看護学テキストNiCE
病態・治療論[5] 内分泌・代謝疾患
編集 | : 能登洋/林直子 |
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ISBN | : 978-4-524-23745-6 |
発行年月 | : 2019年3月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 242 |
在庫
定価2,200円(本体2,000円 + 税)
正誤表
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2022年10月24日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
専門基礎分野において疾病の病態・診断・治療を学ぶためのテキストシリーズ(全14冊)の内分泌・代謝疾患編。第一線で活躍する医師と看護師の共同編集により、看護学生に必要な知識を網羅。(1)さまざまな症状が理解できる、(2)診断の進め方、考え方がわかる、(3)臨床看護に結びつく知識が得られる、の3点を重視してビジュアルに構成している。糖尿病をはじめ、内分泌・代謝疾患の多くは全身性・慢性的という特徴をもち、生涯にわたって管理・ケアを必要とする。本書は内分泌・代謝疾患の病態・治療を第一線で活躍する現場の医師たちがわかりやすく解説し、患者の生活に寄り添った教育も紹介することで、本書で学んだ生徒がチーム医療の要となり、また患者のよき伴走者となるよう構成した。
内分泌・代謝疾患の主な略語一覧
序章 なぜ内分泌・代謝疾患について学ぶのか
1 医師の立場から
2 看護師の立場から
第I章 内分泌・代謝の機能と障害
1 内分泌とは,代謝とは
1 ホルモン
2 内分泌・代謝
2 内分泌・代謝器官の構造と機能
1 視床下部・下垂体
2 甲状腺
3 副甲状腺
4 副腎
5 性腺
6 膵臓・消化管
7 心臓・脂肪組織・胎盤
8 肝臓・腎臓(代謝)
第II章 内分泌・代謝疾患の診断・治療
1 症状・徴候からの診断過程
1 全身性の症状・徴候
2 体型上の症状・徴候
3 頭頸部の症状・徴候
4 循環器系の症状・徴候
5 腹部・消化器系の症状・徴候
6 四肢の症状・徴候
7 皮膚の症状・徴候
8 尿・性器の症状・徴候
9 神経・精神の症状・徴候
2 検査
1 どのように検査をしていくか
2 どのような検査があるか
3 内分泌・代謝検査の解釈
3 治療
1 内分泌・代謝疾患の治療法
2 内分泌・代謝疾患の基本的治療
第III章 内分泌疾患 各論
1 視床下部・下垂体疾患
1 汎下垂体機能低下症
2 副腎皮質刺激ホルモン単独欠損症
3 成長ホルモン分泌不全性低身長症と成人成長ホルモン分泌不全症
4 巨人症,先端巨大症
5 プロラクチノーマ
6 クッシング病
7 尿崩症
8 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
9 下垂体腫瘍
10 リンパ球性下垂体炎とIgG4関連下垂体炎
11 中枢性摂食異常症
2 甲状腺疾患
1 バセドウ病
2 プランマー病
3 亜急性甲状腺炎
4 急性化膿性甲状腺炎
5 橋本病
6 無痛性甲状腺炎
7 甲状腺眼症
8 甲状腺腫瘍
9 薬剤性甲状腺機能異常
10 非甲状腺疾患における甲状腺機能異常
11 甲状腺クリーゼ
12 粘液水腫性昏睡
3 副甲状腺疾患とカルシウム代謝異常
1 副甲状腺機能亢進症
2 副甲状腺機能低下症
3 偽性副甲状腺機能低下症
4 副甲状腺がん
5 悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症
6 骨粗鬆症
7 骨軟化症・くる病
4 副腎疾患
1 副腎クリーゼ
2 原発性副腎皮質機能低下症
3 原発性アルドステロン症
4 クッシング症候群
5 褐色細胞腫
6 副腎偶発腫
7 先天性副腎過形成
5 性腺疾患
1 男性性腺機能低下症
2 女性性腺機能低下症
3 PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)
4 思春期早発症
6 その他の疾患
1 多発性内分泌腫瘍症(MEN)
2 神経内分泌腫瘍(NET)
第IV章 代謝・栄養疾患 各論
1 代謝・栄養疾患
1 糖尿病
2 脂質異常症
3 肥満症・メタボリックシンドローム
4 高尿酸血症・痛風
5 栄養疾患
6 その他
索引
はじめに
生活習慣の変化や高齢者の急増に伴い内分泌・代謝疾患(特に糖尿病)の患者数は増えており、医療・看護そして社会におけるその重要度も以前より高まってきています。内分泌・代謝疾患は一般に全身性疾患であり生涯にわたる慢性的疾患であるため、看護師にはチーム医療・包括医療を担う一員として患者の身体的状態を適確に理解し、適切な治療・ケアを遂行できるように知識と経験を幅広く習得することが一層求められています。実際、生活習慣病の管理・予防には医師のみならず看護師をはじめとする多職種による介入が有効であることが実証されており、特に心理的ケアにおける看護師の役割が大きいことも報告されています。内分泌・代謝領域では検査を多用しますが、医療・看護の対象は検査値ではなく患者であることは論を待ちません。本書は看護学生を主な対象とし、内分泌・代謝疾患の病態と治療の基礎知識を基盤に患者の療養生活を支える看護を学ぶことを目標としています。
本書は単なる知識の伝授ではなく患者中心の個別化医療を実践するために診療目的・考え方・患者教育/支援という看護と臨床とのつながりを重視した実地的切り口から解説をしているのが特長です。そのために図表を多く取り入れることですっきりとわかるように工夫しています。また、新しい検査や治療薬が次々と開発されていますので、最新の診療ガイドラインの推奨内容を取り入れて実臨床にすぐに適応できるようになっています。この点では看護学生だけでなく新卒看護師や看護教育者にも活用できるように配慮しています。
本書が看護学生だけでなく看護に携わる多くの方々の道標となり、医療・看護の質と安全の向上や内分泌・代謝領域の患者のセルフマネジメント力の維持・向上にもつながることを祈念しております。
2019年3月
能登洋
林直子