)診療がごく近い将来、診断・診療の分野に参入する可能性も取りざたされており、医師の不足する医療現場での診療を誰が、どう担うかの議論が高まっていくことと考える。また、急速に高齢化が進んでいるわが国で、在宅や訪問診療も医師、看護師、さらに薬剤の管理なども含めた薬剤師などとの連携が不可欠である。その意味でも本テキストが医療の現場で診療に携わる方に広く活用され、その成果が次の時代の医療へ還元されることを期待し、巻頭の言とさせていただく。
2019年7月
編集者を代表して
片山一朗