皮膚外用薬の選び方と使い方改訂第5版
著 | : 西岡清 |
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ISBN | : 978-4-524-23278-9 |
発行年月 | : 2022年1月 |
判型 | : A5 |
ページ数 | : 140 |
在庫
定価2,750円(本体2,500円 + 税)
正誤表
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2022年03月09日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
初版刊行以来,4度目の改訂となる,皮膚外用薬選択のポイントや使用する際の留意点をイラストやQ&A方式でていねいに解説した好評書.今改訂では,前版発行以降に発売された薬剤や,改訂されたガイドラインを盛り込んで,必要な情報を余すところなく収載.臨床医だけでなく,ナースや薬剤師などのメディカルスタッフの方々にも広く役立つ内容となっている.
1 外用療法の基本的な考え方
A.外用療法とは
B.外用療法の効果に影響を与える因子
@薬物の経皮吸収
A基 剤
B皮膚の性状と経皮吸収
C外用療法の功罪
2 外用薬の種類と使い方
A.ステロイド外用薬
@ステロイド外用薬の種類
Aステロイド外用薬の選択
Bステロイド外用薬の剤形の選択
Cステロイド外用薬のぬり方
Dステロイド外用薬による副作用
B.抗菌外用薬
@抗細菌外用薬
A抗真菌外用薬
B抗ウイルス外用薬
C.抗腫瘍外用薬
D.ビタミン含有外用薬
E.免疫調整外用薬
F.古典的外用薬
@粉末剤
A油 脂
B軟 膏
C泥膏(パスタ)
D糊膏(リニメント)
E硬 膏
F振盪合剤(ローション)
G乳剤性軟膏(クリーム)
H水溶性軟膏
G.非ステロイド性抗炎症外用薬
H.スキンケア外用薬(皮膚保護薬)
I .その他の外用薬
@潰瘍治療外用薬
A尿素含有外用薬
B鎮痒薬含有外用薬
C粘膜用外用薬
D光線治療外用薬
J.包帯法
3 外用療法 Q&A
A.ステロイド外用療法
Q1 ステロイド外用薬はどのようなときに使用すべきか
Q2 ステロイド軟膏とステロイドクリームの使い分けは
Q3 ステロイドローション剤の効果的な使用法は
Q4 ステロイドスプレー剤の効果的な使用法は
Q5 strongest ステロイド外用薬の適応は
Q6 ステロイドテープ剤の使い方とその適応は
Q7 ステロイドODT の適応は
Q8 ステロイド局注の方法とその適応は
Q9 ステロイド外用薬を他の外用薬と混合して用いるねらいは
Q10 ステロイド外用薬は炎症性皮膚疾患に対して万能か
B.外用薬の使い方
Q11 外用薬はどのくらいの厚さにぬるのがよいか
Q12 外用薬は1 日何回ぬるのがよいか
Q13 古典的外用薬はどのくらい使われているか
Q14 重層療法は必要か
Q15 外用薬を季節によって使い分ける必要があるか
Q16 外用薬はいつまで使用し続けることが必要か
Q17 湿布剤の種類とその適応は
Q18 非ステロイド性抗炎症外用薬はどのようなときに使用するか
Q19 スキンケア外用薬の種類は
C.部位による外用薬の選択
Q20 頭部の湿疹病巣に対する外用薬の選択と使用法の注意点は
Q21 顔の病巣に対してはどのような外用薬を使用するとよいか
Q22 頸部の病巣に対してどんなステロイド外用薬を選択すべきか4
Q23 眼瞼の湿疹病巣に対する外用薬の選び方は
Q24 口腔粘膜部に適する外用薬にはどのようなものがあるか
Q25 外耳道,鼻腔への外用薬の使い方は
Q26 間擦部,腋窩部,外陰部への外用療法の仕方は
D.主な皮膚疾患の外用療法
Q27 急性の接触皮膚炎の外用療法は
Q28 慢性化した接触皮膚炎の外用療法は
Q29 アトピー性皮膚炎の外用療法の仕方は
Q30 貨幣状湿疹の治療法は
Q31 脂漏性湿疹の外用療法は
Q32 主婦手湿疹に必要な外用療法は4
Q33 おむつかぶれの外用療法は
Q34 結節性痒疹の外用療法は
Q35 尋常性痤瘡(ニキビ)の外用療法は
Q36 尋常性乾癬の外用療法にはどのようなものがあるか
Q37 皮脂欠乏性湿疹の治療法は
Q38 肛囲湿疹の外用療法は
Q39 ステロイド酒皶・酒皶様皮膚炎の外用療法は
Q40 酒皶の外用療法は
Q41 汗疹(あせも)の外用療法は
Q42 伝染性膿痂疹(とびひ)の外用療法は
Q43 表在性真菌症に対する外用療法は
Q44 爪白癬を外用療法で治療できないか
Q45 爪郭炎の治療法は
Q46 陥入爪を手術しないで治療できないか
Q47 巻き爪の治療法は
Q48 全身に広がった湿疹(紅皮症)の外用療法はどうするか
Q49 下腿潰瘍の治療法は
Q50 天疱瘡の外用療法は
Q51 熱傷の外用療法は
Q52 褥瘡の外用療法はどのようにするか
Q53 虫刺症の外用薬はどのようなものがよいか
Q54 疥癬の治療法は
Q55 シラミ症の外用療法は
Q56 掌蹠膿疱症の外用療法は
Q57 円形脱毛症の外用療法は
Q58 男性型脱毛症の治療法は
Q59 尋常性白斑の治療法は
Q60 口唇ヘルペスの治療法は
Q61 帯状疱疹の外用療法は
Q62 脂漏性角化症(老人性疣贅)に外用療法はあるか
Q63 日光角化症の外用療法は
Q64 尋常性疣贅(いぼ)の外用療法は
Q65 顔面の青年性疣贅に対するよい外用療法はあるか
Q66 尖型コンジローマの外用療法は
Q67 伝染性軟属腫(水いぼ)の治療法は
Q68 スキンタッグの治療法は
Q69 鶏眼(うおのめ),胼胝(たこ)の治療法は
Q70 踵の角化病巣に対する外用療法は
Q71 魚鱗癬の外用療法は
Q72 掌蹠角化症の外用療法は
Q73 腋窩多汗症の治療は
皮膚外用薬一覧
はじめに
皮膚疾患の理解は難しく,またそれを治療する外用薬の使い方も捉えにくいものと考えられてきました.近年の皮膚疾患に対する理解の進展と,それに伴う治療の組み立ての進歩によって皮膚疾患治療がより身近なものになってきました.全身に拡大する一部の皮膚疾患では,生物学的製剤を用いた新しい治療法が導入されるようになっていますが,そのような場合でも,皮膚外用療法は重要な役割を果たしているのが現状です.患者のADL,QOLを向上させるための新たな皮膚外用療法の工夫も必要になっております.
皮膚外用薬は,皮膚疾患治療に中心的役割を果たすものであり,その使用にあたっては多くの知識・情報が必要になります.かつて,同じ外用薬を使っても,治療効果に差が出るといわれていましたが,本書の外用薬の使い方についての情報は,皮膚外用療法をより身近な治療手段としての位置付けを促進しているのではないかと考えています.
本書の初版を発刊してから30年を超えました.これまでの改訂でも,新しく開発された外用薬についての選び方と使い方の情報を紹介してきました.このたび再度改訂する機会を得ましたので,さらに新しく開発された外用薬とそれに伴う治療方法も加えて,整理いたしました.抗炎症薬開発の歴史は,ステロイド外用薬に始まり,免疫調整外用薬へと進展しました.最近開発されたヤヌスキナーゼ(JAK)阻害外用薬,ホスホジエステラーゼW阻害外用薬の情報も紹介させていただきました.同時に,痤瘡治療薬の開発や爪白癬外用薬,超高齢社会の重要疾患である褥瘡に対する潰瘍治療薬についての情報も整理・記載いたしました.
かなり多くの情報を含んだ書籍となりましたが,皮膚科医だけでなく,実地医家にも満足していただけるものと期待しています.最後に,初版時から種々ご指導,ご援助をいただいた西山茂夫先生,西岡橿子先生,編集のご労苦を担ってくださった南江堂の出版部の諸氏に感謝の意を表します.
2021年12月 西岡 清