臨床実習フィールドガイド改訂第2版
編集 | : 石川朗/内山靖/新田收 |
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ISBN | : 978-4-524-23630-5 |
発行年月 | : 2014年2月 |
判型 | : A5 |
ページ数 | : 542 |
在庫
定価6,050円(本体5,500円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
理学療法士・作業療法士養成課程における、臨床実習の教科書・参考書。実習生が担当する頻度の高い疾患・病態を44項目取り上げ、それぞれについて対象者に対面する前後から評価、情報の収集、介入計画の作成・実施から再評価など8段階の臨床思考過程に分けて丁寧にポイントを解説している。今改訂では事前学習に必要な内容(ノート作成のポイント、見学の要領など)を新たに「序章」としてまとめた。
序章 よりよい臨床実習を進めるために
A.臨床実習を実り多いものにするために
B.臨床思考過程の基本的流れ
C.臨床実習における臨床思考過程の具体的展開
D.デイリーノート、ケースレポート(レジュメ)の作り方
E.臨床実習の現状−臨床実習指導者、教員の視点を含めて
第1章 神経系
A.脳血管障害
1.脳血管障害総論
2.片麻痺(急性期から回復期)
3.片麻痺(回復期から維持期):上肢を中心に
4.高次脳機能障害
a.pusher、半側無視を中心に
b.失行症
c.注意障害と記憶障害
5.多発性脳梗塞に伴うパーキンソニズム
B.神経変性疾患
1.パーキンソン病
2.筋萎縮性側索硬化症
3.多発性硬化症
4.脊髄小脳変性症
C.末梢神経障害
1.ニューロパチー
2.外傷性末梢神経損傷
第2章 運動器系
A.骨折、変形性関節症、腱損傷
1.下肢の骨折(外傷)
2.変形性股関節症
3.大腿骨近位部骨折
4.変形性膝関節症
5.上肢の骨折
6.手指の腱損傷
B.頚髄損傷・脊髄損傷
1.完全頚髄損傷
2.不全四肢麻痺
3.完全脊髄損傷
C.関節リウマチ
D.切断
1.下腿切断
2.大腿切断
E.スポーツ外傷(靱帯損傷)
F.肩関節周囲炎
G.腰痛症
第3章 呼吸・循環・代謝系
A.呼吸器疾患
1.慢性閉塞性肺疾患
2.周術期呼吸障害
3.急性呼吸器疾患(肺炎・合併症)
B.心疾患
1.急性心筋梗塞
2.慢性心不全
C.代謝疾患(糖尿病)
第4章 発達障害
A.発達障害総論
B.脳性麻痺
C.二分脊椎
D.広汎性発達障害
E.低出生体重児・ハイリスク児
第5章 認知症・精神障害
A.認知症
B.統合失調症
第6章 がん・熱傷
A.がん
B.熱傷
索引
『臨床実習フィールドガイド』(初版)が刊行されて、10年の歳月を経ました。この間、多くの学生や教員、また臨床実習指導者に本書を使用していただいたことに、心より感謝申し上げます。
臨床実習の最大の目的は、専門職として理学療法・作業療法が実践可能となるために、学内で学習した知識を臨床に応用し、さらに基本的な技術を、実習を通じて習得することです。近年はクリニカル・クラークシップが積極的に導入されてきていますが、多くの学生は臨床実習での評価やプログラム実行などの一連の介入において、その思考過程の理解と整理が不十分であり、またそれらを解説した成書は10年前にはありませんでした。そこで本書では、それらを「臨床思考過程」と初めて位置づけ、理学療法・作業療法にかかわらず基本的には同一との前提で、解説を行いました。
この10年の間に、理学療法士・作業療法士の新設教育機関が多く開学し、それに伴って学生数の急増が顕著となっています。臨床実習施設の数や臨床実習の質の確保などが懸念されている中、変わらず臨床実習のバイブルとして本書が読まれてきたことは、編集者の企画ならびにご執筆いただいた内容が評価されたことと、大変嬉しく感じています。
第2版では基本部分は初版を継承し、作業療法の特徴的な疾患も含めて欲しいとのご意見を参考に、疾患・病態を追加し、作業療法士の先生方にも執筆をお願いしました。その内容は、高次脳機能障害を充実させたほか、広汎性発達障害、認知症、統合失調症、手指の腱損傷などです。がんについては、初版でも乳がんを取り上げていましたが、さまざまながんのリハビリテーションについて全体像がつかめるよう、内容を充実させて改訂しました。各疾患・病態を有する対象者の捉え方は、ICF(国際生活機能分類)に対応しています。
また、「序章」として臨床実習に臨むまでの事前準備や見学をする際の留意点、デイリーノートやケースレポート(レジュメ)の作り方をまとめ、実習に行く前から実習中、また実習後の整理まで、より使いやすい内容になったと思います。
これらの特徴を持った第2版が今回刊行されることは、編集者にとっての大きな喜びであり、多くの学生に役立つことを願ってやみません。
なお、本書『臨床実習フィールドガイド』には姉妹書として『理学療法フィールドノート』があり、「1。脳血管障害・神経疾患」、「2。運動器疾患」、「3。呼吸・循環・代謝疾患」、「4。地域・在宅」の4冊が刊行されています。より発展的な学習のために、これらの書籍もお読みいただければ幸いです。
2014年1月
石川朗
内山靖
新田收