書籍

臨床力を評価する リアルな内科診療の問題集

編集 : 村川裕二
ISBN : 978-4-524-23228-4
発行年月 : 2023年2月
判型 : B5
ページ数 : 208

在庫あり

定価4,400円(本体4,000円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

内科外来の現場で「さまざまな疾患を診る」ための問題集.簡単な問題から解きごたえのあるものまでいろいろな難易度を取り揃え,診察室で,悩んだり,つまずく状況をイメージして,あえて領域分野はランダムにして難易度順に並べました.基本的な臨床能力を少ない努力で得るためにヒントも強調しています.病態の知識から,診断・検査,治療・管理等まで内科全般のおさらいとして,明日からの診療のヒントが得られる一冊.

予想正答率90%
 Q 001〜Q 003

予想正答率80%
 Q 004〜Q 012

予想正答率70%
 Q 013〜Q 036

予想正答率60%
 Q 037〜Q 055

予想正答率50%
 Q 056〜Q 093

予想正答率40%
 Q 094〜Q 118

予想正答率30%
 Q 119〜Q 132

■出題テーマ一覧
予想正答率90%
 001 NSAIDs 潰瘍の診断
 002 アニサキス症の診断
 003 逆流性食道炎の第一選択薬

予想正答率80%
 004 ふらつきと大球性貧血をきたす疾患
 005 ありふれた下肢の浮腫
 006 COPD を疑う際の問診〜電子タバコも喫煙歴に含める〜
 007 薬剤による紫斑
 008 二次性頭痛を疑った時の検査
 009 心筋虚血症状としての息切れ
 010 若年者の血便の鑑別診断
 011 乳び血清は膵炎リスク
 012 Mallory-Weiss 症候群の対応
 
予想正答率70%
 013 てんかん患者の長期フォロー
 014 心不全の標準的薬物治療
 015 高齢糖尿病患者のインスリン治療
 016 白血球分画に注目する
 017 肝疾患の息切れ精査
 018 至急の対処を要する胸痛の見極め
 019 二次性頭痛の症状
 020 見落とされやすい緊急性の高い疾患
 021 血痰と胸部異常陰影
 022 安静時の胸痛
 023 IPMN に併存する膵癌
 024 薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛:MOH)の診断
 025 若年者の房室ブロック
 026 もの忘れとてんかん
 027 高カルシウム血症に対する検査・対応
 028 フロー・ボリューム曲線でわかる障害
 029 不安定狭心症(疑い)例に対する検査の適応と禁忌
 030 NSAIDs 喘息
 031 大腸ポリープ切除後のフォローアップ
 032 妊娠中の喘息治療
 033 臓器保護を意識した降圧薬選択(の基本)
 034 ACO とICS/LABA/LAMA 配合薬
 035 感染focus のわからない発熱をみたら
 036 急速進行性糸球体腎炎の診断
 
予想正答率60%
 037 認知症の初期対応
 038 APTT 延長とvon Willebrand 病
 039 LVEF での心不全分類
 040 高齢者や心疾患合併の甲状腺機能低下症の治療
 041 免疫チェックポイント阻害薬と肝機能異常
 042 厳格なLDL-C コントロールの重要性
 043 白衣高血圧の管理
 044 Whipple 3 徴を知る
 045 不安定狭心症(疑い)例に対する迅速な対応
 046 特発性血小板減少性紫斑病の診断
 047 幻視のある認知症の診断
 048 呼吸苦や胸痛で,必ず疑うべき重要な疾患
 049 治療抵抗性高血圧(コントロール不良高血圧)の治療
 050 主な電解質異常と症状
 051 心不全に関する検査法
 052 生活習慣改善には教育入院も有効
 053 後期高齢者の降圧治療
 054 血友病A の診断
 055 咳込む,大声などで生ずる経過良好な疾患3

予想正答率50%
 056 非結核性抗酸菌症の診断
 057 骨粗鬆症の診断
 058 器質的心疾患と不整脈
 059 肺癌による上大静脈症候群
 060 貧血と黄疸を認めた場合
 061 SGLT2 阻害薬による正常血糖ケトアシドーシス
 062 SVR 後の経過観察
 063 アナフィラキシーショックの第一選択薬
 064 偽性血小板減少症を疑う際の検査
 065 高齢者の無症候性の心雑音
 066 体重減少の鑑別診断
 067 ピロリ菌感染が疑われる場合の対応
 068 免疫関連有害事象による腸炎
 069 手の震えの診断
 070 自己判断による薬の内服からの低心拍出状態
 071 急性閉塞性胆管炎の治療
 072 群発頭痛の治療
 073 高LDL-C 血症ではFH の鑑別を!
 074 分子標的治療薬による肺障害
 075 関節リウマチの炎症の主座
 076 虚血性腸炎の診断と対処法
 077 軽症バセドウ病に対する治療の選択
 078 骨腫瘍増大による脊髄障害
 079 心筋梗塞を起こしそうにない患者のST 上昇
 080 症状のない不整脈
 081 行動異常が主体の認知症診断
 082 他の医療者からの診療内容を把握する
 083 高齢発症パーキンソン病の治療
 084 乾癬性関節炎の発症様式
 085 細菌性肺炎と非定型肺炎の鑑別
 086 若年高LDL-C 血症はFH ハイリスク
 087 月経関連片頭痛の特徴
 088 腎障害時の関節リウマチ治療
 089 症状が比較的軽度であるが貧血が高度な場合
 090 抗血小板薬内服中の総胆管結石治療の対応
 091 微小変化型ネフローゼ症候群の臨床的事項
 092 拡張期血圧のみが高い若年者の治療
 093 骨折と関連する病態
 
予想正答率40%
 094 若年脳梗塞の診断
 095 膜性腎症の診断
 096 インフルエンザに関連する肺炎の鑑別
 097 甲状腺機能低下症の原因の多様性について
 098 IgA 腎症の予後関連因子
 099 高齢者のてんかん
 100 鉄欠乏性貧血以外の小球性貧血をきたす疾患
 101 ステロイド性骨粗鬆症の予防
 102 高齢者の視力低下の診断
 103 経口抗菌薬の効かない細菌性胸膜炎の対応
 104 関節リウマチ診断のための検査
 105 続発性脂質異常症を疑う際の対応
 106 ガイドラインはあくまで目安〜過降圧に注意〜
 107 原因のわからない胸痛
 108 B 型肝癌とHBV マーカー
 109 産後女性に認めた甲状腺中毒症の鑑別診断
 110 典型的な肺結核の画像所見
 111 インスリン抗体による血糖不安定
 112 カンピロバクター腸炎の診断と対処法
 113 労作時呼吸困難の鑑別
 114 てんかんと妊娠
 115 高齢者の自己免疫性膵炎に要注意
 116 メトトレキサート使用中の難治性口腔内潰瘍
 117 突然死をきたす疾患の代表格
 118 高用量のレニン・アンジオテンシン(アルドステロン)系阻害薬による糸球体濾過の抑制
 
予想正答率30%
 119 時々,電解質を思い出す〜腎機能低下と高カルシウム血症〜
 120 ラテックス-フルーツ症候群の診断
 121 皮疹をきたす間質性肺炎
 122 自己免疫性膵炎の病態
 123 新しい心不全治療薬
 124 食物依存性運動誘発アナフィラキシーの日常管理
 125 溶連菌感染後急性糸球体腎炎の治療
 126 専門医への紹介を考える骨粗鬆症
 127 妊娠の影響は大きい.生理学に戻って見直す
 128 てんかんと医療・福祉制度
 129 花粉症に伴う口腔アレルギーの診断
 130 急性発症の関節炎の診断
 131 ダニによる通年性アレルギー性鼻炎の治療
 132 collagenous colitis の病歴と病理像

はじめに

内科外来で「さまざまな疾患を診る」ための問題集です.
診察室で,悩んだり,つまずいたりする状況をイメージしています.
得意領域は簡単に見えるでしょう.
専門でないところは見慣れぬ言葉にも出会うかもしれません.
簡単な問題から解きごたえのある難しめの問題まで扱っています.
その分野を専門としない内科医を念頭に置き「予想正答率」を載せ,分野で区分せずに並べています.
診察室では,ありふれた病気と難しい病気にランダムに遭遇するからです.
診断力の評価にもなりますが,それ以上に「世の中で求められているスタンダード」のめやすとして参考にしてください.
問題文にはカギとなる言葉が強調されています.
こんな出題の仕方は,「ポイントになる情報を探し出す」という「診療の王道」から見れば邪道です.
しかし,「基本的な臨床能力を少ない努力で得る」ことをねらった問題集なので,重要な言葉が「目に残る」ことと,どんどん読み進められることの2点を考慮して,こういう形にしました.
「簡単すぎる」,「ここまで必要かな」と感じられるところがあるかもしれません.
試験としてなら「適切な難易度」が求められますが,本書は内科全般のおさらいでもありますからありふれた問題も多めに入れています.
「いくつか診療のヒントになった」と思っていただけると幸いです.

2023年1月
編 者

9784524232284