シンプル理学療法学シリーズ
神経筋障害理学療法学テキスト[Web動画付]改訂第4版
![神経筋障害理学療法学テキスト[Web動画付]改訂第4版](https://d1gwi3e1mfwx7l.cloudfront.net/img/goods/L/9784524234660.jpg)
監修 | : 細田多穂 |
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編集 | : 植松光俊/中江誠/内田学/松木明好 |
ISBN | : 978-4-524-23466-0 |
発行年月 | : 2025年3月 |
判型 | : B5判 |
ページ数 | : 488 |
在庫
定価6,600円(本体6,000円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文

理学療法士が遭遇することの多い神経筋障害について,発生機序,障害の評価,理学療法の実際までを解説した教科書.今改訂では生活期のリハビリテーションについても記述を充実させ,より時代に即した内容へとアップデートした.また,疾患像を具体的にイメージできるよう,片麻痺,脊髄損傷における動作や生活期の様子の動画を多数収載した.
総 論
1 神経筋障害の全容
A 神経筋系とは
@中枢神経の全体像
A神経系の分類
B体性神経の出力系
C運動障害の原因
B 神経筋障害の特徴と症状
@中枢神経障害の原因と特徴
A中枢神経障害による症状
B脳損傷で生じる障害
C脊髄損傷で生じる障害
D運動の調節系障害
Eその他の神経筋障害
C 中枢神経障害と理学療法における運動
@理学療法の治療手段
A中枢神経障害者に対する運動療法の意味
B運動療法の原則
片麻痺
2 片麻痺の原因,脳血管障害とは
A 発症の原因
@脳血管障害
A脳腫瘍
B頭部外傷
C多発性硬化症
B 脳血管障害の理解のための脳の構造と機能
@脳動脈の構造
A脳動脈の灌流分布領域
B錐体路と脳動脈の関係
C 脳血管障害とは
@NINDSの分類
A脳血管障害の神経学的所見
B脳血管障害と運動麻痺
3 脳血管障害の診断,急性期治療
A 脳血管障害各病型の特徴
@脳出血
Aクモ膜下出血
B脳梗塞
B 脳血管障害の画像診断
@脳出血
Aクモ膜下出血
B脳梗塞
C 脳血管障害の急性期治療とリハビリテーション
@急性期の治療
A病期とリハビリテーション
B廃用症候群とリハビリテーション
C理学療法(PT)の開始基準とリスク管理
D急性期のベッドサイドでのリハビリテーション
4 片麻痺患者の評価@
A 評価の考え方
@機能障害発生の経緯と障害の特徴
A国際生活機能分類(ICF)と理学療法
B理学療法評価の着眼点
B 脳血管障害の総合的な評価
@リスク管理
A検査・測定の成立条件
B脳血管障害の総合評価
C 片麻痺患者の機能障害に対する理学療法評価
@脳血管障害の一次障害に対する検査・測定
A脳血管障害の二次障害に対する検査・測定
B身体運動の遂行状況に対する検査・測定
D 活動制限・参加制約などの観察と調査
@活動制限(ADL能力)の観察と調査
A参加制約の評価
5 片麻痺患者の評価A
A 理学療法評価の実際
@理学療法評価の目的
A評価項目の選定と事前情報収集
B評価の手順
C統合と解釈
D目標設定
E目標設定に必要な予後予測
B 評価に基づいた理学療法のあり方
@評価に基づいた理学療法プログラムの考え方
A介入後の再評価の重要性
B評価と治療の振り返り
6 重症片麻痺例に対する回復期理学療法の実際(その1)
A なぜ重症度別の理学療法が必要なのか?
@重症片麻痺例とは
A理学療法の目的を理解する
B廃用症候群の問題
B ADLの必須動作,動作遂行の力源
@ADLと基本動作
A基本動作の力源
B介助量軽減の意義
C各種補装具,訓練用機器の活用
C 運動療法の実際(重力との関係)
@重症片麻痺例に対する運動療法の基本
A最優先項目は抗重力位姿勢への変換
B抗重力位姿勢とリスク管理
C抗重力位姿勢への変換
7 重症片麻痺例に対する回復期理学療法の実際(その2)
A 運動療法の実際(筋収縮の関与)
@抗重力位姿勢と筋収縮を伴う運動
A他動的介助歩行の留意点
B筋収縮を伴う運動
C筋収縮を伴わない運動
B 運動療法の実際(ADLへの反映)
@基本動作(起居移動動作)訓練
AADL訓練と理学療法
B立位姿勢を含む複合的動作
C 高次脳機能障害,体幹機能障害に対する工夫
@姿勢の安定化,課題動作の単純化
A確実な力源の活用
D 病棟との連携,社会復帰に向けた諸調整
@価値観の共有
A社会資源の活用
8 演習
A グループ討議
@重症片麻痺と廃用症候群の関係
B 症例の提示によるロールプレイ
[症例]重症片麻痺回復期
9 軽症片麻痺例における回復期から生活期をみすえた理学療法の実際(その1)
A 軽症片麻痺とは
B 片麻痺患者における歩行
@「歩行」という運動のもつ意義
A安定した歩行に必要な要素
B代表的な歩行の特徴
C 理学療法の実際
@短下肢装具(AFO)の適応と留意点
A歩行における理学療法
B軽症片麻痺の運動について
10 軽症片麻痺例における回復期から生活期をみすえた理学療法の実際(その2)
A 理学療法の実際(その1)
@片麻痺に対する神経筋再教育法
A在宅復帰へ向けた理学療法における留意点
B 理学療法の実際(その2)
@社会復帰に向けた理学療法
C 社会の要請に応える「理学療法士」であるために
11 日常生活における身体機能の活用(生活機能の向上)
A 片麻痺患者の日常生活活動における理学療法士の役割
B 基本動作
@寝返り
A起き上がり
B座 位
C立ち上がり
D立 位
E移 乗
F歩 行
G車いす駆動
H階段昇降
C セルフケア
@食 事
A整 容
Bトイレ動作
C更衣動作
D入 浴
D 生活期の神経筋疾患患者における介護予防・自立支援を目的とした通所型短期集中予防サービスの必要性
12 演習2
A グループ討議
@各評価項目の意義
B 症例の提示によるロールプレイ
[症例]軽症片麻痺回復期(予後良好例)
13 実習1
A 片麻痺者の動作における特徴
B 片麻痺の基本動作
@寝返り
A起き上がり
Bベッドからの立ち上がり
C移乗動作
D床からの立ち上がり
E杖歩行
C 移乗の最大介助法の習得,車いすの駆動
@最大介助(非麻痺側下肢の支持性も低い)の移乗
A車いすの駆動(普通型の車いすを使用)
D 装具の装着
@下肢装具の装着
E 重度片麻痺者に対する半他動的介助歩行
14 片麻痺者にみられる合併症とその対策
A 片麻痺者にみられる合併症
@廃用性の要因による合併症 ─ 廃用症候群
A誤用性の要因による合併症 ─ 誤用症候群
Bその他の要因による合併症
C合併症による重複障害
D合併症に対する予防的理学療法の重要性
B 合併症の特徴
@肺 炎
A筋萎縮・筋力低下
B体力低下
C深部静脈血栓症(DVT)
D肩関節亜脱臼
E肩関節痛,肩手症候群
F関節拘縮
G反張膝
15 高次脳機能障害・摂食嚥下障害と理学療法
A 高次脳機能障害患者の理学療法
@代表的な高次脳機能障害
B 摂食嚥下障害の理学療法
@摂食嚥下障害の概要
A摂食嚥下の各期
B摂食嚥下障害の評価
C摂食嚥下障害患者の訓練
運動失調
16 運動失調とは
A 運動失調の定義
B 小脳の構造と主要投射路
C 損傷部位による運動失調の分類・特徴
D 小脳の機能特性と協調運動制御機構
E 小脳性運動失調の症状の特徴
@縦軸区分による症状の特徴
A横軸区分による症状の特徴
B症候学からみた運動失調の典型的な症状
F 脳血管障害による回復型と小脳変性疾患による進行型の特徴
@回復型(脳血管障害によるもの)
A進行型(小脳変性疾患)
G 運動失調の評価
@四肢の運動失調
A筋緊張低下
H 姿勢バランスと歩行障害
@姿勢バランス
A歩 行
I 一般的な理学療法評価の考え方
17 小脳性運動失調の理学療法
A 理学療法の考え方
@概 要
A疾患と症状
B併存症状
C根拠に基づいた理学療法
D考えられる効果の背景
B 運動失調の原因と特徴
@小脳性運動失調
A大脳性運動失調
B脊髄性運動失調
C迷路性運動失調
C 小脳性運動失調症例の評価
D 運動療法の実際
@疾患と時期別
A目的別
E その他の介入
@補装具の使用
A住環境の調整
B家族への介助指導
C社会サービスの導入検討
18 演習3
A グループ討議
@運動失調の病態
A小脳性運動失調に対する理学療法の視点と注意点
B 症例の提示によるロールプレイ
[症例]運動失調
パーキンソン症状
19 パーキンソン病とは
A パーキンソン病の病態
@概 要
A大脳基底核の機能
B臨床症状
Cパーキンソニズムを呈する疾患
D予 後
B 治 療
@薬物療法
A手術療法
Bリハビリテーション
C 理学療法評価
@ホーエン&ヤール(Hoehn&Yahr)の重症度分類
AUnified Parkinson’s Disease Ratin G Scale(UPDRS)
BFreezin G o F Gait questionnaire(FOGQ)
CBalance Evaluation Systems Test(BESTest)
DTimed Up and Go test(TUG)
Eその他の評価
20 パーキンソン病の理学療法
A 目 的
B 評 価
C 理学療法,運動療法の考え方(運動症状への対応)
@病期(障害程度)に対応する理学療法
A廃用症候群への対応
B薬剤の作用・副作用との関係
C歩行訓練
D補装具の活用
EADLへの反映
F転倒リスクの回避
Gパーキンソニズムの理学療法
H運動症状に対する生活期の理学療法の実際
D 非運動症状への対応
@睡眠障害
A精神・認知・行動障害
B自律神経症状
C感覚障害
Dその他
E非運動症状に対する生活期の理学療法の実際
E まとめ
21 演習4
A グループ討議
@錐体路障害と錐体外路障害の相違
Aパーキンソン病の特徴
Bパーキンソン病と症候性パーキンソニズムについて
B 症例の提示によるロールプレイ
[症例]パーキンソン病
その他の神経障害
22 頭部外傷,低酸素性脳症
A 頭部外傷とは
@頭部外傷の特徴,分類
A症 状
B理学療法の考え方
C評価の実際
D理学療法の実際
E社会復帰に向けた課題
B 低酸素性脳症
@疾患の原因と特徴
A損傷部位
B障害の特徴
C理学療法の考え方
D評価の実際
E理学療法の実際
F社会復帰に向けた課題
23 多発性硬化症,筋萎縮性側索硬化症
A 多発性硬化症
@疾患概念
A診断と治療
Bリハビリテーション,理学療法の考え方
C評価と理学療法の実際・考慮点
D理学療法実施上の考慮点
B 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
@疾患概念
A運動ニューロン疾患について
B診断と治療
Cリハビリテーションの意義
D理学療法の考え方
E評価と理学療法の実際
F運動療法原則の応用
G事例紹介
24 その他の神経筋系障害(筋ジストロフィー,多発性筋炎,重症筋無力症,Guillain-Barré症候群)
A 筋ジストロフィー
@疾患概念
ADuchenne型筋ジストロフィー(DMD)
BBecker型筋ジストロフィー(BMD)
C肢体型筋ジストロフィー(LGMD)
D先天性(福山型)筋ジストロフィー(FCMD)
B 多発性筋炎(PM),皮膚筋炎(DM)
C 重症筋無力症(MG)
D Guillain-Barré症候群(GBS)
四肢麻痺・対麻痺
25 脊髄の解剖・機能,脊髄損傷の原因
A 脊髄の構造と機能
@脊髄の外景
A脊髄の内景
B脊髄の血管
C脊髄内の伝導路
D皮膚節と筋節
E脊髄反射
F自律神経機能
B 脊髄損傷の原因
C 麻痺の種類
D 脊髄損傷の障害像
@脊髄ショック
A脊髄不全損傷の各種状態と症状の特徴
B損傷高位の表示と身体障害範囲
C脊髄損傷の治療概要
26 自律神経と脊髄損傷の随伴症状・合併症
A 自律神経の構造と機能
@体性神経と自律神経
A交感神経と副交感神経
B自律神経の遠心路と求心路
C自律神経系の神経伝達物質
B 脊髄損傷の随伴症状
@呼吸障害
A起立性低血圧
B排尿障害
C消化管障害
D自律神経過緊張反射
E体温調節障害
F異所性骨化
C 脊髄損傷の廃用症候群
@褥 瘡
A筋萎縮
B骨萎縮
C関節拘縮
Dその他
D 障害受容過程
27 脊髄損傷の評価
A 脊髄損傷の評価の考え方
@障害モデルと理学療法評価
A理学療法の実施内容へどのように評価を反映するか
B上位および下位運動ニューロン障害
C脊髄損傷から生じる麻痺の理解
D片麻痺(脳損傷)評価との対比
B 理学療法評価
@神経学的検査
A損傷高位の判定法
B筋力および感覚検査の意義
C麻痺の程度
DASIAの機能障害尺度(AIS)
Eザンコリーの分類
F歩行能力の評価(WISC I U)
C 理学療法評価の実際
@バイタルサインのチェック
A機能障害に対する各種テスト
B廃用症候群のチェック
CADL評価
D基本動作テスト
E動作分析
F理学療法評価の実際
28 四肢麻痺の理学療法(急性期)
A 急性期理学療法の目的
@整形外科的治療の理解
A二次的合併症の予防
B ベッドサイドの理学療法
@呼吸理学療法
A良肢位と体位変換
B関節可動域の維持,拡大
C筋力維持・強化
D重力(起立)耐性の向上
29 四肢麻痺の理学療法(回復期)
A 回復期理学療法の目的
@残存能力の強化
AADL能力の再構築
B二次的合併症の予防
B 理学療法の実際
@関節可動域の拡大
A筋力強化
Bバランス訓練
C床上動作
C ADL訓練
D 二次的合併症の予防
30 演習5
A グループ討議
B 症例の提示によるロールプレイ
[症例]頸髄損傷
31 実習2
A 四肢麻痺者の基本動作
@寝返り動作(左側方向への寝返り動作の場合)
A起き上がり動作
Bプッシュアップ動作
C移乗動作(トランスファー)
D車いす駆動
32 対麻痺の理学療法(急性期)
A 急性期理学療法の目的
@整形外科的初期治療法の概要
A二次的合併症の予防
B残存機能・能力の維持,増強
B ベッドサイドの理学療法
@呼吸理学療法
AROM訓練
B筋力維持・増強訓練
C 生活期への適応を視野に入れた取り組み
33 対麻痺の理学療法(回復期)
A 回復期理学療法の目的
@残存能力増強とADL能力再構築
A車いす動作によるADL自立
B 理学療法の実際
@抗重力位耐性の向上
Aプッシュアップ動作,移乗動作の確立
B関節可動域の維持改善,筋力増強
C床(マット)上動作
D車いす動作,応用動作(キャスター上げ)
E歩行訓練
C ADL訓練
@各種杖,装具
A車いす動作と歩行動作のエネルギー消費比較
B実用的移動手段の確立
C他部門との連携
D食事,排泄,整容,更衣,入浴動作と自助具について
E膀胱訓練
34 演習6
A グループ討議
B 症例の提示によるロールプレイ
[症例]胸髄損傷
35 実習3
A 対麻痺者の基本動作
@寝返り動作
A起き上がり動作
Bプッシュアップ動作
C移乗動作
D昇降移乗動作
E車いす駆動
B 対麻痺者の車いす応用動作
C 対麻痺者の立位・歩行動作
@立位保持動作
A歩行動作
36 不全損傷
A 不全損傷の疫学と病態
@疫 学
A病 態
B不全損傷の症状
C臨床像
D頸髄中心部損傷の割合が増加したわけ
E感覚障害(異常感覚)
B 理学療法評価
@評 価
AISNCSCI
BFrankel分類
C改良Frankel分類
DISMGの鷹野改変版
EWISC I U
FSCIM
C 理学療法
@原 則
A立位訓練の前に行う訓練
B立位,ティルトテーブルを用いて
C平行棒内で歩行
D 体重免荷式トレッドミルトレーニング(BWSTT)
@BWSTTの特徴
ABWSTTの対象者
B訓練の実際(プログラム,留意点)
C効果の機序
E 高齢者における中心部損傷患者の転倒予防について
付録:演習の解答例
演習1の解答例
A グループ討議
B 症例検討
演習2の解答例
A グループ討議
B 症例検討
演習3の解答例
A グループ討議
@運動失調の病態
A小脳性運動失調に対する理学療法の視点と注意点
B 症例検討
演習4の解答例
A グループ討議
@錐体路障害と錐体外路障害の相違
Aパーキンソン病の特徴
Bパーキンソン病と症候性パーキンソニズムについて
B 症例検討
演習5の解答例
A グループ討議
@頸髄損傷における各髄節機能残存レベルでの主要機能筋
A各髄節機能残存レベルの可能な基本動作
B自動車運転をするために必要なこと
B 症例検討
演習6の解答例
A グループ討議
@胸髄損傷および腰髄損傷における残存筋および残存機能
A胸髄損傷および腰髄損傷における基本動作およびADL能力
B対麻痺患者にとって必要な家屋環境調整の種類
C仕事を続けるために必要な情報・手続き
B 症例検討
参考文献
索 引
改訂第4版の序
本書初版は,中枢神経障害理学療法ガイドラインモデル「教育学習効果に重点をおいたテキスト」となることを目指し,「シンプル理学療法学シリーズ」の第3巻として,以下の編集基本方針に則って2008年に刊行された.
■学生にとって全体的な障害像をイメージすることが難しい障害領域について,臨床実習や卒後の臨床現場に出る際に備えて学んでおくべき必要最小限の基本的知識,技術項目をわかりやすく構成,解説する.
■障害にしたがった分類で目次を構成し,最も多い脳卒中に関しては病態と理学療法が結びつくよう工夫し,重傷例から軽症例まで網羅する.
■学生の自習や発展学習への興味を高めるために演習・実習を適宜盛り込み臨床との関連づけを高める.
これらの特色は,刊行後早期から比較的高い評価を得ていた.
また, 「学生にとって障害像をわかりやすく解説したテキスト」を目指した改訂においては,以下の取り組みを行った.
@改訂第2版では新たに筋ジストロフィー,多発性筋炎,重症筋無力症,Guillain-Barre症候群を追加
A改訂第3版より書名を『神経筋障害理学療法テキスト』と変更,あわせて紙面を刷新して4色化
B図表の電子データ化による授業プレゼン資料としての活用支援
これらの取り組みにより,初版刊行後17年を経た今も高く評価され,多くの養成校において教科書として取り上げていただき感謝に堪えない.
さらに今版の改訂においては,四肢麻痺・対麻痺の理学療法臨床現場における対象障害に不全損傷が多くを占めるという臨床現場の実態から,新たな章を設けてこの変化に対応することとした.それに加えて学生にとって障害像を学習するにあたり動画は大いに理解の助けになるものであることから,本テキストにおける主幹的な障害である脳血管障害患者と脊髄損傷患者の数多くの動画を収載するといった大きな改訂を加えた.本文と合わせて動画を視聴することにより学生の障害像の理解が深まることを期待している.動画撮影にあたっては,多くの先生方に多大なるご支援をいただいたことに感謝申し上げる.また,撮影に快くご対応いただいた患者様にも心より深謝申し上げる.
以上のような改訂を加え,より多くの養成校でお使いいただけるような教科書を目指した.
今後も講義される先生方や学生諸君には是非とも忌憚のないご意見,ご批評をいただき,さらに「教育学習効果の高いテキスト」へと昇華されていくよう努めたい.併せて,本書初版刊行準備当初から共に当領域におけるガイドラインのモデルとなるべく熱い想いを持ち取り組んできた編集者,江西一成先生が,改訂第4版企画半ばにおいて逝去されたことは誠に断腸の思いである.この場を借りて冥福を祈りたい.
最後に,編集のお手伝いをいただいた南江堂の諸氏に感謝の意を表したい.
令和 7 年 1月
編集を代表して 植松光俊
